転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1438話
シェリルやランカ、ラクス、ミーアといった面子によるライブがもうすぐそこまで迫ったその日……俺の姿は、ナデシコ世界のロシアにあった。
とは言っても、俺は出撃しておらずシロガネの中から見ているだけだが。
ライブが迫っていても当然のように賊軍は活動を続けており、地球の何ヶ所かでは討伐軍との戦いが続いている。
ただ、シャドウミラーが討伐軍に協力すると宣言し、精霊の卵を派遣して活躍し、更には木連の中では熱血クーデターが起こって賊軍が希望を託していた戦力もあえなく潰えた。
それでも賊軍が降伏してこないのは、自分達が降伏しても破滅しか持っていないというのを知っているからだろう。
特にネルガルのサワガサキは、アカツキを殺す事が出来なかった以上、何が何でも勝つしかない。
連合軍から賊軍に合流したのは、グリューノを裏切った奴が率いている。
そしてクリムゾングループにいたっては、木連がまだ木星蜥蜴と呼ばれていた時から繋がりを持っていたのだ。
討伐軍……いや、地球からしてみれば、クリムゾングループは裏切り者に等しいだろう。
クリムゾングループが白を切ろうとしても、木連の方に明確な証拠がある以上、どうしようもない。
さすがにこんな状況で一部の者が独自に行動をした……なんて事は言えないだろう。
いや、言うかもしれないが、それを討伐軍が信じるかどうかは全く別の話な訳で。
その辺もあって、賊軍の中心にいる3つの勢力は自分達が劣勢だと知っても降伏する事は出来ない。
「ナタル、展開を始めてくれ」
「了解。……カトンボ、ヤンマをそれぞれ展開せよ」
ナタルの言葉と共に、円と美砂がそれぞれカトンボとヤンマに起動の合図を送る。
今回この戦場……ロシアにあるクルスク工業地帯を基地化している賊軍との戦闘になる訳だが、今回の戦闘で改修作業を終えたカトンボとヤンマの運用試験を行っている訳だ。
まぁ、改修といっても搭載している機体が出撃する発進口と動力炉、テスラ・ドライブに手を加えただけだが……それだけであっても最初の改修なだけに、どうしても試験をする必要があった。
そんな状況で、こうしてクルスク工業地帯を基地化させている賊軍というのは、絶好の試験相手だろう。
ここでは以前戦車とかを作っていたらしいが、それも時代遅れの代物らしい。
戦車は結構使い勝手のいい兵器なんだが。特にリニアガン・タンクとかはコスト的にも攻撃力で考えても、十分な程に優秀な兵器だ。
賊軍としても、それを目当てにここを基地化したのかもしれない。……それが間違いであった事を教えるとしよう。
カトンボには40機のメギロート、ヤンマには4機のファブニール……いや、正確にはファブニールを装備したシャドウと表現すべきか? どちらかと言えば、ファブニールに組み込まれているシャドウだが。
ともあれ、クルスク工業地帯を十分に破壊出来るだけの戦力を搭載した2隻の艦がシロガネの前に進み出る。
ちなみにカトンボには当然のようにイルメヤも搭載出来るのだが、今回は最初の戦闘だという事でメギロートで統一させて貰った。
今頃クルスク工業地帯にいる賊軍は何を思っているのか。
改修したとは言っても、外見からでは木連で使用されているカトンボやヤンマと大きな違いは見えない。
細かい……本当に細かいところは色々と違っているのだが、それを見抜ける程に賊軍は冷静ではないだろうし、何よりそこまでカトンボや……ましてやヤンマの情報を木連がクリムゾングループを含む賊軍に渡していたとは思えない。
「ちょっと過剰戦力じゃない?」
そう告げたのは、こちらも俺と同様にシロガネのブリッジにいるレモン。
