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歌集「春雪花」

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 現し世に

  絶えなば絶えね

   玉の緒よ

 落ちにし雨の

    色もなきにし



 この世界から、私の命なぞ消えてしまえ…。

 雨が降ったとしても、その雨が濡らした道はいずれ何事もなかった様に乾くもの…。

 たとえ私が消えたとして…この世界の何が変わろうと言うのか…?

 恋しい彼さえ…いずれ忘れてしまうに違いない…。


 私なぞ…それくらいの価値しかないのだから…。



 影追わば

  心痛みて

   君の名を

 呼びてや還らぬ

    今日を儚む



 あまりに会いたくて…ここにはあるはずもない影を探す日々…。

 探せば探すほどに…寂しさだけが募り、それでも会いたくて…彼の名前を口にした…。

 たとえ天地が逆転したとしても…叶わぬ恋…。
 そうと知りつつ願う愛…。

 会えない日々は確実に過ぎ去り…私はただそれを眺め…


 なぜ生きるのかを…考え続ける…。




 
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