Blue Rose
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第二十四話 世界の外その一
第二十四話 世界の外
岡島は優花を長崎駅のところまで連れて行った、その駅を見てだった。
優花は不思議な感じの顔になってだ、岡島に言った。
「何でもない筈なのに」
「駅は何処でもだね」
「同じって言ってもいいですよね」
「そうだね、電車が停まって行き来する」
「それだけの場所の筈なのに」
「違う気分だね」
「はい」
実際にそうした気持ちだとだ、優花は答えた。
「そう思えます」
「久しぶりに観たせいだね」
「こう思うのは」
「うん、そうだろうね」
「何か長崎の駅は」
駅の細かいところまで観た、外から。
「やっぱり長崎ですね」
「長崎にある場所だね」
「そう思えます」
「ここはね」
「この駅は」
「この街の門だよ」
それになるというのだ。
「港と一緒でね」
「港も門で、ですね」
「駅もね」
こちらもというのだ。
「門だから」
「それで、ですね」
「長崎の空気があるんだ」
そうした場所だというのだ。
「ここはね」
「だから長崎にあるべき場所だって思えるんですね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「そうした場所なんだ」
「そうなんですね」
「それに門だから」
長崎、この街のだ。
「早速宣伝がはじまるしね」
「長崎の」
「ポスターやお土産があるね」
「そうですね、凄く多いですね」
「ここは観光の街だから」
それでの収入がかなり多いというのだ。
「だからね」
「こうしてですね」
「沢山の宣伝もあるんだ」
「だから余計にこう思えるんですね」
「そう、長崎の入口だから」
ポスター等の宣伝も多いというのだ。
「何かと売っているんだ」
「そうなんですね」
「ここから来る人が多いから」
「そして行く人もですね」
「そう、多いからね」
この駅からというのだ。
「長崎の色が描かれているんだ」
「描かれていますか」
「こう言ったら何だけれど」
ここは少し苦笑いになって言った岡島だった。
「必要以上に長崎を描き出している」
「そうした場所ですか」
「ここはね」
「ポスターやそうしたもので」
「そうかも知れないね。ここは日本だけれど」
だからこそ日本文化も濃くある、だがそれだけではないというのだ。
「オランダもあれば中国もあって」
「他の国もありますね」
「そももそもカステラはポルトガルだしね」
この国の料理が起源だと言われている。
「ピンカートン中尉はアメリカ人だし」
「色々な国の文化が一緒にあるんですね」
「そうした街だからね、原爆のこともあるしね」
「平和もですね」
「ある街だよ」
そうだというのだ。
「ここはね」
「様々なものが一つになっている」
「混ざり合っていてそれぞれ別れている」
「そう言われますと」
岡島の今の言葉からだ、優花はこう言った。
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