英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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第172話
~業の領域・最奥~
「うおおおおお…………ハァァァァァァッ!!」
「ハァァァァァ…………うおおおおおおおおおっ!!」
戦闘開始早々ロイドとランディはクラフト―――ブレイブハートとデスクライでそれぞれの身体能力を上昇させ
「絶!!」
「行くよ……シュッ!!」
ヨシュアはクラフト―――絶影、フィーはクラフト―――スカッドリッパーで電光石火の速さで強襲した。っしかし
「ぬるいっ!!」
「くっ!?」
「っ!?」
シグムントはクラフト―――テンペストレイジでヨシュアとフィーの強襲攻撃を同時に受け止めると共に二人の身体を傷つけて吹っ飛ばした!
「クッ……!?」
「一撃だけでこの威力……!噂以上だね…………!」
吹っ飛ばされた二人はそれぞれシグムントの攻撃によって受けた傷で呻き
「リカバーモードを起動……これで大丈夫です。―――闇の息吹!!」
その時ティオはクラフト―――エナジーサークルと治癒魔術を放って二人の傷を回復した。
「クク、今度はこちらの番だ!!」
一方シグムントはロイド達に向かって突撃し
「させないっ!!それっ!!」
エリィは導力ライフルを取り出して連射していたが
「フンッ!!」
シグムントはクラフト―――ハーケンスロウで自分に襲い掛かる導力エネルギーを真っ二つにすると共にライフルでエネルギーを撃ち続けるエリィに向かって双戦斧を投擲した!
「――――させません。セイッ!!」
エリィに双戦斧が向かったその時、エリィの前にエイドスが出てクラフト―――セイクリッドエッジを放った!エイドスが解き放った神力も込められた衝撃波はエイドス達に襲い掛かる双戦斧を跳ね飛ばした!
「消し飛びなぁっ!レイ=ルーン!!」
するとその時シグムントの側面に転移魔術で現れたエルンストが片手から膨大な純粋エネルギーを解き放ち
「!!」
自分に襲い掛かるエネルギーに気付いたシグムントは側面に跳躍して回避した。
「喰らえっ!」
「ぽいっと!」
シグムントの行動を見たランディとフィーはそれぞれ炸裂弾を投擲したが、シグムントはさらに続けて回避した。するとその時
「ブレイブスマッシュ!!」
「ガッ!?ほう………この”戦鬼”に挑むとはさすがはランドルフが認めているだけはあるな?」
ロイドの突撃攻撃が命中し、ロイドの攻撃を受けたシグムントはニヤリとし
「ぬぅんっ!!」
双戦斧をロイドに向けて叩きつけ
「っ!!」
ロイドは後ろに跳躍して回避した。
「クク、トンファーか。防御に優れている武器だが……この”戦鬼”の攻撃にたえられるかあっ!?フンッ、ハアッ!!」
そしてシグムントは凶悪な笑みを浮かべてクラフト―――ジオブレイクによる連撃をロイドに放ち始めた。
「クッ……なんて重い一撃だ……!」
シグムントの連撃をトンファーを巧みに操って防いでいるロイドはトンファーから伝わる衝撃に顔を歪め
「ロイド!援護するわ!」
「今の内に集中攻撃。」
エリィとフィーはそれぞれ銃撃を放ってシグムントに命中させていたが
「ハハハハ!この程度の銃撃等、ぬるいわぁっ!!」
「そ、そんな!?」
「銃撃を受けても怯まないなんて、なんて化物……!」
銃撃を受けても怯まずロイドに攻撃を続けているシグムントを見てエリィは信じられない表情をし、フィーは厳しい表情でシグムントを見つめながら銃撃を続けていた。
「潰れろっ!!」
そして連撃を放ち終えたシグムントはその場で跳躍してロイドに双戦斧を叩きつけようとしたした。するとその時!
「クク、さすがに空中だと逃げられないだろう!?イオ=ルーン!!」
「ぬあっ!?」
エルンストが発動させた魔術によって発生した純粋属性の爆発がシグムントの目の前で起こってシグムントにダメージを与えると共に吹っ飛ばした。
「デミガンナー起動……アブソリュート……ゼロ!!」
そこにティオが放った氷の魔法弾がシグムントの足元に放たれ、放たれた魔法弾は凍結し始め、シグムントをも凍結させようとしたが
「フンッ!!」
なんとシグムントは膨大な闘気を纏ってクラフト―――テンペストレイジを放って凍結し始めた地面ごと周囲を吹き飛ばし
「朧ッ!!」
「ぬるいっ!!」
「ぐっ!?」
さらに背後に現れて強襲したヨシュアの攻撃を片手の武器で受け止めると共にもう片方の手に持つ斧をヨシュアに向けて叩きつけ、咄嗟に双剣で防御したヨシュアは再び吹っ飛ばされた!
