平成ライダーの世界
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第三十一章
海東は彼の本来の世界に来てそうしてようやく彼の素顔を見せました、それまで隠してあえて悪ぶったり余裕を見せていましたがここで苦い顔になり実際に苦しんでいる彼の素顔を見て門矢も今の御前は信じられる、と言いました。素顔を見せたからこそ。
素顔の彼は人間でした、後に戦隊もののゴーカイジャーで彼に似たバスコというキャラが出ていますがこちらは徹底的に卑劣で自己中心的なエゴイストでした。自分さえよければそれでよく本人は飄々としているつもりですがそのエゴイズムが出ていて非常に嫌な奴でした。現実世界にもいますが自分自身は飄々としているつもりで余裕のあるそうした人間を装っていてもエゴイズムが出ていてとても嫌な奴になっているケースはあります、バスコはまさにそうでした。
ですが海東は一見エゴを出している様に見えても実は彼のエゴは強くなくそして人間としての一線は守っています。バスコは普通に人間としての一線を超えた外道になっている輩でしたが彼は人間としてのモラルを守っていました。それ故に彼の兄に御前は兄さんじゃない、と忌々しげに言ったのでしょう。この時の彼の表情はそうした意味で人間の表情でした。
その人間を見たからこそ門矢は彼を信じ認めました、そして同時に彼の兄に弟が撃てるか、とも聞きました。結果として彼は海東を撃てませんでした。海東純一もまた人間でありそこまでのことは出来ず海東も同じでした。その為別れる時に門矢は彼にフォーティーンにはなれないと言ったのでしょう。フォーティーンは明らかに人間ではない化物ですから。それは姿形ではなく心がそうであります。あれは完全に人間ではありません、人間でなくならないとフォーティーンにはなれないです。
海東はその兄が人間のまま去ったのを見届けてから再び門矢との旅に入りました、門矢達の旅はテレビ版の後の映画版で完結していますが彼等の旅は続いているのでしょう、彼の戦いは僕の考えではそれぞれの世界でのスサノオの介入に対していったものであり彼等自身がスサノオとの戦いに勝ったのが劇場版でしょう、しかしそれぞれの世界を旅する彼等の戦いは続いていて今もライダー達の世界を一つにつなげる存在として戦っているのでしょう。
門矢達はそれぞれの世界をつなげるライダー達であり彼の登場から仮面ライダーの世界に明らかにパラレルワールドが組み入れられています、パラレルワールド自体はファイズ、剣、カブトの劇場版でもありましたがディエンドの登場以降明らかになっています。そうさせたのがディエンドでありディエンドは仮面ライダーの作品世界に深みも与えました。パラレルワールドの設定を完全に取り入れたからです。
門矢達そしてライダー達はそれぞれの世界を回って戦うことにもなりました、それを実現したのがディエンドです。ディエンドは物語を創っていく話でありそれと共にそれぞれの世界をつなぐ物語にもなりました。そして。
その中で、です。門矢を異様に敵視する存在として鳴滝がいましたが彼は一体何者なのか、放送当時から議論がありましたが今もわかっていません、小説版では怪人だそうですが僕は残念ですが小説版は未読です。ただテレビや映画では彼は確かに門矢とは対立していますがショッカーとも対立しています。何でもファンを表したキャラクターとのことですが。
ライダー達を召喚したりして門矢と戦わせ彼の邪魔をしていましたがそれは今一つ積極的なものではなく何をしたいのかわからない部分があり本当に何者かわかりませんでした。そのまま最後まで至りゾル大佐になったりもしていました、ですがその正体は今も不明です。結局謎の存在のままですがそれはファンの人達それぞれのライダーに対する感情を表しているのでしょうか。
鳴滝もまたディケイドのそして仮面ライダーの世界の中にいるということでしょうか、小説版ではともかくテレビや劇場版では少なくとも人間として。その能力の謎も解明されておらず気になりますが。
ここまで書いていてもどうもディケイドは何かといいますと物語を人間達が創っていく作品でありそれは一つの世界ではなく様々な世界にも及びつなげていく。そうしたものでしょうか。仮面ライダーが人間出あるのなら人間達が結びつきそうして問題を解決しスサノオという神と戦いそのうえで勝つ。そうしたものsでしょうか。
ディケイドはこれからも時に応じて登場して来るかも知れません、劇場版を主として。彼がライダー達の物語それぞれの世界を結び付ける存在だからこそ。
平成ライダーは第一期の最後で今に至るまでそれこそ初代の仮面ライダーからゴーストに至るまでの中で最も異色の作品を迎えるに至りました。そのディエンドこそがそれです。しかしそのディエンドは謎のままの部分が多くそれでいてそれぞれの世界を結び付けるものとなりました。その結果様々な世界がつながりライダー達同士もつながることになりました。
ダブル以降の作品を観ていますとひいては第一期の作品世界ともリンクしているふしがあります、元々半公式設定と言われているよみうりヒーローショーではそうでしたが。ダブル以降平成ライダーは第二期となり少し作品の描かれ方が変わります。それで今回はディエンドで終わりたいと思います。クウガからディエンドまで作品を考察させてもらいましたが如何だったでしょうか。拙い考察でしたが読んで頂ければ幸いです。
平成ライダーの世界 完
2016・9・10
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