Blue Rose
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第二十四話 世界の外その六
「オランダはないね」
「食べものについては」
「イギリスみたいに」
「イギリスは正直に言いますと」
「うん、ここにイギリス人がいても言うしかないね」
「美味しくないですね」
「学園のイギリス人もよく言ってたよ」
岡島は笑って彼の学生時代のことも話に出した。
「それも皆がね」
「イギリスは食べものがよくないって」
「そう、酷い料理ばかりだって」
「味付けがよくないんですね」
「そうみたいだね」
「僕の友達にもイギリス人いましたけれど」
八条学園のだ、岡島もこの学園の出身なので二人はお互いによくわかることを話しているのだ。
「朝御飯以外は」
「そう、あと紅茶とティーセットだけれど」
「その紅茶とティーセットもって言ってました」
「日本の方が美味しいってね」
「言ってましたね」
「そう考えるとね」
「イギリスは本当に食べものが美味しくないんですね」
それで世界的に有名にさえなっている。
「あそこは」
「そう、そしてオランダもね」
「あの国もですね」
「長崎で有名なのはカステラとちゃんぽんだけれどね」
そして中華街である。
「ハウステンボスでもね」
「オランダ料理はないですね」
「あそこは特にオランダを模した場所なのにね」
ハーグという街をモデルにして造られている、優花としては何度観ても飽きないそれだけ素晴らしい街である。
「あそこにもないね」
「ワインが美味しいって兄さんが言ってますけれど」
「そのワインもね」
「オランダじゃないですよね」
「違うんだよね、これが」
ハウステンボスで非常に美味いそのワインもというのだ。
「残念だけれど」
「そうですよね」
「だからね」
それでというのだ。
「オランダはね」
「美味しいものがないんですね」
「そうだよ」
「姉さん赤ワインとチーズ、ソーセージを楽しんでました」
優花は姉と共に旅行に行った時のことを思い出しつつ岡島と話した。
「一本空けました」
「その時で一本だね」
「後でまた一本空けました」
「君の姉さんらしいね」
「朝の十時に一本で」
「それからだね」
「お昼にまた一本でした」
優花は笑いつつさらに話した。
「夜にまた」
「合わせて三本だね」
「それで寝る前はカクテルでした」
「君の姉さんらしいね」
「ワインは飲みやすくて幾らでもって言ってます」
「ワインも結構強いお酒だけれどね」
十五度ある、日本酒と同じだけだ。だから白ワインを日本酒の代わりに飲んで楽しむ人も結構多いのだ。
「それでもね」
「姉さんはブランデーやウイスキーも一日で一本空けますから」
「強いからね」
「そうしてました」
「ハウステンボスは楽しかったみたいだね」
「はい、とても」
返事は一つだった。
「そうでした」
「じゃあハウステンボスにもね」
「行くといいですね」
「出来たら姉さんかお友達とね」
「そうさせてもらいます」
優花はここでも笑顔で答えた。
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