他にも何人か技術班の面々が来てるのは、やはりシャドウミラー製――この場合はホワイトスター製と言うべきか――の無人機との違いを、そして何より自分達が改修した無人機の性能をその目で見たいと思っているのだろう。
「まぁ、過剰戦力なのは認める」
コーネリアの乗ったファブニール1機で、賊軍の基地1つを殲滅したのだ。
コーネリアは実働班の中でも最強のパイロットであるのは事実だが、今回乗っているのは量産型Wだ。……量産型Wも既に超一流と呼ぶべき技能を持ちつつあるんだから、そう考えればとてもではないが賊軍にとって運がいいとは言えないが。
いや、そもそも純粋に賊軍が基地化したクルスク工業地帯を攻略するだけならメギロートが40機いる時点で十分なんだけどな。
「どうせなら、もっと大きな基地に攻撃を仕掛ければよかったんじゃないの?」
「それも考えたんだが、この地域で戦車が作られている以上、向こうに時間を与えれば戦車を量産するだろ。時代遅れの兵器であっても、数が揃えば厄介になる」
個としての能力では圧倒的に劣っているBETAが、マブラヴ世界を滅亡寸前まで人間を追い詰めたのは数があってこそだ。……まぁ、さすがにBETA程の数を揃えられるとは思えないし、それ以前にパイロットが足りないだろうが。
何しろ聞いた話では、1台の戦車を動かすのに3人から4人の人員が必要だって話だし。
それこそ無人制御とか……ああ、サワガサキがいるって事はオモイカネのデータも持ってるのか? それとクリムゾングループがいるから、多少は木連の技術が流出している可能性はあるか。
それでもオモイカネだけで機体を運用出来ないってのは、ナデシコで判明しているし。
木連もAIは自分達の生命線だと知ってるだけに、簡単に技術を渡すとは思えない。
そう、思っていたのだが……
「ちょっと、随分と戦車の数が多いんじゃない?」
円が不思議そうに呟く。
そう、その言葉通り、現在シロガネの映像モニタに映し出されているのは戦車であり、その数は1000両に達しているようにすら思える。
「何だってこんなに戦車を運用出来るだけの人数がいる? まさか、本当に無人機だったりしないだろうな?」
そんな俺の疑問は、戦車の一斉砲撃で別の疑問に変わる。
「何だ? タイミングが……合い過ぎている?」
「確かにタイミングが合い過ぎね」
そんな俺の疑問だったが、1000両もの戦車がいれば当然ながら放たれた砲弾はファブニールとメギロートへと向かって降り注ぐ。
ファブニールは幾つものバリアがあるので問題はないのだが、メギロートはバリアの類は存在しない。そして塵も積もれば山となる……もしくは、こけの一念岩をも通すと言うべきか。
次々に放たれる砲弾で1機、2機と当たり所が悪く、しかも一斉に放たれた砲弾で撃破されていく。
それなりに装甲は厚いんだけどな。
だが、バリアがないメギロートでは結局無数の攻撃を受け続ければ、やがて撃破されてしまう。
それこそ、これまでにも何度かバッタとの戦いで撃破されているのと同じように。
「多分向こうは戦車を無人機にしたんでしょうね。どうやってなのかは分からないけど」
そう、レモンが口にしたのは俺が先程有り得ないとした選択肢だった。
「どうやったと思う?」
「そうね、幾つか予想は出来るけど……少なくても木連のAI程に性能はよくないみたいよ」
「……そうですね。戦車の動きが画一的だということは、動きが読みやすいという事でもありますから」
俺とレモンの話を聞いていたナタルが、そう口を挟む。
いつもと違う口調なのは……レモンだからだろう。
ともあれ、戦車の動きはメギロートやバッタのAIと比べると圧倒的に鈍いし柔軟性の類も感じられない。
まるで決められた動きをそのまま使ってるような……うん? 決められた動きをそのまま? いや、ちょっと待て。今俺の脳裏を過ぎったのは……TC-OS?
