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英雄伝説~光と闇の軌跡~番外編 アリサのお見合い篇

作者:sorano
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第8話

~ホラーコースター~



「これがフィー達が遊んだアトラクションね。何でもフィーとマキアスが一緒にやって記録を更新したらしいわよ?」

「ハハ……本職の人がやるのはある意味反則だろ………まあ、それを言ったらアリサも同じかもしれないが。」

建物の入口の前で呟いたアリサの話を聞いたリィンは苦笑し

「アハハ……弓と銃じゃ全然違うわよ。確かに遠距離武器である事は同じだけど……」

リィンの言葉を聞いたアリサも苦笑した。

「そう言えばアリサはお化けとか大丈夫か?」

「フフ、お化けよりもっと怖い存在と戦ったんだから今更じゃない。」

「ハハ、確かにな。――――じゃあ、行こうか。」

そして二人は建物に入ってアトラクション――――ホラーコースターで遊び始めた。

「アリサ、右から新手が来たぞ!」

レールを走る乗り物の上でリィンは乗り物に備え付けてある導力銃でアトラクションで出てくる作り物のお化けに向かって撃ちながら指示をし

「ええ、任せて!」

指示をされたアリサも導力銃を撃って迫って来る作り物のお化けに命中させていた。そして二人は順調にスコアを伸ばしていた。

「フフ、やるじゃない、リィン!剣士なのに結構命中率がいいじゃない!」

「ハハ、初心者でも当たるように設計されているだけだよ。でも、この調子ならスコアの記録を更新できるかもしれないな……!」

「フフ、そうね!」

リィンの推測にアリサは微笑みながら導力銃を撃って作り物のお化けに命中させていた。するとその時乗り物は大きなカーブに差し掛かり

「キャアッ!?」

「っと!?」

急カーブによってアリサはリィンに倒れ掛かり、二人は互いを抱きしめあった状態になった。

「び、ビックリしたわ…………――――――!!」

「油断しすぎていたな………――――!!」

そして互いを抱きしめ合った状態になった二人は互いの状況に気付いて顔を真っ赤にし

「ご、ごめん!わざとじゃないんだ!!」

「う、ううん!気にしないで!私の方から倒れ掛かったようなものだし……!」

それぞれ慌てた様子で互いの距離を離した。その後乗り物はゴールに到着し、二人は真っ赤にした顔で建物から出た。



「え、えっと……本当に気にしないでね?さっきのは完全に事故なんだから………」

顔を真っ赤にしたアリサは焦りながらリィンを見つめて呟き

「あ、ああ。それじゃあ次のアトラクションに行こうか。」

同じように顔を真っ赤にしていたリィンは気を取り直してその場から去って行った。

(うふふ、さすが”幻惑”様の占いですわね♪)

その様子を物陰から見つめながら盗聴器で会話を聞いているシャロンは微笑ましそうな表情をし

「…………………………………」

シャロンとは違う位置で新しい双眼鏡で様子を見つめ、盗聴器で会話を聞きながら膨大な威圧を纏い続けているエリゼは双眼鏡を持つ両手に再び力を入れて双眼鏡に罅を入れ始め

「ガタガタブルブル…………………」

エリゼの近くにいるエヴリーヌは恐怖の表情で身体を震わせ

「エ、エリゼ……少しは落ち着いたらどうじゃ……?」

同じようにエリゼの近くで表情を青褪めさせて身体を震わせているリフィアは恐る恐るエリゼを見つめて言った。

「あら………私は落ち着いているわよ………?アリサさんが兄様の妻の一人になる事は私も認めているのだから…………リフィアったら、何をおかしなことを言っているのかしら……?」

リフィアの言葉を聞いたエリゼは膨大な威圧を纏った極上の微笑みを浮かべて二人を見つめ

「ヒッ!?」

「ぬおっ!?」

エリゼの微笑みを見たエヴリーヌとリフィアは悲鳴を上げた。その後リィン達はアトラクションをいくつか廻っていると夕方になり、二人は最後に遊ぶアトラクションとして観覧車に乗った。



~夕方・観覧車~



「ゴンドラがどんどん高く上がって行く………フフ、ちょっと緊張してきたわね。」

ゴンドラの中でリィンと向かい合って座っているアリサは窓から見える景色を見つめて微笑み

「ハハ、前に乗った時はちょっとの間だけ止まったからビックリしたんだよなあ……」

リィンは苦笑しながら答えた。

「うふふ、ここが勝負所ですわよ、お嬢様♪」

一方その様子を地上でビデオで見つめ続けているシャロンは微笑み

「フ、フフ……今までの事を考えると高確率で良い雰囲気になって、そのまま二人は……………という事になりそうね………実際以前に私と乗ってキスをした時も同じ状況でしたものね…………………!」

「「…………………」」

シャロンとは違う位置で地上から罅を増やし続けている双眼鏡で見つめ続けているエリゼは膨大な威圧を纏って口元をピクピクさせ、エリゼの傍にいてエリゼが出し続けている威圧を近くで受け続けているリフィアとエヴリーヌは表情を青褪めさせて身体を震わせ、またエリゼ達の周囲にいた観光客達はエリゼ達から逃げるように移動し、エリゼ達がいる場所を中心に避け、エリゼ達がいる場所だけぽっかりと空いていた。そしてゴンドラは頂上近くまで上がって行った。

「綺麗……………思わずため息が出ちゃいそう………」

「ちょうどいい時間だったみたいだな。」

アリサは立ち上がってゴンドラから見える景色にうっとりし、リィンは口元に笑みを浮かべて答えた。するとその時ゴンドラに衝撃が起こった後、ゴンドラは止まった!

