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カードファイト!!ヴァンガードG ネクステージジェネレーション

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turn:11 タイガVSカムイ

 
前書き
目標へと向かうタイガの下へ頼もしい仲間が集った
チャンピオンシップでミライと再び戦うため
まずはグレードアップを目指すことになるタイガ
少しでも早く目標にたどり着くためメグミが考えたアイディア
それは誰もクリアしたことがない超難関のクエストだった 

 
チームを組んだタイガ、メグミ、ハジメの3人はカードキャピタル3号店に集まっていた
「とにかく、大会までの間に、俺はグレード3に上がらないといけない」
「今のポイントと大会までの期間を考えると正直微妙だな」
頭を掻きながらハジメが眺めるのはタイガのファイカのポイント
グレード1の7割程度まで進んでいるがそれでも数か月後の大会にはとても間に合いそうにない
「こうなったら片っ端からクエストをこなしていくしか」
「それでも1日に受けられる数には限度がある、毎日こなすにしても最低グレ2には今日中に上がらねえと」
ハジメの言葉にギョッとなるタイガ
彼がヴァンガードを初めて数週間
ここまでポイントを貯めるのだって相当苦労したのだ
今すぐグレード2に上がるなんて
「あるわよ、グレ2にすぐ上がる方法」
黙っていたメグミが突然口を開いた
「難関クエストよ」

Turn:11 葛木カムイ

「難関………そんなの時間がかかって余計遅くなるんじゃ」
確かに言葉だけ聞くとそんな印象だった
だがメグミの言葉で理解したのかハジメもなるほどとうなずいている
「いいからよく聞いて、クリアされたクエストは他の受注者にキャンセル通知が届いて、自動的にボードから削除される、でも、全部のクエストがクリアされるわけじゃないの、報酬のポイントっていうのは規模にもよるけど大体一定なの、でもクリアされずそのままだったクエストは一定期間が過ぎると難関クエストといって、報酬のポイントが上昇するわ」
「場合によっては削除されることもあるけど、受注された履歴のあるやつは大体そうなっていく」
「ちなみにわざとクリアを遅らせるのはご法度よ、その場合は受注した時のポイントになるわ」
手でバツを作って説明するメグミ
つまり
「ずっとクリアされていない超難関のクエストなら、一気にポイントを貯めることが出来る」
「そういうこと、丁度あるわよ、だれもクリアしていない超難関のクエスト」

「えっ」
クエストボードの画面を見て目を見開くタイガ
その画面に表示されていたクエストは

依頼者:葛木カムイ【EX】
クエスト名:俺様を倒してみろ
カードキャピタル三号店にて待つ
強くなりたいなら俺を越えて見せろ

「このクエストを受けるやつなんて久しぶりだな」
デッキをシャッフルしながらタイガを見るカムイ
「娘のチームメイトになるやつだ、しっかり見極めさせてもらうぜ」
カットしたデッキを受け取りテーブルに置いて手札を引くカムイ
「(気になることもあるしな)」
険しい表情のままファーストヴァンガードに手を伸ばすカムイ
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」

