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Blue Rose

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第二十六話 退所その二

「ドームに行くのもいいわ」
「野球ですね」
「今年も調子いいけれど」
 ここで少し苦笑いになってだ、副所長は優花に話した。
「シリーズでは負けないわよ」
「阪神にですか」
「貴女は阪神ファンよね」
「はい、地元ですし」
「そうよね、去年のシリーズでは負けたけれど」
「今年は、ですか」
「負けないわよ」
 野球のこともだ、優花に言うのだった。
「絶対にね」
「それじゃあいい勝負をですね」
「福岡でも楽しんでね」
「機会があれば行ってみます」
「そうしてね、八条鉄道で行けるから」
 長崎から福岡までだ。
「あの鉄道で佐世保にも鹿児島にも行けるし」
「九州の何処でもですね」
「そう、主な場所はね」
 それこそというのだ。
「行けるから」
「それじゃあ」
「あと福岡は美味しいものが一杯あるから」
「ラーメンだけじゃなくて」
「さっきもお話したけれどね」
「明太子も鶏肉もですね」
「おうどんもいいのよ」
 この麺類もというのだ。
「柔らかいのよ」
「あっ、こしがないんですね」
「大阪のおうどんみたいにね」
「そうした感じですね」
「柔らかいのよ」
「そうしたおうどんもですね」
「よかったら楽しんでね」
 福岡に行ったならばというのだ。
「九州を思いきり楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
 優花も答えた、そうした話をしながらだった。
 アパートも見た、そして副所長は出る時に優花にあらためて言った。
「家具とかはね」
「はい、後でですね」
「明日に入るのかしら」
「姉さんから連絡がありました」
 優子からというのだ。
「僕のお部屋の家具を送るって」
「そうなのね」
「テレビも一つ」
「あら、いいわね」
「ゲーム機も」
「それじゃあ退屈はしないわね」
 アパートの中にいてもというのだ。
「よかったわね」
「はい、僕もそう思います」
 優花は副所長に微笑んで答えた。
「やっぱりテレビがあると違いますね」
「そうよね」
「それだけで、ただ最近」
「面白い番組がないっていうのね」
「だからいつもゲームしてます」
「それならそれでいいわね」
「パソコンも送ってくれるそうですし」 
 そちらもというのだ。
「そうしたので楽しんでいきます」
「インターネットに接続して」
「そうしたことは詳しくないですけれど」
 家事には強いがパソコン関係は今一つなのだ、この辺り優花はどうにも苦手意識が先に立ってしまっている。
「やってみます」
「知ってるのね、接続の仕方」
「一応知ってることは知ってますし」
 それにというのだ。 
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