リリカルなのはEXE
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第二話 自己紹介は奇妙な生活のはじまり
side熱斗
海鳴というオレたちが居た世界とはまったく違う世界、出会ったのはきれいな長い金髪に宝石のように赤い瞳をした女の子と人の言葉を話すオレンジ色の大きな犬、そして現実世界でのロックマンへの変身、頭の中はパニック寸前だけど今はとにかくひとつずつ出来ることをやっていこうなんて考えながら女の子に連れられてやって来たのは隣の市にある高層マンションだった。
「すっげ~こんなところに住んでるのか?」
「これはたしかにすごいね」
オレの問いかけに女の子はこくりとうなずくだけでマンションの中をどんどん進んでいく
「ここです」
「おじゃましまーす」
「お邪魔します」
通されたのは必要最低限の家具しかないというか生活感がないすごく殺風景なリビングだった。
「適当に座ってください」
女の子に促されソファに腰掛けると女の子は対面にオレンジ色の大きな犬は女の人に姿を変え女の子の隣に座った。
「うっうわぁ!犬がひ、人になった!?」
「あん?うるさいねぇそれにあたしゃ犬じゃなくて狼だよ」
「どうなってるんだよここは……」
「熱斗くん、驚くのもわかるけど今は話を聞いてもらおうよ」
「そっそうだな、よしっじゃあまずは自己紹介からだな」
「オレは光熱斗、十一歳で秋原小学校の五年生、熱斗でいいよ。こっちは相棒のロックマン」
「よろしくね、ボクはロックマン熱斗くんのネットナビだよ」
「私はフェイト・テスタロッサ、九歳です。じゃあ私のこともフェイトで」
「あたしはアルフ、フェイトの使い魔さ」
こうしてオレたちの自己紹介がはじまった。
「なるほどねぇあんたたちが居た世界はネットワークが進化した世界であんたらはWWWっていう悪さをしている連中を懲らしめた後なぜかこの世界に飛んできてしまったと」
「たぶんジュエルシードの力だろうね」
「そっか、それでフェイトたちはこことはまた違う世界からそのジュエルシードっていう宝石を探しにやってきた、魔法を使う魔導士っと」
「それにしても本当にびっくりだね、いろいろな世界が本当は存在していてそれぞれに独自の文化を築いてるなんて」
「本当だよな実際にこんな体験してなかったら信じられないぜ」
「それで改めてなんだけど熱斗たちが持ってるジュエルシードを渡してもらえないかな?私たちにはどうしても必要なものなんだ」
「うーんでもオレたちそんな宝石持ってないぜ?」
オレはそう言いながら自分の荷物をひっくり返していく出てくるのはPETにPETケース、ローラースケート後は色んな人にもらったストラップ等の細かいものだった。
「ん~あっそうだ、あとこれだ」
オレはロックマンの変身が解けてからPETから出てきた幾何学的な模様に真ん中に青くて丸い宝石みたいなものが埋め込まれたバトルチップを取り出した。
「これだ……でも」
「あらら、ずいぶんと形が変わっちまってるねぇ」
「うん、それにもう完全に新しい魔法をプログラミングされて別物になっちゃってる」
二人はチップを手に取るとなにやらぶつぶつと言い始めた。
「なぁそのチップがジュエルシードなのか?」
「うん、でも元ジュエルシードって言ったほうが正しい、どうしてこうなったかはわからないけど」
「熱斗くんボクたちが変身出来たのって」
「あぁたぶんこのチップのおかげだよな」
「それじゃああんたらに反応してこの形になったってことかね」
「そうだと思う」
そういった話をしていると
ぐぎゅる~
オレのお腹が盛大に音をたてた。
「熱斗くん……」
「しっ仕方ないだろ!こっちに来てから何も食べてないんだからっ」
「それにしたって……ってそういえばもう結構遅い時間だけどフェイトちゃんたちの親はいつ頃帰ってくるの?」
公園からここに来て話し合いを始めて時刻はもう夜の九時を過ぎていた。
「ここには私とアルフだけで住んでるから、かあさんは別の場所にいるんだ……」
そのときのフェイトの顔がとても悲しそうに見えたからオレもロックマンもなにも言えなくなってしまった
「そっそろそろご飯にしよっか!ねっフェイト?」
少し気まずい空気になりそうなところをアルフが助け舟をだしてくれた。
「うん、そうだねアルフ」
「なぁフェイト一つお願いがあるんだけど……」
「ご飯と泊るところだよね、いいよここにいてもご飯も熱斗の分くらいなら用意できるし」
「いいのかいフェイト?」
「うん、けど条件がある」
「じょ、条件?」
「明日一度かあさんの所に戻るから一緒に来てほしい、それからもしその変質したジュエルシードがかあさんにとって必要なら渡してほしい」
「オレはそれぐらいでいいなら喜んで受けるけど、ロックマンはどう思う?」
「ボクもかまわないけど一つ聞いていいかな?」
ロックマンがたずねるとフェイトはこくりとうなずき先をうながした。
「どうしてフェイトちゃんのお母さんはジュエルシードを集めるのかな?きっとこのジュエルシードには不思議な力があるよね?」
「私は知らない、かあさんが、かあさんの夢を叶えるために必要だから……私は探して集めてかあさんに持っていくんだ」
「フェイト……」
なぜかアルフが少し悲しそうな顔をしたのが少し気になったけどどうやらフェイトはどうしてお母さんがジュエルシードを集めているのか知らないらしい
