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『現実世界』

作者:零那
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『異端児』



いつから此の歪みが生じたのだろうか。
生まれ持ったものだと思ってたけど、なんか違うみたい。

6歳になった頃には逸脱した歪んだ価値観や思考を持っていた。
酒屋のおっちゃんに言われた。
心配してくれてるのは解った。

自分で気付かない異常性。
まだ生き物を殺したことはなかった。
衝動的なものは抑えれたみたいだった。
ただ、破壊行動はあった。

気持ちよかった。
ビール瓶を壁に打ちつける瞬間が。
瓶が割れる音と共に自分の中でも何かが壊れた。
其れが唯一の快楽だった。

なんとか家から抜け出してはビール瓶を割りに行った。
それに、酒屋のおっちゃんにおにぎりを貰いにも行った。
あと、紐飴を買っては隠し持って大事に舐めていた。

滅多に逢えないお父さん。
其の友達と名乗るおっちゃんが稀に100円をくれる。
其れで紐飴を買って大事に食べなさいと。
生きる術を教えてくれた。

そして、お父さんは元気だと教えてくれる。
自分に逢いたがってるけど、此の家には帰りたくないと。
理由は、あの人に逢いたくないから。
だから此のおっちゃんが様子を確認しに来てくれる。

守られていたんだ。
その時は解らなかったけど。


 
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