惑星クレイ、スターゲートの近未来都市
「ガンナーギア・ドラコキッド」
「メチャバトラー ランボール」
カムイのユニットは丸いボディをしたロボット
「ロボットのユニットか」
「ノヴァグラップラー、惑星クレイ、スターゲートの誇り高き闘士達だ、ライド!メチャバトラー マルヤーキ」
火炎放射器を携えたユニットがガンナーギア・ドラコキッドに銃口を向け挑発してくる
「かかって来いよ」
「ライド!メーザーギア・ドラゴン!アタック」
メーザーギア・ドラゴンの胸から放たれた光線がマルヤーキに向かっていく
【スチームスカラー カー・ランマ】クリティカルトリガー
光線がマルヤーキの体を飲み込んでその姿が見えなくなる
【メチャバトラー アラシード】トリガーなし
【レッド・ライトニング】クリティカルトリガー
「ライド!メチャバトラー アバレール!」
光線の中から飛び出した大きな盾を持ったユニットが勢いよく向かっていく
「ドライブチェック」
【メチャバトラー アラシード】トリガーなし
盾を構えたまま突っ込んできたアバレールの攻撃でメーザーギアは地面を転がる
【変革を呼ぶギアイーグル】トリガーなし
「ライド!スモークギア・ドラゴン!メラムとアップストリーム・ドラゴンをコール!」
並び立ったスモークギアとアップストリームがアバレールを見据える
「アップストリームでアタック!」
「ガード!」
メチャバトラー ザンバーラがその刀でアップストリーム・ドラゴンの放った歯車を叩き落とした
「スモークギア・ドラゴン!」
アバレールに向かって走っていくスモークギア・ドラゴン
【スチームスカラー ジジ】トリガーなし
突進攻撃を受けアバレールは後ろに大きく吹っ飛ぶが地面からその足は離れない
【メチャバトラー アバレール】トリガーなし
体勢を立て直したアバレールはスモークギアを見据えた
「この程度かよ」
カムイはドローを行うと鋭い瞳でタイガを見据えた
「メッチャバトラー ビクトールにライド!」
姿を現したカムイのグレード3
これまでより人型に近い形状をしておりより戦うための戦士といった印象を持たせる
「アタック!」
ビクトールの持つ剣に稲妻が奔りスモークギアに向かっていく
「ドライブチェック!」
【メチャバトラー マルヤーキ】トリガーなし
【メチャバトラー アバレール】トリガーなし
剣が振り下ろされ地面を割りスモークギアも悲痛な声を上げながら倒れた

「あの2枚はまずいわね」
ツインドライブで手札に入った2枚のカードを見てメグミが顔をしかめる
「次のターンが勝負………耐えきれなかったらまずいことになるわ」

「我が望む世界へ導け!ライド!」
クロノファング・タイガーが雄たけびを上げる
「ストライドジェネレーション!」
フロートギア・ヒポグリフが翼を広げビクトールを見据えた
「ガンナーギア・ドラコキッドのスキルでクロノファング・タイガーを手札に、更にクロノファング、ナンネア、ジジをコール」
早くもリアガードを埋め万全の攻撃態勢を整えるタイガ
「悪くねえ………けど」
アップストリーム・ドラゴンがヴァンガードへ歯車を飛ばすと再びザンバーラがそれを叩き落とす
アップストリーム・ドラゴンが時空の渦に飛び込むとその姿がナンネアに変わった
「行け!フロートギア!」
【スチームナイト ムダル】トリガーなし
【スチームメイデン アルリム】トリガーなし
【スチームバトラー マシュダ】クリティカルトリガー
フロートギアの巻き起こした旋風にビクトールも身構える
【メッチャバトラー ビクトール】トリガーなし
【ホワイト・ハンク】トリガーなし

「順調だな」
既にカムイのダメージは5点
まだクロノファングの攻撃も残っている
「けど、なんかかえって危ない気もする」
タイガを見るカムイの眼
実の娘であるメグミにはよくわかっていた、あれは本気の眼だ

