SAO~円卓の騎士達~
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第二十一話 心の温度
~キリト side~
俺が目を覚ますと空が見えた。
何で? と思う暇無く昨日の事を思い出す。
キリト(ところでこの穴は何だ? こんなデカイ穴、落とし穴ではないし。 あ、あー、そういうことか。)
あることに気付いた俺は地面の雪を掻き分け、あるものを探す。
リズ「ん、、、どうしたの? キリト。」
キリト「いや、もしかしたら、、、、、有った!」
雪の中からあるものを取り出す。
それはインゴット、それも俺達が探していた物だ。
リズ「え!? インゴット!? 何でこんなところに?」
キリト「多分、この穴はドラゴンの巣穴だ。で、ドラゴンは腹の中でインゴットを作り、これを体から出した。 つまりこれはドラゴンのンコだ。」
リズ「え、ちょっ! 早くそれしまって!」
俺は黙ってそれに従う。
俺だってンコだと分かった物をいつまでも触りたく無い。
キリト「これなら今までインゴットが取れなかったはずだな。 思い付かないよ、普通。さて、これで目的は達成したから後はコジロウが来るのを待つだけだな。」
リズ「そうね。 ドラゴンがリポップしなければ良いけど。」
キリト「しないさ。 誰かがあの村でクエストフラグを立てない限り。」
そう言った瞬間、穴の上にポリゴンが集まり始める。
キリト「ワーオ。」
リズ「キリトがそんな事言うからポップしちゃったじゃない!? どうしてくれんのよ!!」
キリト「何とかするさ。」
ドラゴンがこっちに気付き、下降してくる。
キリト「リズ! 捕まれ!」
俺はリズの手を左手で掴み右手で背中の片手剣を取り、雪を巻き上げ、ドラゴンの視界から消える。
そのままドラゴンの背中に飛び乗る。
キリト「で、どうしようか?」
リズ「考えが有ったんじゃ無いの!?」
キリト「いや、このまま飛び上がってくれるかなー、と。」
リズ「じゃあ、驚かしたら飛んでくれるんじゃ、」
キリト「それだ。」
右手の剣でドラゴンの背中を刺す。
それに反応してドラゴンが穴から飛び出る。
俺は穴から出た瞬間にドラゴンの背中から飛び降り、そのままスキーの要領で山を降りる。
もちろん、リズの手を掴んだままだ。
リズ「わ、わ、わ、どうすればいいのよ!?コレ!」
キリト「落ち着いて立つ、それだけ。 にしても良かったなアイツ、この情報を流せば余計にドラゴンを狩ろうとする奴は少なくなるだろ。」
リズ「そうね。 って、今それどころじゃないでしょ!」
そのまま俺達は近くの村まで滑り降りた。
そして、俺達が村に着くとアーサーとコジロウがいた。
キリト「お前なぁ、いくら何でもドラゴンをポップさせて助け出すってどういう事だよ。」
アーサー「結果オーライだ。」
キリト「まったく良くねぇよ! あ、そうだ。 コジロウ、目当てのインゴット見つけたぞ。」
コジロウ「マジですか!? 何処に有ったんです?」
キリト「穴の中、あれドラゴンの巣穴だ。 つまりインゴットはンコだ。」
コジロウ「え、、」
アーサー「目的を達したんなら戻って武器作ってさっさと帰るぞ。 全員、心配してたぞ。」
そのまま俺達はリンダースに転移して、リズの店に戻る。
リズ「じゃあ、先に大太刀を作るけど、どうすればいいのか分からないわ。」
コジロウ「取り合えずウインドウを開いて大太刀を探してみて下さい。」
リズ「分かったわ。 えーと、大太刀、大太刀。 有った。 え、何で?」
アーサー「恐らく近距離に大太刀スキルを持つ奴がいると、出る仕組みになってるんだろ。」
リズ「成る程。 じゃ、作るわね。」
リズがインゴットを取り出し、熱する。
そして、その熱したインゴットを打ち、また熱する。
そんなことを繰り返して、暫くすると、インゴットが光始めた。
そこでリズは打つのを止めた。
インゴットは大きく変化し、一つの武器に変わった。
刃の長い刀だ。
リズが武器を取り、ステータスを見る。
リズ「物干竿? ふざけてるの?」
コジロウ「ふざけてる訳じゃ無いんですよ、それ。 大太刀の使い手で宮本武蔵のライバル、佐々木小次郎の使ってた刀の名前が物干竿だったからです。」
リズ「へぇー、あ、じゃあ、その名前って。」
コジロウ「はい。 想像の通りだと思います。 じゃ、これは貰いますね。 代金は?」
リズ「片手剣をつくってから請求するわ。 じゃ、次。」
さっきと同じようにインゴットを熱し、打つ。
熱して、打つ。
そして暫く打っているとさっきと同じようにインゴットが光始めた。
今度は片手剣になる。
白い片手剣だ。
リズ「ダークリパルサー、闇を払う者って意味ね。 私が作った剣の最高傑作の一つよ。振ってみて。」
俺は剣を受け取り、その場で数回試し振りをする。
キリト「重さもあって、良い剣だ。 リズ、これに合う鞘も頼む。」
そして、数分後。
リズ「で、お代だけど、、いらないわ。」
キリト「は? いらない? タダ?」
リズ「そう。 私に最高傑作とユニークスキルの武器を作らせてくれたお礼よ。 ただ、何処で作ったのか聞かれたらちゃんと宣伝してよね。」
コジロウ「あはは、ちゃっかりしてますね。」
リズ「商人としては当たり前よ。」
と、その時ドアが勢いよく開き、一番近くにいたアーサーが壁とドアに挟まれる。
入ってきたのはアスナだった。
アスナ「リズー! 心配したんだよ!? 連絡とれないし!」
リズ「いやー、ゴメンゴメン。 インゴット採りに行ってたらドラゴンの巣穴に落ちちゃって。」
アスナ「採りに行ってたって、、キリトくん!?」
コジロウ「俺とアーサーさんは?」
アスナ「え、アーサー君?」
アーサー「ここだよ。」
アスナ「あ、ゴメン。」
その時リズがアスナに近付いて何か言った、と思ったらアスナが赤くなってリズに何か言った。
キリト「何話してんだ? 二人とも。」
アスナ「な、何でもない!」
リズ「そうよ。 乙女の内緒話は聞いちゃダメよ。」
キリト「お、おう。」
アーサー「んじゃ、帰るぞ。 お前ら。」
コジロウ「分かりました。 それじゃ、また研ぎに来ますんで。」
キリト「あぁ。 俺もだ。」
そう言って俺達はギルドに帰った。
~side out~
~リズ side~
あーあ、私も少し気になったけどしょうがないか。
親友の好きな人だし。
略奪愛とか柄じゃ無いし。
リズ「頑張りなさいよ。」
アスナ「うー、分かってるよ。」
~side out~
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