「そう、わかった条件をのむよ、けどジュエルシードを渡すかどうかはお母さんの話を聞いてからにしたいんだけどいいかな?」
「うん、それでいいよ」
「よっし話はまとまったね、それじゃあご飯にしようじゃないか」
アルフの一言を受けて俺たちは今日の晩ごはんを買いに外へと繰り出した。
sideフェイト
熱斗たちを拠点にしている家に招いて話し合いをしてみて私とアルフは彼らが次元漂流者であることを確信した。
差し障りがない程度に私たちの世界のことも教えてあげる。
リニスに聞いたことがあったんだけど次元漂流者は世界を渡って来たって現実を受け入れられずにおかしくなってしまう人が多いらしい、けれど話していて熱斗たちはおかしくなるどころかきちんと私たちの話を聞いて受け入れてる。
そんな熱斗たちを見て私は内心すごいなと感心していた。
『やっぱり熱斗たちは次元漂流者みたいだね』
『みたいだねぇどうするんだいフェイト』
熱斗たちと話しつつもマルチタスクでアルフと念話で話をする。
『とりあえずもう一度ジュエルシードの事を話そうと思う』
『りょーかい』
熱斗にジュエルシードを渡してほしいと話をすると熱斗たちがもっていたジュエルシードは変質し形を大きく変えていた。
手に取り少し調べてみることにする。
『どうだいフェイト?』
『うん、少し調べた感じなにかの魔法がもう書き込まれてるみたい私には詳しくわからないけどかあさんならまたなにか判るかも知れない』
話をしていると熱斗のお腹が音を立てロックマンに親のことを聞かれた。私はかあさんは別の場所にいると答えたらアルフから念話がきた。
『大丈夫かい?フェイト……』
私とアルフは精神が少しリンクしているから、少し悲しい気持ちになったのが伝わってしまったのかもしれない
『ごめんねアルフ私は大丈夫だよ』
アルフは気を利かせてくれてご飯にしようと話題を変えてくれた。
『ありがとうアルフ、そうだご飯と泊る所を用意してあげるかわりに明日おかあさんの所についてきてもらおうか』
『そいつはいい考えだね、けどあの人のところに行くのかい?』
『うん、大丈夫だよアルフ、かあさんは本当は優しい人なんだから』
熱斗たちとさらに話をしばらくして私たちは晩ごはんを買いに家を出た。
side熱斗
フェイトたちとの話し合いを終えオレ達は時間も時間だったので近くのコンビニに来ていた。
今晩食べるものを各々選んでいくけどフェイトが選んだものが極端に少ない明らかに栄養が足りてないと思うさすがにいかがなものかとオレは声をかける。
「なぁフェイトこれだけしか食べないのか?」
「うんあんまりお腹すいてないし……」
「ダメだぞちゃんと食べないと大きくなれないしいざって時に力も出せないぜ」
「そうだよ、フェイトちゃん」
「うんうん二人からも言っておくれよ、あたしが言っても全然聞いてくれなくてさ~」
「でも、ほんとに私は……」
「でも、じゃなーい!オレはフェイトより二つも上のお兄ちゃんなんだ素直に聞いてたほうがいいぜ!」
「お兄ちゃん……」
「さぁさぁそれじゃあフェイトのごはんは選びなおしな!」
なんだかほけっとしてるフェイトを置いておいてオレはいつもママやマサさんが言ってたことを思い出しながらロックマンと一緒にコンビニの中で出来るだけバランスのいいごはんを選んだ。
「カルシウムとれよーなんつってな~」
「?」
「いきなりどうしたんだい熱斗のやつ」
「あはは……」
買い物を済ませ家に戻ってきたオレ達は遅めの晩ごはんをとっていた。
「いただきます」
「いただきまーす!」
「さぁっていただこうかね」
フェイト、オレ、アルフの順に挨拶をしてもくもくと食事をとりはじめる。こっちの世界の料理はオレたちの世界の料理と変わらないので美味しく食べれた。ふとフェイトのほうを見ると箸をとめてこっちを見ていたのでどうしたのかきいてみた。
「んっ?どうかしたのかフェイト?」
「あっううん、熱斗って美味しそうにご飯食べるなぁとかアルフ以外の誰かとごはんを食べるの久しぶりだなって思ってたの」
「ごめんね見られてるの嫌だった?」
「そんなことで謝んなくていいよ、気にしてないからさ!」
「うん、ありがとう」
「フェイトのおかあさんって仕事が忙しかったりするのか?」
「う、うんそんな感じだから最近はいつもアルフと二人だったんだ」
「ふーん、オレの家もパパがいっつも忙しくてさごはんは大体ママとロックマンの三人だったんだけど家族が揃わないのは少し寂しいよな~」
「うん……そうだね少し寂しい」
「でも、今日は初対面だけどさオレにロックマンもいれていつもの二倍人がいるからそんなに寂しくないだろっ」
オレは少し沈んだ空気を吹き飛ばすように笑顔で話すとフェイトは
「うん、今日はいつもよりにぎやかで……ふふっそんなに寂しくないよ」
本当に微妙な変化だったけど確かにやわらかく笑って答えてくれた。
こうしてオレの異世界での一日は静かに、おだやかに過ぎていった。
後書き
思ったより話が進まない。
改行など読みにくかったりしてないでしょうか?もし読みにくく感じられたらここが読み辛かったなど指摘していただけたらうれしいです。
ご意見、ご感想待ってます。
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