レインボークラウン
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第三百六十五話
第三百六十五話 出発
ステーキハウスに行くのは夜だった、小田切君は研究所での仕事を終えて日課のトレーニングと入浴を終えてだった。
百貨店、ステーキハウスにあるそこに向かう。その時にタロとライゾウから見送りを受けた。
「じゃあね」
「たっぷり食って来いよ」
「明日感想聞かせてね」
「楽しみにしてるからな」
「うん、行って来るよ」
小田切君は二匹に笑顔で応えた。
「楽しんでくるから」
「じゃあね」
「明日の朝聞かせてもらうぜ」
二匹も小田切君を笑顔で送った、そして。
博士はというと、二匹と一緒に小田切君を見送る時にこんなことを言った。
「一瞬で行けるが」
「機械で、ですね」
「うむ、テレポート出来るベルトを開発したのじゃ」
「それを使えばですか」
「一瞬で好きな場所に行ける」
そうした機械だというのだ。
「オズの魔法使いのベルトと同じじゃよ」
「あのドロシーが最後に使ってた」
「そうじゃ、それを使ってじゃ」
そしてというのだ。
「一瞬で行けるが」
「また便利なものを造られましたね」
「さっきわしが五分で造った」
「五分ですか」
「わしは発明、開発には時間がかからぬ」
知能指数二十万だけはある。
「だからそれだけで造られたのじゃ」
「そうですか、また凄いですね」
「それでどうじゃ」
博士は小田切君にらためて尋ねた。
「使うか?」
「使っていいんですか」
「さっきわしが実際に使ってみたら成功じゃった」
自分も実験に使うのが博士である、ただし気が向けばその辺りの不良やヤクザ者を捕まえて生体実験に使うことが常だ。
「どうじゃ」
「お言葉に甘えていいんですね」
「うむ、遠慮は無用じゃ」
「それじゃあ」
小田切君は博士の行為を受けてベルトを借りた、それは何処かのチャンピオンベルトの様な形をしている。
そのベルトを巻くとだ、博士が言った。
「行きたい場所に行きたいと思えばな」
「行けるんですね」
「そうじゃ」
その使い方も話した博士だった、それも的確に。
第三百六十五話 完
2016・8・4
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