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IS 【悲報】俺氏、IS学園に入学します

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1話 二人の男子

 
前書き
このサイトでの処女作です。
ご一読、お願いします!(感想も、できたらお願いします。) 

 





転生というものを、ご存知だろうか?
死んだ人の魂が輪廻を廻り、新しい肉体を得て現世へ戻ること。それがいわゆる輪廻転生である。その際、記憶は消えるか、かなり薄くなってしまう。

――しかし、それが神様の気まぐれによって変わったら……記憶を持ったまま転生したと仮定すれば、転生した本人はどんな行動を起こすのだろうか。

自身が二つの記憶も持っていることに戸惑い、狂乱するのだろうか。
選ばれたものだと、自身の黒歴史を増やすのだろうか。
もしくは、ただ、現実にあっているものだと処理し、受け入れるのだろうか。

そのような様々な可能性がかんがえられるが、この話に登場する主人公もまた、記憶を保持したまま違う世界へと転生した者である。
彼がどうするか……それは、神様も知らず、作者も知らない……(←をい)













+――――+――――+――――+――――+













――白騎士事件。

世界的に有名な事件を挙げよと言われれば、誰もがそう答えるであろう。それほどまでに、この事件は有名なのだ。
しかし、一部の者は理解できた、犯人――天災、篠ノ之 束 がこの事件を起こした動機は、とても単純かつありえないことだった。


私の作ったIS――正式名称 インフェニット・ストラトスを世界に認めてもらいたい


IS。正式名称 インフェニット・ストラトスは、見た目はパワードスーツをロボット足して2で割った感じだ。
その開発目的は、人類が宇宙に行くための補助装置である。しかし、学会はこれを認めなく、あろうことか嘲笑までした。

そして、それが認められなかった彼女は、白騎士事件を起こす。


束が各国の防衛省にハッキングし、合計2341発以上のミサイルを日本に向けて発射。それを、束の作ったIS、白騎士が撃ち落としていくという分かりやすい構造だった。
しかし、事件当日、ミサイルを撃ち落としていく白騎士以外にもう一機、赤いものを見たという国民の声が続出する。束は、そのもう一機も、私の開発したものだと声明を発表。各国が自分のだという前に、釘をさした。












そして現在。
束が各国に適量のISをISたらしめる物質――ISコアを送ってから数年。世界中は、467個の限られたISコアを研究。また、各国独自のIS、並びにその搭載装備を開発している。
by、某ネスレより





……意味がよく分からん。





「織斑くん? 早く自己紹介をおねがいします」
「……はい」


……まぁ、現実逃避はこれぐらいにしとこうか。


ここは、IS専門の知識を教え、立派なIS乗りを育てるための学校。IS学園。
そこで俺は、授業を受けていた。


後ろから突き刺さる、女子の好奇の目線と共に。


何故かISは、女性しか操縦できない。それが、世界の常識だった。
ISに乗れない男性は自動的にその社会的地位を下げ、女尊男卑の風潮が漂っていた。

まぁ、俺――織斑 一夏が、世界で初めて、ISを起動させてしまった分けなのだが。まぁ、そんなことはどうでもいい。俺にとっては、この教室で、女子に囲まれて生活を行うということが、よほど大事だ。

「えーっと、織斑 一夏です。よろしくお願いします」
「「「(ジーッ)」」」
「……えと、それだけ、ですか?」
「え? あ、はい。」

目の前の緑髪の先生――確か、山田 摩耶という名前だったはずだ――が困った顔をする。が、なんでそんな困っているのだろうか。



……ん? 何か、頭の上から振り回されて…………


「痛っ!?」
「馬鹿が。自己紹介さえもできないのか」
「……千冬姉?」
「織斑先生だ。このたわけが」

俺が顔を上げると、そこには、いつもなら家でぐーたら過ごしてる俺の姉――織斑 千冬が立っていた。その右手には、俺を叩く際に使用したと思う出席簿のようなものが……煙出てるっ!? どんだけ強く俺を叩いたんだっ!?
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になるようにするのが私の役目だ。私の言うことには、分かっても分からんでも『はい』と言え。 ――いいな?」

千冬姉が登場した瞬間、クラスの女子が湧いた。

「千冬様〜!」
「もっと罵って!」
「私、千冬姉様に会うために、九州から来たんです!」

……それはもう、凄い黄色い声で。が、千冬姉――織斑千冬の愛称だ――はそれを歯牙にもかけず、口を開いた。

「とりあえず、このクラスに急遽転入することとなったやつを紹介する。……入ってこい」

転入生? この時期にか?

IS学園は、その特殊性(人気で枠が埋まった、難関すぎて転入試験に落ちる…etc.)の影響があるのかは知らないが、転入生が殆ど来ない。だからこそ、この時期に転入生が来るのは珍しい……と、山田先生にこっそり教えてもらった。なるほど。
ちなみに、俺が疑問に思ったのは、入学式である今日に転入生が来たと千冬姉――ゴホン織斑先生が言ったからだ。それぐらいなら、わざわざ転入生として紹介せずに、同じ新入生という括りに入れた方がいいきがする。ま、それが学園が決めたことなら俺なんかが口出しするのがおかしいか。


織斑先生がドアに手招きをすると、転入生とおぼしきやつが歩いてきた。

黒緑色の髪に、翡翠のような瞳。知性が見え隠れするクール系の顔。そしてかなり広い肩は……ば…………?


気のせいだろうか。何か、俺の目に男子・・か映っているのだが。

当然周りの女子達もそれに気付いたのか、ひそひそと話し始める。しかしそれを千冬ね……おっと。織斑先生が見逃すはずがなく、クラスによく響く声で注意した……だけで終わるはずがなく、ついでとばかりに織斑先生の手から非殺チョーク弾頭10㎜弾が放たれていった。当然のごとく、それらの全てが命中する。

「人の話を聞け。そして黙れ。……よし、静かになったな」

強制的にな(汗)

「んじゃ、自己紹介をしろ」
「了解」

織斑先生が促し、男子が一歩だけ前に出た。


「あー……神城かみしろ 鬼斬きざんだ。ま、見ての通り、男だ。趣味はー……少し料理やら菓子作りやらをやってる。あとは釣りぐらいかな。これからよろしく頼む」



――俺は、来たるべき女子達の黄色い喧騒に備えて、耳を防いだ。



 
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