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歌集「春雪花」

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 夜もすがら

  恋すも侘しき

    想いなれば

 捨てきれぬ身の

    いとも虚しき



 一晩中彼を想って…それがなんだと思い…所詮は無意味なことだと自分を窘め…。

 人の一生など、長いようでいてとても短い…。
 その一生の中で…恋だの愛だのと右往左往するのだ…。

 苦笑するほかないが…それでも諦め切れずに想い続けてしまう…。


 こんな私自身…なんと無駄なものであろうか…。



 村雨の

  濡れにし里の

   侘しさに

 わが身世にふる

     君のいぬ道



 秋の淋しい雨が…刈り入れの終えた田や、色づき始めた山野を濡らす…。

 彼の声を聞けなくなって…どれだけになるだろう…。
 彼の姿を見れなくなって…どれほどになるだろう…。

 溜め息を一つ零し人生を振り返れば…後にも先にも、彼と共にある道はないのだと悟る…。


 後悔だらけの人生…後、どれ程続いて行くのだろうか…。




 
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