タクティカル・サイバネティクス・オペレーティング・システム。通称TC-OS。
ゲシュペンスト等のPTで使われているOSだ。
機体に登録されたモーションパターンを、コンピュータ側が選んで最適な行動を取ってくれるOSであり、そのモーションパターンも自分で色々と変更出来るというおまけ付き。
ちなみにシャドウミラーの実働班で使用されているOSは、技術班によってかなり手を加えられており、ぶっちゃけTC-OSじゃなてく、元TC-OSとでも表現すべきものになっているが。
ともあれ、今俺が思いついたTC-OSというのはシャドウミラーが使用している元TC-OSではなく、一般的なTC-OSの方だ。
あの1000両近い戦車が一斉に同じ行動を取るパターンは、どこかTC-OSに似た物を感じる。
いや、勿論TC-OS程に洗練されている訳ではない。一般的なTC-OSに比べると、圧倒的なまでに稚拙だ。
だがそれでも、こうしてコントロールをしているのを見ると……
「気になるわね」
呟くレモン。
周囲の視線を向けられると、その視線に頷きを返すかのように口を開く。
「この世界の地球の技術で、あの数の戦車を自由に動かせるとは思えない。だとすれば、何かきっと種がある筈よ」
「AIの技術は木連……ん? 木連、木連か。なるほど」
「アクセル? 何か思いついた事でもあったの?」
「いや、もしかしたら……本当にもしかしたらだけど、木連で行方不明になった草壁が賊軍に合流したのかと思ってな。それならある程度のAI技術を賊軍が持っていてもおかしくないだろ?」
それに木連という戦力を失った草壁が身を寄せられる勢力となると、それ程ない。
まず討伐軍は今の木連と手を組むのだから有り得ないし、シャドウミラーは言うまでもない。
他にも少数勢力とかは色々とあるが、戦力が一番整っているのが賊軍なのは間違いない。
それにクリムゾングループとの繋がりも考えると……
「けど、木連から地球までどうやってきたの? 普通に移動してくるだけだと、見つかるんじゃない?」
美砂の疑問ももっともだ。
木連から地球までの移動にはある程度の時間が掛かるが、ナデシコが2週間で地球から火星まで行くのを考えると、決して不可能という訳じゃない。
食料の問題とかも……まぁ、木連はその性質上保存食の技術は発展しててもおかしくないし、そう考えれば納得は出来る。
だが、ステルス機能が驚く程に発達していないこの世界では、地球へと向かって移動しているのを発見されない筈はない。
特に火星周辺はシャドウミラーが存在しているのだから。
その辺の疑問は色々とあるのだが、それは後で考えるべき事だな。
戦車が1000両近く存在しても、その数がいつまでも永遠に存在出来る訳ではない。
向こうの生産力はシャドウミラーとは比べものにならない程に低いのだから、どうやったところでやがて体力切れを起こす。
それに、TC-OSやAIといったものに近い動きをしてはいるが、所詮その動きは画一的なものだ。
バッタのAIと比べても圧倒的に劣る。
そう考えれば、この程度の敵をどうにかするのは難しい話ではなかった。
「寧ろ、これくらい向こうが抗ってくれた方が、運用試験としては丁度いいか」
「……それはそれで可哀相だと思うけど」
俺の呟きに、円がそう返す。
まぁ、向こうにしてみれば必勝の策というか、数で何とか勝とうとしたんだろうが……BETA程の数を用意出来るのであればまだしも、1000両程度ではどうしようもない。
戦車級が1000匹と考えれば、ぶっちゃけ精霊の卵でも容易に対応出来る。
その答えを証明するかのように、メギロートはサークル・レーザーを使って地上を走っている戦車を次々に撃破していく。
元々戦車は空中を飛び回る敵を相手に設計されている訳じゃない。
いや、最初から対空攻撃を重視して設計された戦車とかもあるかもしれないが、賊軍が使っている戦車は普通の、地上戦で使うような戦車だ。
一応エステバリスとか戦闘機とか戦闘ヘリとかもあるし、何より賊軍にしろ討伐軍にしろ、主戦力は空中を飛んでいる戦艦だ。
それを考えると、賊軍も多少は戦車で対空攻撃を出来るようにはしてるんだろうが……それでも結局メギロートをどうにか出来る程ではない。
そして何より……
「うわぁ……見ていてちょっと可哀相になってきた」
呟く美砂の視線の先では、ファブニールの鱗状のエナジーウィングが大量に射出されていた。
戦車というのは、基本的に前後左右下に比べると搭乗口のある上部は装甲が薄い。
……まぁ、装甲を厚くする為に搭乗口も重くして、いざという時に素早く乗り降り出来ないとか洒落にもならないし。
影のゲートで転移出来るのであればそんな手段も可能かもしれないが、そんな真似が出来る奴がナデシコ世界にいる筈もない。
つまり、エナジーウィングのエネルギー掃射を防ぐことは出来ない訳だ。
次々に撃破していく多数の戦車。
また、カトンボとヤンマからの攻撃も着弾しては数両単位で戦車を吹き飛ばしていく。
どんな手段を使ったのかは分からなかったが、結局は最後の悪足掻きだろう。
そう思っていたのだが……
「アクセル、ファブニール2番機から通信。向こうからハッキングを仕掛けられたそうよ。突破出来ずにすぐにハッキングも終わったそうだけど……」
それを聞き、俺は驚くと共に笑みを浮かべるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1208
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