ガンダムビルドファイターズ ~orbit~
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全日本ガンプラバトル選手権 中高部 予選 艦隊戦
全日本ガンプラバトル選手権 中高部 予選 艦隊戦…………始動!! 前編
前書き
オッス、オラ〇空。ワクワクすっぞ。という冗談から始まる心はいつも自由(フリーダム)です。
さて、ようやく大会に入れましたよ。『剣聖の煌めき』と同時並行を目指しますが、『try hope 外伝』の二の舞になりそうですし、『剣聖の煌めき』は最低でも月二で更新出来るように頑張ります。
さて、前書きはここまでにし、本編をどうぞ!
大会前日の夜、頭痛が酷いので今日はすぐに寝て休もうと布団に潜る。寝る前に頭痛薬を飲んだが、治まるどころか痛みが増してくばかりだ。
「ぐっ………! 」
激しい頭痛に苦しみ、いつぞやの靄がかかった映像が頭のなかに流れた。
【ザッ…さん!俺……ザザッわ…………ザザッく! 】
【熱は……ザザッ……よね…………ザザッいきなり……ザザザザッ…………入れない…………ザッ……ザザッ不可能だ…………しなきゃいけな……ザザッザッあんたは………まだ……ザザッ……でしょうが】
【………ザザッ…イ!レイ!……返事を……ザザザッ……!】
映像と共により痛みが増した。苦しみ疲れたのか、眠気が襲ってきた。意識が遠くなっていくなか、最後の映像が頭に流れていき、それは、誰かが自分の事を必死に呼んでいるものだった。
ーーー――
気づくと、俺は真っ白な空間に立っていた。
「……………またこの夢かよ」
『またとは心外だな』
後ろから声がかかり、ため息を吐きながら振り返る。声をかけてきた男を見ると、やはり靄がかかっていて顔がよく見えない。
『言っただろ?この夢は何度でも続くって。忘れたわけじゃないよね? 』
あー。んなこと言ってたような言ってなかったような気がすんな。だってあれから一度も夢を見てねぇんだもん。
『忘れてたのかよ。まあ、別にいいか。こうしてまた会えたんだし』
「…………もしかして、あの頭痛はお前のせいか? 」
『違う。原因は君だ、レイ』
「俺? 」
『そう。君だよレイ。どうやって夢の中の僕が、君に頭痛を起こせるんだよ? 』
「そりゃあそうだけど、タイミングが良すぎんだよ」
『確かにそうだね。まあこういった偶然だってあるさ』
「あっそう。じゃあ、前回ははぐらかされたけど、今回はきちんと答えてもらうぞ。
依り代ってどういう意味だよ?それに、お前の目的はなんだ?お前はいったい誰なんだよ? 」
『一度に沢山聞いてくるなぁ。前にヒントをくれてやったろ?そこに二つ目の質問以外の答えがあるよ』
「んなまどろっこしい事はいいから、質問に答えろよ」
男は大きくため息を吐き、声のトーンを低くして言ってきた。
『うるさいな。少しは自分で考えろよ。お前はそんなことも出来ない馬鹿なのか? 』
「あっ?今なんつった? 」
『聞き返すなよ。一度で理解しろ、馬鹿が』
「お前……! 」
『やる気?言っとくけど、お前じゃ絶対に勝て………………あっ、残念。時間だ』
「はっ? 」
『朝だ。残念だけど、今回はここまでだね』
男が指パッチンすると、真っ白な空間がほんの一部が、黒く染まっていった。
『ちゃんと考えててよね、レイ』
男は前と同じく、煙のように消えていった。
ピリリッ、ピリリッ、ピッ
目覚まし時計を止め、ベッドから起き上がり着替えを済ませる。
「たくっ………目覚めがわりぃ」
今日必要の物も鞄に入れ、一階へと下りる階段を歩く。
「朝飯の支度もしなきゃな。レイナの奴起きてっといいんだけど」
レイナは朝に弱い。週四のペースで起きてこないときがあるほどにだ。まあ、いつもの日課みたいなもんだ。
「レイ兄ちゃんおはよー! 」
「おはよー! 」
「今日ご飯なにー? 」
「お腹へったー」
「ご飯まだー!? 」
「今から作るからちょっと待ってろ。レイナの姿は………見当たらねぇな。俺が作ってる間に起こしに行ってくれ」
「「「「「はーい! 」」」」」
朝から子供達は元気であり、返事をすると走ってレイナの部屋へと向かった。その間にエプロンを着け、朝飯の支度をする。
「いっったーーいっ!! 」
「…………今日も通常運転だな」
