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Blue Rose

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第二十五話 外の世界へその十二

「それでもね」
「天界は、ですね」
「神様のいる場所は果てがわからないでしょ」
「何処まで上なのか」
「神様の思い次第で何処までも上がるとね」
 それこそというのだ。
「私は思ってるわ、今のお話はキリスト教だけれど」
「他の宗教でもですね」
「神様のいる場所は何処まで上がるのよ」
「だから幸せもですか」
「そうよ、果てがないのよ」
 まさにというのだ。
「一番幸せで後は落ちるだけとかね」
「そういうこともないんですね」
「そう思うことはあまりにもネガティブよ」
 副所長は遠い目になってだ、優花に語った。
「それはね」
「そうですか」
「そう、他の人に迷惑をかけない限りはね」
 それこそというのだ。
「何処までも幸せになっていいのよ」
「そういうものなんですね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「人はね」
「一番幸せというのはなくて」
「そこから後は落ちるだけというのもね」
「ないですね」
「そう、ないのよ」
 それもというのだ。
「何処までも上がっていけるから」
「じゃあ僕も」
「何処までも幸せになってね」
「わかりました、あと」
 ここでだ、優花は学校の中を見回って思ったことを話した。その話したことはというと。
「この学校は八条学園とはまた違いますね」
「同じ学校といってもっていうのね」
「普通科だけですね」
「そうよ、あと設備も違うでしょ」
「はい、確かに」
「あの学校のことは聞いてるけれど」
 その八条学園のこともだ、副所長は話した。
「あそこはまた特別だから」
「そうなんですね」
「あれだけ色々な学科があって」
 そしてというのだ。
「動物園や植物園があるのはね」
「他にはないですか」
「ええ、留学生の子も多いわね」
「そうですね、若しかしたら半分はです」
 全校生徒、そして教師も含めた職員もだ。
「外国からの人ですから」
「そうした学校は珍しいわ」
「やっぱりそうですか」
「ええ、そうよ」
 まさにというのだ。
「また違うわ」
「それで、ですね」
「この学校は普通の学校だから」
「こうした学校なんですね」
「学校といってもね」
 それこそという言葉だった。
「普通の学校なのよ」
「ごく普通の」
「八条学園の敷地は広いしね」
「はい、物凄く広いですね」
「その広さもあるから」
 だから余計にというのだ。
「また違うのよ」
「そういえば広さも」
 優花は言われてそのことも気付いた。 
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