「キャッ!?」

するとその時アリサは倒れ掛かれ

「危ない!」

倒れ掛かったアリサを見たリィンは正面からアリサを受け止め、リィンとアリサは互いを見つめ合った。

「「…………………………」」

お互いを見つめ合った二人は再び顔を真っ赤にして黙り込み

「ご、ごめん!」

リィンは慌ててアリサから離れようとした。しかしアリサは両手でリィンの身体を強く抱きしめ、リィンを離さなかった。



「ア、アリサ……?」

「そ、そのリィン………今日一日私と付き合ってどうだったかしら……?そ、そろそろ返事をくれないかしら……?」

「あ……………………」

真っ赤な顔で自分を見つめて言ったアリサの言葉を聞いたリィンは呆けた声を出した後考え込み、そしてやがて口を開いた。

「最初に会った時はさ、ただ単純に可愛いなって思ったな。」

「え…………………」

「それでお見合いでアリサと話して………責任感が強く、家族を大切にしている優しい女の子だなって思ったな。」

「………………………」

「そして今日君と接して……何度もドキドキしたな…………こんな可愛くて優しい女の子が俺に好意を寄せてくれるって知って、正直嬉しかったよ。」

「リィン……………」

リィンの話を聞いたアリサは嬉しそうな表情で涙を流し

「―――――好きだよ、アリサ。一人の女の子として、君が。……まあ、エリゼの事も愛しているから二股になるんだけどな……ハハ……………それでもいいかな?」

リィンは静かな笑みを浮かべて告白した後苦笑した。

「嬉しい………!その言葉を聞きたかったの……!……ん………!」

リィンの告白を聞くと、アリサは自分の唇をリィンの唇に重ね

(アリサ………)

リィンはアリサの口付けを受け入れ

「リィン……ん………好き…………ちゅる………大好き……!……………ちゅ…………愛している……!………ん…………ちゅ………ちゅる……………!」

(俺は幸せ者だな……………二人の女性からこんなにも強い好意を寄せられているなんて…………)

更に舌を搦めて深い口付けを求め、自分を強く抱きしめ続けるアリサの行為を受け入れ続け、二人はゴンドラが再び動き出すまで口付けをしていた。



「まあまあまあ………!おめでとうございます、アリサお嬢様♪うふふ、”結社”に入社していたお蔭で、遠方からでも録画できるビデオが手に入り、今の瞬間も録画できますから、”結社”に入社していて本当によかったですわ♪………あ、そう言えば恋人同士になったらする肝心な”行為”は残っていますわね♪うふふ、今の内にお二人が今晩泊まる部屋に設置しに行かないと♪お嬢様が大人の女性になる瞬間は絶対に見逃せませんしね♪あ、会長にも報告をしておきませんと♪――――会長ですか?シャロンです。実はお嬢様とリィン様の婚約の件で至急報告したい事がございまして…………」

一方深い口付けをしている様子を片手に持ったビデオで見つめ続け、会話を聞いていたシャロンは嬉しそうな表情で微笑みながら二人が口付けを終わらせるまでビデオを録りづけた後、エニグマを取り出して誰かと通信をしながらその場から去り

「………………………………………」

同じようにシャロンとは違う位置で地上からメキメキと悲鳴を上げて罅を増やし続けている双眼鏡で見つめ続け、会話を聞いているエリゼは膨大な威圧に加え、さらに背後には魔力によって発生した電撃がバチバチと迸るほどの魔力を全身に纏うと共に目にも見えるほどの怒気をメラメラと燃やし続け、そして顔から離して片手に持った双眼鏡に力を入れた。すると双眼鏡はバキッと音をたてて破壊され

「ヒッ!?」

「ぬおっ!?エ、エリゼ…………一体どうなったのじゃ……?」

その様子を近くで見ていたエヴリーヌは悲鳴を上げ、エヴリーヌと共に悲鳴を上げたリフィアは恐る恐る尋ねた。

「…………………兄様とアリサさんの婚約が今この時を持って、成立したわ。―――――行きましょう、リフィア殿下、エヴリーヌ様。今日の内に二人が正式に婚約した事をリウイ陛下達とヴァイスハイト陛下達に報告します。」

「あ、ああ…………」

「ほ…………よ、ようやく終わった~………」

そして耳に付けていた盗聴器を外し、威圧や魔力を引っ込めて静かな表情で答えるエリゼの様子にリフィアは戸惑いながら頷き、エヴリーヌの安堵の表情で溜息を吐き、そして3人はその場から去り始め

(…………兄様を独占できるのは今日だけですからね、アリサさん…………)

リフィア達と共に去り始めたエリゼは振り向いて少しの間観覧車を見つめた後リフィア達と共にその場から去って行った。そして観覧車から降りた二人は互いの手を繋いでテーマパークから出た……………… 
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