レイナの叫び声が聞こえたが、無視して支度を進める。これもある意味いつもの日課だ。だから俺は気にしねぇ。
「す、すいませんレイ君。寝過ごしてしまいました」
しばらくドタバタ音が響いたが、子供達と一緒にレイナが来た。
「気にすんなよ。それよりも皿出してくれ。もう準備出来たし」
「ふふっ、分かりました。それにしても、レイ君はいいお嫁さんになれそうですね」
「誰が嫁だ。せめて主夫って言え」
取り出して貰った皿に料理を盛り付けながらツッコミを入れる。
「そういえば、今日は大会なんでしたっけ? 」
「ん、まあそうだな」
「何時からでしたっけ? 」
「十時」
「体調とか大丈夫ですか? 」
「大丈夫だ」
「忘れ物とかないですか?ちゃんとお薬を持ちましたか? 」
「ちゃんと鞄に入れたから大丈夫だ」
「もし会場に行く途中で道が分からなかったら、誰かに聞くのですよ? 」
「お前は俺の母親かっ!? 」
ツッコミを入れながらも準備も整い、テーブルへ運んで朝飯を食べる。
「今日は休日ですし、皆さんで応援に行きますね」
「別に来る必要はねぇよ」
「と言っても、もう既に皆さんに手伝ってもらい、準備は万端なんですよ。ねー皆さん? 」
「「「「「うんーー! 」」」」」
「お前はなんでこういう時だけ準備がいいんだよっ!? 」
ーーー――
「遅いわよカグラ君」
「へっへー!ビリッケツだなカグラ」
「集合時間三分前だぞ。せめて五分、十分前に来るのだ」
「時間には間に合ってんだろ」
「そういう問題ではない。それで間に合わなくなったりしたらどうするのだ? 」
「走る」
「ふざけてるのか? 」
「サクラもカグラもその辺にしときなよ」
「そうそう。時間ももったいねーし、さっさと行こーぜ」
アキザワとヒメラギが仲裁に入ったことで話は終わり、俺達は会場に行くため移動する。
ーーー――
「それで、開会式三十分前に集合して向かってきたけど、かなりの数の信号に捕まったり、二、三人ほどの人に道を聞かれたり、最終的には引ったくりを見かけて捕まえたけど、開会式に間に合わないと判断して走ってきたと?いったいどこの不幸体質の持ち主なの? 」
「うるせぇ……」
「つ、疲れた~」
「なんでこんな目に………」
「ふぅ……ふぅ……」
「だ、大丈夫セシリアちゃん? 」
「…………ダメ」
結局走ることになり、会場に着くまでの経緯を息切れをしながら説明した。幸い時間には二分前に着いたが、今度からは十分前には集合しよう。もう走りたくない。
「さて。開会式も始まるし、早速中に入ろっか。いや~。にしてもワンパターンだな~」
なんの話をしてんのか知らねぇけど、今はツッコミを入れるほどの気力は残ってない。とりあえず無視しよう。
ーーー――
「………というわけで、全日本ガンプラバトル選手権 中高部を開始します。試合があるチームはすぐに準備してください」
開会式が終わり、トーナメント表を確認して観客席に移動する。
「あっ、ヨシナさん」
「む?ああハルカゼ君か。それに天之川学園の皆も」
「夢弓学園は、試合はどれぐらいあとなんですか? 」
「四試合後だ。そういう君達は? 」
「二試合後ですね~。相手チームの情報はムウさんが集めてますし、この試合が終わったらすぐにミーティングをする予定です」
「そうか。トーナメント表を見たが、私達が当たるのは決勝らしい」
「そうですね~。お互い負けなければ当たりますね」
「む?珍しく自信が無いように見えるが? 」
「いえ、もちろん勝つ気で挑みますよ。ただ、まだ問題がいくつかあるもので」
「その問題とは? 」
「言うわけないじゃないですか~。弱点も含まれているんですし」
「ふっ、残念だ」
ーーー――
同時刻、ハルカゼとヨシナが話をしている間に、俺達はシンドウとアベに遭遇していた。
「シンドウ………」
「………誰だ? 」
「ブフッ! 」
「おい、そこの………え~と、タナカ!笑ってんじゃねぇよ。それにシンドウ、お前も人の事を忘れてんじゃねぇよ」
「待て待てカグラ。オメーは人の名前を間違えてんぜ? 」
肩に手を置かれながらツッコミを入れられた。確かに、俺もうろ覚えだったからテキトウに言ったけどよ。
「いちば模型店の大会ではコーチが目立ってたし、アンタの事は忘れられてもしょうがないでしょ」
「それって、俺達の事も忘れられてるって訳だよね? 」
「天然なのか、もしくは馬鹿なのかのどっちかだろう」
