ドリトル先生の名監督
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第五幕その五
「確かに先生スポーツ全然駄目だから」
「学問は出来てもね」
「ことスポーツについてはね」
「全然駄目だからね」
「どんなスポーツでも」
「そうなんだ、体育はいつも駄目だったよ」
学校の授業のそちらもです。
「出来たことないよ」
「それで自転車もなんだ」
「こんな調子なんだ」
「今漕いでいても」
「辛いんだね」
「ちょっとね」
それ程ではないにしてもというのです。
「辛いよ」
「ううん、歩くことは出来ても」
「そんなに運動不足じゃないのに」
「それでもなのね」
「運動をするとなると」
「やっぱり苦手なのね」
「そうなんだよね、自転車もスポーツだからね」
実際にそうした競技もあります、自転車も立派なスポーツなのです。
「今は辛いよ」
「ううん、自転車位と思っていたら」
「先生にとっては違うんだ」
「僕達はこれ位平気だけれど」
「走っていてもね」
「これ位はね」
「飛んでいてもね」
皆の場合はそうです、ですが。
そうしたことをお話しながらも先生は自転車で皆の朝のランニングについていきます、ちょっと苦労しながら。
そしてそのランニングの後で先生は大きく深呼吸をしてでした。
自転車から降りてです、こんなことを言いました。
「朝から一週間分の運動をしたかな」
「えっ、これほんの準備体操ですよ」
「ちょっと走っただけですよ」
相撲部の皆は先生の言葉に驚いて突っ込みを入れました。
「十キロ位の」
「それ位本当に準備体操ですよ」
「これから一日の稽古はじめますよ」
「色々な稽古を」
「そうしますよ」
「十キロも走って」
先生は皆の言葉に驚いて言うのでした。
「それからはじめるって」
「はい、そうです」
「いつもそうしていますよ」
「まずは十キロです」
「ほんの」
「ううん、凄いね」
そう聞いてでした、先生は本当に驚きました。
そしてです、こんなことを言うのでした。
「僕なんか一キロも走られないから」
「こうしたことも毎日していますと」
「出来る様になります」
「体力もついて」
「十キロ走ってそれからの稽古も」
「そうなんだね、じゃあ今から土俵に戻って」
先生は皆にあらためて尋ねました。
「お相撲の稽古だね」
「そうです、四股も踏んで」
「お相撲の稽古します」
「それでまた走ります」
「そっちもします」
「また走るんだね」
先生はまたびっくりしました、皆の言葉に。
「そうするんだね」
「はい、雨なら雨で雨天用のグラウンドでランニングしますし」
「晴れならそうしています」
「外で走っています」
「とにかく走ることはしています」
「凄いね、僕走ることも苦手だから」
やっぱりこちらも苦手な先生でした。
「とんでもない位運動するんだね」
「大学の運動部ですとこれ位しますよ」
「真面目に部活していましたら」
「まあこれ位はです」
「本当に普通ですよ」
「そういえばそうかな」
先生はここでご自身の学生時代を思い出した、その時大学のラグビー部の人達を思い出すとそれこそでした。
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