サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
242
ワタル:「、、君は、サトシ君、、」
カンナ:「まさか、、、」
サトシ:「、、、お久しぶりです。
ワタルさん、、カンナさん」
サトシにとって忘れもしない
カントー四天王の二人。
ワタル:「、、君も仲間だったのか」
カンナ:「こんな偶然、、、」
サトシが旅をし、自身に大切な事を
教えてくれた2人。そしてその2人が今、
自分達の敵として対峙している現状を、
サトシは改めて突きつけられた。
ワタル:「サトシ君、君達は大層
な事をしてくれたね」
サトシ:「、、それはこっちのセリフです。
孵化施設を買収するなんて、、、」
カンナ:「これは、ビジネスよっ。
サトシ君、、、一つ良いかしら?
あなた、、いや、あなた達は
何故こんな事をしたのかしら?」
サトシ:「ポケモン達の幸せの為ですよ。
ポケモン達は、シルフの実験材料に
なる事を望んじゃいないっ。」
カンナ:「、、、ホントに、それだけかしら?」
サトシ:「!」
カンナは鋭い目でサトシを見つめた。
ワタル:「、、まぁいいっ、
君達が何を考えていようと我々には関係ないっ。
ここで捕まるんだからな」
サトシ:「'俺'は
こんなとこで捕まらないっ、、、。
例え相手が元四天王だとしても、
'俺'もポケモンも、
今捕まる訳にはいかない!」
ワタル:「ポケモンはこの世界の財産だ。
後世に残す為にも、
タマゴごと引き渡してもらう!」
カンナ:「ニューラ、、やるわよ」
ニューラ:「ニュラッ」
カンナの指示でニューラは
戦闘体勢に入った。
サトシ:「ワタルさん、カンナさん、、、。
あなた達とはこういう形で再会したくなかった」
サトシはギャロップから降りた。
カツラ(炎タイプのギャロップに
氷タイプが入ったニューラで挑む、、、か。
大した自身じゃの)
ピピッ(無線機)
カツラ:「ヒロシ君、、さっきは
勝手に切ってしまってすまんかった。
、、、状況はわかるかね?」
ヒロシ:「全く、、、(安)
外の話は聞いてました。
ケーシィのタマゴも無事動き出して、
あと数分で生まれます。
生まれたら、先に俺たちがトラックごと
テレポートして、その後ケーシィに
もう一度ここに戻ってきてもらって
サトシとギャロップを俺たちの場所に
転送します。」
カツラ:「ニューラでギャロップに
挑むあの余裕、そして相手の手持ちが
把握出来ない以上、戦闘はこっちが不利じゃ。
そして何より、
サトシ君の顔がバレてしまったぞ。
どうする?」
ヒロシ:「正直、顔がバレてしまった事は
誤魔化せません。でも、さっきの会話で
サトシはあくまで'個'を通して、
俺たちの人数を伏せました。
ワタルさん達は俺たちがグループだと
感づいているけど俺とヒカリちゃんの
存在には気づいてなく、カツラさんも
声以外の身元はバレてはいないっ。
サトシの気持ちに応えるためにもここは
少しでも俺たちの身元がバレないようにして、
あとは俺たちが全力でサトシを
フォローするしかありません。
カツラさんがさっきやろうとしたみたいにっ」
カツラ:「、、、そうじゃな。では、
ケーシィが生まれ次第、連絡無しでいいから
テレポートを指示しとくれっ」
ヒロシ:「わかりましたっ」
ピッ
ヒカリ:「、、う、、ん、、」
ギャロップが外側から
”かえんぐるま”を繰り出したおかげで
表面の氷が溶け、
トラックの内部も爆発せずに済み、
ヒカリは意識を取り戻した。
カツラ:「ヒカリちゃん、大丈夫かの?」
ヒカリ:「、、まだちょっと寒いけど、
、、、何とか大丈夫です、、。」
カツラ:「サトシ君が来たぞ」
ヒカリ:「、、サトシっ、、、。
やっぱり、、来てくれたんだ」(笑顔)
ヒカリは起き上がり、サイドミラーで
カンナと対峙するサトシを確認した。
ヒカリ:「あたしも、、行かなきゃ」
ヒカリはドアを開けようとした。
カツラ:「待つんじゃヒカリちゃん。」
ヒカリ:「、、えっ」
カツラはヒロシとの会話を
ヒカリに説明した。
ヒカリ:「でも、、このままじゃサトシが!」
カツラ:「もうじきケーシィが孵化する。
、、それまで我慢するんじゃ」
ヒカリ:「っ、、、サトシ、、」
カツラ達はサトシの無事を願い、
駆けつけたい思いを噛み締めながら
ケーシィが孵化するのを待った。
ページ上へ戻る