アマネは相変わらずの毒舌で、三年生組は呑気になんか言ってる。セシリアに関しては誰?って表情して会話にも参加してない。
「………ああ。いちば模型店の時のチームか」
「そうだ。あん時は時間切れだったが、今回はキッチリ勝たせてもらうぜ」
「あの勝利はお前達の実力ではなく、コーチのおかげだろ? 」
「かもな。けど、俺だって強くなってきたんだ。前回みてぇにいかないぜ」
「ふん。口だけじゃないといいけどな」
それだけ言うと、シンドウは他のメンバーと共にヨシナの所へと向かった。
「ん?シンドウ君達と話してたの? 」
シンドウ達と入れ違うように、今度はハルカゼがこっちに来た。
「そんなとこだ」
「完全に宣戦布告してたじゃない」
「うっせ」
「てか『俺』じゃなく、『俺達』って言えよカグラ」
「お前はそこまでじゃねぇだろ」
「ひでーなおい!? 」
「さっきのヒトタチってダレ? 」
「シンドウ アゲハとアベ アツシだよ。大会で戦ったんだけど、手も足も出なかったよ」
「む?となると、ハルカゼの力で優勝したというのか? 」
「いやー、僕途中参戦だから、あながち僕だけの力じゃないと思うよ?それよりも、ミーティングするから皆来て。ムウさんの所に向かうから」
ーーー--
「ムウさん。相手チームの情報は? 」
「ああ。バッチリだ。今説明するから座れ」
ムウに言われた通り、俺達はベンチに座り話を聞く。がっ、内容はミーティングというミーティングではなかった。
「データをいろいろ見てみたが、正直それほど強くはない。フォーメーションは前衛一機に後衛MA、その後方に戦艦といった感じだが、似たようなフォーメーションの夢弓学園と比べるとイマイチ噛み合ってないように見えた。
チームとしてこれは大きな問題だな。
お前らの実力なら問題ないと思うが、慢心だけはするなよ?お前らもまだまだヒヨッコ同然のチームなんだ。分かったか? 」
「分かりました」
「了解ッス」
「大丈夫です」
「ふん」
「へいへい」
「ヒヨッコ……? 」
「………………大丈夫か本当に」
ーーー--
「予定が合ってよかったわね」
「そうだな。さて、あれからどうなったものか、見せてもらうか」
会場の中に入り、観客席へと移動する。
「む?サオトメ君にトオサカ君ではないか」
「ああ。久しぶりだなヨシナ」
「お久しぶりです」
ヨシナの隣に座り、夢弓学園のメンバーを見通す。
「…………相変わらず強者揃いのようだな」
「ふっ………君達のチームもそうだろう? 」
「いや、俺達じゃなく、トウイのチームだからな? 」
「彼がいるということは、ある意味そうではないのか? 」
「いや違うだろ………」
「…………誰ですかその二人」
ヨシナの二つ隣の席に座っている、金髪のツンツン頭の男が声をかけてきた。確か、トウイから聞いたシンドウって奴だな。
「ああ。この二人はサオトメ君にトオサカ君といい、ハルカゼ君と同じチームだった人物だ」
「……アイツとか」
「……ねえヒロヤ。トウイって、年下からこんな扱いされるような人だったかしら? 」
「トウイの性格を考えると、多分そうなんじゃないか? 」
てかコイツ。トウイだけじゃなく俺達にも殺気を向けて来てるし。アイツいちば模型店の大会でなにやったんだよ。俺達を巻き込むなバーロー。
「ドンマイ! 」
「そしてさらりと心を読みながら登場してくんな。お前コーチなんだから下にいろよ。職務怠慢で捕まってろ」
後ろから声をかけてきたトウイを追い返すように返事をする。しかし、なぜか当たり前かのように後ろの席へと座ってきた。
「下にはムウさんがいるし、それに、僕達にはやらなきゃいけない事もあるしね」
「…………そうかよ。じゃあお前はどっか行ってろよ」
「まあまあ。正直言って、まだなんも分からない状況なんだし、何かが分かるまでここにいるよ。あっ、それとシンドウ君。そこまで殺気立っても、別に君とバトルする訳じゃないから抑えててね」
「…………ふん」
「…………トウイ。あなた大会でなにをやったのかしら? 」
「特に何かした覚えはないんだけどな~」
ーーー--
「ただいまより、宮城予選全日本ガンプラバトル選手権中高部一回戦、第六試合。天之川学園、チームアスタリスクホープ対。角田学校、チーム風林火山の試合を開始します」
風林火山ってなんだよ。手抜きか?手抜きなのか?