「ハーケン……………セイバー!!」
その時ランディはその場で力を溜め込んだ後スタンハルバードを振るって円輪状の衝撃波を放った。
「フン、そんなぬるい攻撃を受けると思って……」
自分に襲い掛かる衝撃波を見たシグムントは嘲笑した後回避行動に移ったが
「なっ!?追尾式だと……!?ガッ!?」
回避された衝撃波はすぐに方向転換してシグムントを襲い、その事に気付いたシグムントは武器を構えて衝撃波を打ち消そうとしたが
「オォォォォォ…………!」
「ハァァァァァ……!」
「なっ!?ガッ!?」
ヨシュアとティオの魔眼によって動きが封じられ、衝撃波をその身に受けてダメージを受け
「エニグマ駆動!マグナブレイズ!!」
「落ちろ!裁きの轟雷!!」
「闇に呑まれちまいなぁっ!ティルワンの死磔!!」
「アークス駆動!エアリアル!!」
「ぬああああああっ!?」
ロイド、エリィ、エルンスト、フィーがそれぞれ放ったアーツや魔術をその身に受けて怯み
「……………………」
エイドスはその場で集中して詠唱を続けていた。
「オラアッ!!」
追尾式の円輪状の衝撃波を解き放つクラフト―――ハーケンセイバーをシグムントに命中させ、ロイド達によるアーツと魔術による集中攻撃が終わった瞬間ランディは跳躍してシグムントにスタンハルバードを叩きつけ
「!!」
対するシグムントは双戦斧でランディのスタンハルバードを受け止めた!
「”ブレードライフル(ベルゼルガー)”はどうした、ランドルフ?既に修理が終わって使っているとガレスから聞いたが?」
ランディと鍔迫り合いの状態になっているシグムントは目を細めて尋ね
「ハッ……アンタとやり合うならこっちの方が色々と都合が付くと思って使っているだけさ。」
尋ねられたランディは嘲笑して答えた。
「……この俺を相手に本来の得物を使わないとは随分と増長したようだな……!ならばその判断……間違いである事を思い知らせてやろう!ぬぅん!」
「オォォォォォ…………!!」
そして二人は双戦斧とスタンハルバードによる激しい打ち合いを始めた!
「スタンハルバードをあんな軽々と振り回すなんてさすがは”闘神の息子”…………」
「下手に割って入ったらこっちが被害を受けるね…………」
ランディとシグムントの激しい打ち合いを見ていたフィーとヨシュアは真剣な表情で呟き
「……まあ、”赤の戦鬼”を引きつけてくれている今が絶好のチャンス。」
「ああ……!みんな、今の内にランディが立てた作戦通りの行動を!」
「クク……よくもまあ、あんなえげつない”策”をアイツが考えたもんだよ。これもルファディエルの影響かもしれないねえ?」
フィーが呟いた言葉に頷いたロイドは仲間達に号令をかけ、エルンストは不敵な笑みを浮かべた後ロイド達と共に詠唱やオーブメントの駆動を開始した。一方シグムントと武器の打ち合いを続けていたランディだったが徐々にシグムントに圧され始めていた。
「どうした、ランドルフ!?貴様の”足場”はその程度のものなのか!?」
シグムントは武器をランディに連続で振るいながら声を上げ
「ハッ。ハナからアンタとタイマンで勝てるとは思ってねぇよ。俺は唯の”時間稼ぎ”さ。」
ランディはシグムントの問いかけに嘲笑して答えた。
「何っ!?」
ランディの答えを聞いたシグムントが驚いたその時
「ランディ!」
「!!」
ロイドがランディを見つめて声を上げ、ロイドの声を聞いたランディは大きく後ろに跳躍して後退した。そしてランディがシグムントから離れたその時!
「エニグマ駆動!ギガントレイジ!!」
「エニグマ駆動!ラグナドリオン!!」
「エニグマ駆動!エンドオブワールド!!」
「エニグマ駆動!ルシフェンウィング!!」
「コイツを耐えられるかぁっ!?ロードインフェルノ!!」
「アークス駆動!ラグナヴォルテクス!!」
ロイド、エリィ、ティオ、ヨシュア、エルンスト、フィーが一斉にアーツを発動した。すると最高位アーツが次々とシグムントを襲った!