「クロノファング・タイガーでアタック」
ビクトールに向かっていくクロノファングの前に突如光が降り注ぐ
「ジェネレーションガード、正義超人 ブルー・プリズン」
それを見たメグミは目を見開いた
「(やばい、お父さんは最初からこれを狙っていたんだ………)」
「ブルー・プリズンのスキル、俺の方がお前よりダメージが多いからシールド+5000だ」
「ターンエンド」
「俺のスタンドアンドドロー」
ドローしたカードをカムイは一度目を閉じてから手札に加えた
「俺も昔チームを組んでいた」
タイガに語りながら別の1枚を手に取るカムイ
「チームってのはな、言葉で言うほど単純じゃねえんだ、大会に出るためにただチームを組もうってだけの関係で済まそうってんなら、大会で勝ち上がるのなんか無理だ」
手に取ったカードを裏向きのまま構えるカムイ
「ましてメグミは俺たちにとっては大事な家族、何物にも代えられない宝物だ!生半可な思いでチーム組もうってんなら俺達が許さねえ!ジェネレーションゾーン開放!」
手に持っていたマッスル・シュリークのカードをドロップするカムイ
「燃え上れ熱き闘魂!煌く刃で絶望を切り裂け!無敵の超戦士!」
光で出来た両刃の剣を回転させながら掴むビクトールの面影を持つGユニット
「メテオカイザー ビクトール!」
ビクトールが剣の先をクロノファングに向けた
そのまま構えると全身に稲妻が奔る
「ストライドスキル発動!更にメテオカイザー自身のスキル」
そう言ってGゾーンのメテオカイザーを表にするカムイ
「覚悟しやがれ、マルヤーキ2体、ガンゾックとアバレールをコール」
一気に残りの手札を展開、カムイは勝負をかけてきた
しかも手札はそれでもなお1枚残っている
ビクトールの操縦席の中のカムイはクロノファングを見据えながら考えていた
「(いつの間にか、メグミもチームを組んで、大会に出ようってくらい、大きくなって、俺も大人になって、エミとメグミと、ずっと幸せに暮らしていけたら………メグミが産まれた時からそう思ってた)」
操縦席のレバーを握るカムイの手には涙が零れ落ちる
「(けど、俺は今まで、宿命だの運命だのに振り回されて、つらい思いをしてきたやつらをイヤってほど見てきた)」
カムイの視線の先にはタイガのヴァンガードであるクロノファングの姿
「(お前がもし、メグミを同じ目に合わせようってんなら………)」
レバーを握る手に一層力が入るカムイ
隣のガンゾックがクロノファングに向けて銃を構えた
「俺はお前を許さねぇ!」
ガンゾックの放った銃撃がクロノファングに降り注ぐ
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
「今、なんでブーストしなかったんだ?」
ガンゾックにはアタックした時にパワーアップできるスキルがある
だからブーストをつけずとも問題はない
だが、ブーストを付けたほうがパワーは高いはず
「アバレールでアタック!アバレールのスキル発動、ガンゾックをスタンドしてパワー+5000」
「そういうことかっ」
しかもアバレールもブーストはつけていない、この後さらに攻撃回数が増える可能性が
「パワーアップとスタンドでガンガン攻めてくる………これがカムイさんの戦い方なのか」
レジからその様子を遠目に見ていたエミは目を細めかつてのカムイの姿を思い浮かべた
「(いつだって変わらない、一直線なカムイのファイト………でも)」
物憂げなカムイの表情にエミは目を閉じていた
「(なんでだろう………昔のカムイの方が輝いて見えるよ)」

「ダメージチェック」
【キラキラ・ワーカー】ヒールトリガー
だが、カムイの方がダメージが多い、回復は出来ない
「けど、このトリガーは無駄じゃない!」
「ガンゾックで再アタック、しかもそれだけじゃねえ、カードの能力でスタンドしていることによってマルヤーキのスキルで闘魂発揮」
闘魂、つまりラッシュはノヴァグラップラーの特殊能力
能力を持ったユニットがカードの効果でスタンドした場合に発揮される能力
ガンゾック自身の能力はパワーアップだけだがマルヤーキによってガンゾックはこの能力を与えられていた
「アバレールとその後ろのマルヤーキにパワー+4000!」
炎がアバレールとマルヤーキを包み込む
「ガード!」
マシュダが振り回した鎖がガンゾックの弾丸をはじき返していく
「ビクトールでアタック!ストライドスキル!ガンゾックをスタンドしてパワー+5000、更にメテオカイザーのスキルでアバレールをスタンド、パワー+5000!」
2体のメチャバトラーが再び立ち上がり自身の武器を構える
「ジェネレーションガード!ハイブロースチーム ラファンナ!」
ビクトールの剣をラファンナの盾が受け止める
「スキル発動!ジジを山札に戻しウル・ワタルをスペリオルコール」
パワー31000のビクトールに対しクロノファングはシールドと合わせて41000
トリガー2枚以上なら貫通するが
「トリプルドライブ」
【ラウンドガール アイ】ヒールトリガー
「げっ!」
「ここでヒールトリガーかよ!」
ファイトを見守っていたハジメも思わず声を荒げる
裏になっていたダメージゾーンのカードをドロップするとカムイはパワーをどうするか考えた
「無理にぶち抜く必要はねぇ、パワーはガンゾックにつける」
「(えっ)」
それを聞いたエミは目を見開いた
だがカムイは気づかず2枚目のカードをチェックする
【マッスル・シュリーク】トリガーなし
【レッド・ライトニング】クリティカルトリガー
3枚目のカードを見てカムイは思わず顔をしかめる
もし最初のヒールトリガーをヴァンガードに割り振っていればカムイの勝ちだった
「しゃあねえ、効果はアバレールに、そのアバレールでアタックだ」
闘魂の効果でガンゾックとその後ろのマルヤーキがパワーアップ、だが………
「完全ガード!」
タイガの手札にはトリプルドライブでめくったアルリムのカードがあった
ムダルをコストにアバレールの攻撃を防ぐと次のガンゾックはノーガード
尚、この攻撃のパワーは47000あったことを追記しておく
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
「ターンエンド」
「カムイさん、俺だってなんも考えずメグミとチームを組もうと思ったわけじゃないです」
ドローしたメーザーギア・ドラゴンをバインドゾーンに置きバインドタイム・ドラゴンにストライドするタイガ
「メグミは俺にヴァンガードを教えてくれた、甘い考えで調子に乗ってた俺に渇を入れてくれた………」
クロノファング・タイガーがビクトールに向かっていく
「ガード!」
レッド・ライトニングが真っ向からクロノファングに立ち向かう
「俺はもう、メグミ以外のやつとチームを組むなんて考えられないんです」
バインドタイム・ドラゴンが咆哮を上げるとアバレールとその後ろのマルヤーキが時空の穴に落下する
ウル・ワタルがバインドされたことでタイガは手札を入れ替えていた
そしてカムイは自分の手札を見る
「(ナンネアがパワーアップして41000、ジェネレーションガードだけじゃ足りねぇ!)」
次のアタックに控えているメラムの後ろもまたナンネアだ、つまり
「トリガーに賭けるしかねえ!ノーガードだ!」
この攻撃だけはどうしても防ぐことが出来なかった
ビクトールをバインドタイム・ドラゴンの攻撃が飲み込んでいく
【メチャバトラー ザザンダー】
【メッチャバトラー ビクトール】

