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Blue Rose

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第二十三話 完全にその四

「その質が違うのよ」
「大変さは変わらないんですね」
「そうよ」
「何かずっと大変だって思いましたけれど」
「それは貴女が急に女の子になったからよ」
「だからですか」
「そう思うだけで」
 現実はというのだ。
「実際は変わらないのよ」
「男の子でも女の子でも」
「同じだけ大変なのよ」
「そうなんですね」
「それでね」
 副所長は優花にさらに話した。
「その質をね」
「よく理解することですか」
「それが大事よ」
「同じだけ大変で」
「その中身が違うのよ」
 量ではなくない様だというのだ。
「要するにね」
「男の子と女の子、どっちがより大変か」
「人は同じなのよ」 
 性別に関わらずというのだ。
「違うだけで」
「同じで違うんですか」
「人は結局誰も同じ人間よ、けれど性別の違いがあるの」
「平等でも別々ですか」
「そう、そういうことよ」
 副所長は優花の今の言葉に微笑んで答えた。
「つまりはね」
「そういうことですか」
「だからね」
「人は同じでも違っていて」
「男の子と女の子はそれぞれ同じ人間だけれど」
「性別が違うから大変なことの内容が違う」
「そういうことよ、だから内容をね」
 女の苦労、それのというのだ。
「理解してね」
「そういうことですね」
「そうよ、だからね」
「僕はそのことを頭に入れて」
「そのうえで生きていってね」
「そうですか、やっとわかりました」
 優花も副所長に対して頷いて答えた。
「女の子のことが」
「そういうことよ、女の子の身体の特徴もよくわかってね」
「わかってるつもりでもですね」
「多分それは頭でのことよ」
 そのレベルに過ぎないというのだ。
「肌身に滲みてはいないわね」
「普通の女の子はそうなっていますね」
「生まれた時からそうだから」
「だからこそですね」
「普通の娘はそうなの、けれどね」
 それでというのだ、そしてだ。
 副所長はあらためてだ、優花に語った。
「貴女は途中からなったから」
「そこは違うんですね」
「そうよ、だから出来るだけ早くね」
「頭だけじゃなくてですね」
「肌身に滲み込ませて」
 完全に板につけろというのだ。
「それで完全に女の子になってね」
「女の子として生きるからには」
「そうしてね、ただ」
「ただ?」
「貴女は可愛いわね」
 ここでだ、副所長はくすりと笑ってだった。優花にこんなことも言った。
「アイドルにも声優さんにもなれそうね」
「アイドルですか」
「声優さんにもね」
 どちらにもというのだ。 
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