「なっ……!?ぬああああああああああああああっ!?」
次々と自分を襲う最高位アーツに驚いたシグムントは防ぐ術もなくその身にアーツを受け続けていた。
「七耀の力よ!邪悪なる者に裁きを!セプトクライシス!!」
ロイド達が次々と最高位アーツを放っていた最中、長い詠唱を終わらせたエイドスは魔術を発動し、エイドスが魔術を発動すると戦場に七色の球体が現れ、球体は一斉に光ると共に膨大なエネルギーをシグムントに一斉に襲い掛かって大爆発を起こした!怒涛の最高位力の魔法攻撃が終わり、爆発の煙が晴れるとそこにはボロボロのシグムントが地面に立っていた!
「グッ……!?遠距離攻撃による集中攻撃…………まさかこんな手を使ってくるとはな……!」
ボロボロの状態のシグムントが呻いてランディ達を睨み
「……そんな……加減したとはいえ、アレを受けて立っていられるなんて……」
「ありえないぐらい”化物”…………」
地面に立っているシグムントを見たエイドスは信じられない表情をし、フィーは真剣な表情で呟いた。するとその時
「赤き夜の死神よ、戦場を駆け、兵どもを貫け…………! デス……スコルピオン!!」
全身に膨大な闘気と殺気を纏ったランディが突きの構えで突撃した!
「!!」
ランディの突撃攻撃を見たシグムントは双戦斧をクロスさせてランディの攻撃を受け止めたが、戦闘のダメージによって身体が疲労していたので力がぬけ、ランディの突撃攻撃によって吹っ飛ばされた!
「フン!!」
吹っ飛ばされたシグムントだったが空中で受け身を取って地面に着地し
「クク………滅多に見られない連携攻撃だった。その代金代わりに”戦鬼”の最高の一撃を見せてやろう……オォォォォォ…………ハアアアアアアッ!!」
不敵な笑みを浮かべた後クラフト―――オーガクライで全身に膨大な闘気を纏い
「やらせるかってんだ!ハァァァァァ……うおおおおおおおおおおっ!!」
シグムントの行動を見たランディはクラフト―――クリムゾンクライで膨大な闘気を纏った!
「”戦鬼”の最高の一撃……見せてやろう!オォォォォォ…………!!」
「赤き夜の戦神よ……戦場を終わらせる一撃を俺に!ウオオオオオオオオオオ―――――――――――ッ!!」
そしてシグムントとランディはそれぞれ膨大な闘気をさらに纏い始めた!すると二人の闘気によって周囲の空気が震え、大地は地鳴りを上げた!
「う………ぁ………!」
二人の闘気にエリィは圧され
「クッ……!これじゃあ近づけない!」
「むしろ下手に近づいたら巻き込まれて、こっちが甚大な被害を受ける………」
ロイドは唇を噛みしめ、フィーは真剣な表情で呟き
「アッハハハハハハハッ!いいね、いいね!さすがあたいが見込んだだけはあるよ!」
エルンストは凶悪な笑みを浮かべて笑った後ランディを見つめ
「……恐らくランディさんは次の一撃で全てを賭ける気ですね……」
「ええ……………(それにこのままだと片方は……)」
真剣な表情で呟いたエイドスの言葉にヨシュアは重々しい様子を纏って頷いてランディを見守っていた。
「喰らえぃっ!戦鬼の一撃――――――――――――ッ!!」
そしてシグムントは跳躍して膨大な闘気を纏いながら落下してランディに向かい
「これで終わりだ………叔父貴――――――――ッ!クリムゾン…………セイバー――――――――――――ッ!!」
対するランディは灼熱の炎を纏ったスタンハルバードで迎え撃ち、二人の武器がぶつかり合った瞬間、二人の周囲に凄まじい衝撃波が発生した!
「「オォォォォォ――――――――――――ッ!!」」
ランディとシグムントはそれぞれ吠えながら互いの一撃にさらに力を込め続けた。するとシグムントの双戦斧が悲鳴を上げるかのように罅が入り始めた!
「!?」
罅が入り始めた双戦斧を見たシグムントが目を見開いたその時!
「オォォォォォ――――――――――ッ!!」
ランディはさらに闘気や魔力をスタンハルバードに込めてシグムントを圧した。するとシグムントの双戦斧は真っ二つに破壊され、双戦斧が破壊された瞬間灼熱の炎を纏ったスタンハルバードの切っ先がシグムントに肉薄した!
「ぬああああああああああああああああああああ――――――――――――――――ッ!?」
灼熱の炎の一撃をその身に受けたシグムントは地面に叩きつけられ
「グッ…………!」
再び身体を震わせながら地面に立ち上がった。しかし!
「グッ!?ぬかった……か…………」
呻き声を出した後地面に膝をついた…………!
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