「まあいいか。皆、準備は出来てんだろうな? 」
「おう! 」
「問題ないよ」
「無論だ」
「ダイジョウブ……」
「それより、なんでアンタが仕切ってんのよ」
「別にいいだろうが。ほら。ガンプラを貸してくれ」
「言われなくても貸すわよ。はい」
アマネからアルケオニスガンダムを受け取り、五人でバトルシステムへと向かう。
「見てろよシンドウ。前とは違ぇってとこを見せてやる」
『GUNPLA BATTLE combat mode』
『Startup』
『Model Damage level Set to B』
『Please Set Your GPベース』
『Beginning plavsky particle 』
『Dispersal』
『Field 1 space』
フィールドは宇宙空間だ。
『Please Set Your GUNPLA』
『BATTLE START』
「カグラ レイ!アルケオニスガンダム!やるぞ!! 」
「ヒメラギ トウヤ!ヴァサルティスガンダム!いくぜー!! 」
「サクラ!ティグリスガンダム!出る!! 」
「セシリア リート…………ブラウドライツガンダム…………イキます! 」
「アキザワ セイヤ!チームアスタリスクホープ!!発進する!! 」
フィールドへと向かって発進し、ヴァサルティスガンダムとブラウドライツガンダムが、アークエンジェルのゴッドフリードより手前の所へと着地する。
アルケオニスガンダムはスザクモードへと変形し、その上にティグリスガンダムが乗る。
「打ち合わせ通り、先手はカグラとサクラに任せるよ。でも、俺達が行くまで無理しないように」
「ふん」
「へいへい」
ブーストを全快にし、敵陣に向かって一直線に進む。すると、敵機の姿を確認する前に、相手から攻撃が放たれていた。
「貴様の死は無駄にしない。搬送ご苦労だった」
「この程度でやられるわけねぇだろ。お前こそ墜ちるんじゃねぇのか?グ、ズ、リュ、ウ」
「ほう?どうやら死にたいようだな………」
軽口を叩きながらも攻撃を回避していき、敵機の姿が確認出来る距離まで近づいた。
相手は後衛にMA形態のデストロイガンダム。前衛にオオワシ装備のウィンダム。デストロイガンダムの後方にはガーティ・ルーの戦艦だ。
「MAはデストロイガンダムか…………これは手強いな」
「けど、単なるデカブツだ。アイツらと比べたらな」
「同意だ。まずは軽い方から倒す。その間デストロイを引き付けろ」
「お前が来る頃にはほぼ終わらせてやるよ」
デストロイガンダムが、背部フライトユニットに装備されている2連装の長射程大出力ビーム砲で砲撃したと同時に、左右に分かれて展開する。
それを見たデストロイガンダムは、両腕をアルケオニスガンダムとティグリスガンダムに向けて射出した。
両手の5指先端に装備されたビーム砲で二機を攻撃してきたが、難なく回避し、MS形態に変形してバスターライフル改で反撃する。
しかし、左腕から陽電子リフレクター発生器 シュナイドシュッツSX1021のビームシールドを展開され防がれてしまう。
「これならどうだっ!? 」
刀を抜刀し、ビームシールドを発生させたままの左腕へと投擲する。実剣である刀を防ぎきれず、多少ビームシールドを貫通して腕に突き刺さる。
そして、突き刺さった衝撃でよろけた隙を逃さず、左腕へと接近して刀を更に押し込む。
「おおおぉぉぉぉぉぉっ! 」
刀をそのまま振り上げ、デストロイガンダムの腕を切断する。
「へっ、どうだ? 」
ティグリスガンダムの方を見ると、ウィンダムとデストロイガンダムのもう片方の腕と戦闘を繰り広げていた。
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