Ｂｌｕｅ　Ｒｏｓｅ

「それで色々と変わっていくんだ」
「身体もですね」
「君も小学校高学年の時と中学生の時じゃ性格が違うね」
「言われてみれば」　
　優花も思い当たることがあった、実際に。
「そうですね」
「そう、だから今の君もね」
「女の子になって」
「性格が変わるよ」
　そうなるというのだ。
「女の子になればね」
「本当に身体が変わると」
「それと共になんだ」
「性格も変わりますか」
「うん、女の子になればね」
「女の子になりますね」
「そうなるよ」
　微笑んでの言葉だった。
「君もね」
「そうですか、僕の性格も変わるんですね」
「こちらも徐々にね、けれどね」
「心も女の子になって」
「その中で生きていくんだよ」
「わかりました、女の子ですね」
　また言った優花だった。
「僕もそうなっていきますね」
「何もかもがね。いつも話している様にね」
「そうですか、それと」
「それと？」
「味覚も変わったりするかもね」
「お料理の好みみですか」
「そちらもね」　
　こうしたこともというのだ。
「ひょっとしたらね」
「味覚もですか」
「そちらもね、他の感覚もね」
「変わっていくんですね」
「そうかもね、もっとも味覚は人それぞれだけれどね」　
　最初からというのだ。
「けれどね」
「それでもですか」
「うん、そちらも変わるかもね」
　こう優花に話すのだった。
「ひょっとしたらだけれど」
「お肉が脂っこいと感じたり」
「そうなるかもね」
「ちなみに僕実は」
「甘いものが好きだね」
「はい、カステラだけじゃなくケーキも」
　洋菓子の代表である、言うまでもなく。
「それと他のお菓子も。あと味付けは基本薄味です」
「そこは姉さんと違うね」
「姉さん濃い味が好きなんです」
「男らしくね」
「特に香辛料を沢山使います」
　胡椒や唐辛子、生姜等をというのだ。
「イタリアやスペインのお料理が好きで」
「大蒜とオリーブオイルもたっぷりだね」
「そうしています」
「和食はお刺身とか天麩羅でね」
「豪快なお料理が好きなんです」
「君の姉さんの性格だね」　
　それが料理の好みに出ているというのだ。
「まさに」
「そうしたお料理が好きなのは」
「包丁捌きも豪快で」
「手早くてね」
「すぐに、ただ動きは豪快でも」
　それでもというのだ。
「いい切り方です」
「言うにはメス捌きと同じらしいね」
「手術のですか」
「そう、それとね」　
　医師としてのそれだというのだ。
「一緒らしいよ」
「そうなんですか」
「そう、それでね」
　まさにというのだ。
「慣れているらしいんだ」
「何か凄いお話ですね」
「君の姉さんは実践派なんだよ」　
　医師としてそちらだというのだ、優子は。
「知識よりもね」
「実際に動く方ですよね」
「君もそのことは知ってるね」
「はい、見ていたら」
　優子の生活それ自体をだ。