「負けちまったか」
俯いて盤面を見るカムイ、そんな彼の肩をエミが叩いた
「残念だったね、でも見て」
顔を上げてカムイが見て見ると楽しそうに話すメグミとタイガの姿
「いいこと言ってるつもりかもしれないけど、あれ聞いてる方はすっごい照れるから」
「ん?そうなのか?」
その光景にただ呆気に取られていたカムイにハジメが声をかけた
「俺も、どんどん強くなっていくあいつに刺激された、あいつと一緒なら、俺ももっと先に行ける気がした、だから俺はあいつとチームを組むんです」
そう言ってハジメもタイガたちに歩み寄り話に加わった
「私たちきっといい結果を残して見せるから、だから見ていてよ、お父さん」
メグミのその言葉を聞いてカムイは小さく笑った
「そっか、メグミが産まれて、ヴァンガードはじめて、毎日楽しそうで、俺の役目は終わった気でいたけど………」
エミの手を握り笑いかけるカムイ
「まだ、終わってなかったんだ、俺にもまだできることがある」
カムイのその言葉にエミも笑顔で返した

「「「おおーっ!」」」
ファイカの画面を見て思わず声を上げる3人
難関クエストをクリアしたことで一気にグレード2の半分ほどまでポイントが貯まっていた
「お前らならきっといいところまでいけるぜ」
そう言ってタイガとハジメの肩に手を置くカムイ
「がんばれな、あと………」
彼らの耳元まで近づくカムイ
「メグミの事、守ってやってくれな」
再び立ち上がったカムイは嬉しそうに手を叩いた
「よーし、せっかくグレ2に上がったんだし、うちでお祝いでもすっか」
「いいわね」
カムイの言葉に便乗してメグミも声を上げる
だがタイガはファイカを見つめてから顔を上げると
「せっかくですけど、遠慮しておきます、まだスタート地点に立ったばっかりなんで、だから」
そう言って口元を緩めるタイガ
「お祝いはグレ3に上がるまで取っておくことにします」
そんなタイガの言葉に満足したのか笑顔で彼の肩を組むカムイ
「もぉ、お父さんったらはしゃいじゃって」
「いいんじゃない、そのほうがずっとカムイらしいもの」
「メグミを泣かせたら承知しねえからなぁ」
「ちょ、カムイさん、痛いです」
一人盛り上がるカムイに戸惑うタイガだった 
 

 
後書き
次回予告
目標に向け力の限り前へ進もうとするタイガ
疲れ果てた彼をねぎらい、なおかつポイントを貯めるため
メグミは彼をある場所へと誘う
そこでの出来事を経て、タイガは何を想うのか
turn:12 安城マモル 
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