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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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第239話

 
前書き
お待たせしてしまって申し訳ありません!菫の軌跡も一旦区切りの良い所まで書いたので、しばらくは運命が改変された少年の行く道か焔の軌跡の更新に集中する予定です!  

 
~真・煌魔城~



「やー、以外に早かったなぁ。」

「作戦効率も悪くない。」

リィン達が先へと進んでいくと聞き覚えのある二人の男性の声が聞こえて来た!

「で、出た……」

「あれ、あの二人って確か……」

「……やはりあの二人もいたか。」

声が聞こえた方向―――目の前にいるユミルで討ち取られた”西風の旅団”の猟兵―――ゼノとレオニダスを見たエリオットは不安そうな表情をし、エヴリーヌは目を丸くし、ラウラは表情を引き締め

「………ゼノ…………レオ………」

「…………フィー。」

辛そうな表情でゼノとレオニダスを見つめるフィーをリィンは心配そうな表情で見つめた。



「ゼノ、レオ。亡霊になった”鉄血宰相”がユミルで討ち取られた貴族連合の”裏の協力者”もいるって言っていたからまさかとは思ったけど、やっぱり二人もいたんだね。」

「貴方方も”怪盗紳士”達同様、自分達の”死”を受け入れられなかったという事ですか。」

フィーとシグルーンはそれぞれ真剣な表情で二人を見つめて呟いた。

「いやいや、俺達は”猟兵”やから”戦場”で負けたら死ぬのは当たり前やし、フィーにも看取ってもらえたんやから、俺らに未練なんかあらへんで。」

「……だが、それでも俺達はこうして”亡霊”になってまでこの世に留まっている。恐らく心のどこかでは未練を残していたのであろうな。」

「…………そっか。」

「フィー……」

ゼノとレオニダスの答えを聞いて複雑そうな表情をしているフィーをリィンは心配そうな表情で見つめたが

「……大丈夫、わたしは二人の”死”は受け入れているから。」

フィーは静かな表情で答えた。



「……自分達の”死”を受け入れているのならば何故お前達は”鉄血宰相”の誘いに乗り、我らの前を阻む?」

「もしかして”冥き途”への行き方がわからないんですか?」

「わからないんだったら……案内、する………それがわたしの……お仕事………」

「いや、今はそんな事をしている暇はないでしょ……」

「ア、アハハ………ナベリウスさんは相変わらず仕事熱心な方ですね。」

ゼルギウスの問いかけに続くように問いかけたリタの言葉を聞いて答えたナベリウスにマリーニャは呆れた表情で指摘し、シュリは苦笑していた。

「クク、せっかくこうして化けてでもこの世に留まる事ができてんから、やる事は一つに決まっているやんか。」

「フィー、お前がこの内戦でどれだけ成長したかをこの目で見る為だ。」

「…………」

ゼノとレオニダスの答えを聞いたフィーは静かな表情で黙っていた後前に出て口を開いた。



「……団長が死んだ後ゼノ達がわたしを一人にして、サラにわたしを保護させた話を聞いた時からずっと思っていた。わたしは……今まで守ってもらうだけだった。故郷を失くして戦場でさ迷って、団長に拾われた時も……ゼノやレオ達に生き延びる術を教えてもらった時も……サラに拾われて士官学院に連れて来られた時も……―――でも、みんなと出会えてわたしは少しずつ変われたと思う。ただ、守られるだけじゃなく流されるだけでもなく―――仲間や家族を守るっていうことを本当の意味で知る事ができた。みんなと離れ離れになって……それでも力を合わせて色々なものを取り戻す事で。」

「フィーちゃん……」

「……その気持ち、エヴリーヌも何となくわかる。」

「エヴリーヌお姉様………」

「…………」

ゼノ達に向けて言ったフィーの言葉を聞いたエマは驚き、フィーの言葉に同意したプリネは目を丸くし、リフィアは静かな笑みを浮かべていた。

「わたしはもう、守られるだけの、流されるだけの子供じゃない。学院にしても、団にしても―――”大切なもの”を守るためならどこまでも強くなってみせる。」

ゼノ達に自分の気持ちを静かな表情で伝えたフィーは武器を静かに構え

「ただ報酬を掴み取るだけの猟兵としての流儀じゃなく……フィー・クラウゼル――――”わたし自身の流儀として”!」

「……よくぞ申した。」

そして決意の表情になってゼノ達を見つめ、ラウラは静かな様子を纏ってフィーを見つめて呟いた。



「はは、まったく……あのガリガリのチビスケがよくぞそこまで育ったもんや。この世に留まっていた甲斐はあったな。」

「これも団長の望み通り……―――いや、さすがに斜め上を行っていただろう。」

一方ゼノとレオはそれぞれ苦笑した後膨大な闘気を纏って武器を構えた!

「ッ……!」

「ひっ……」

「はわわ……っ!?」

「なんて闘気……」

「これが”西風の旅団”の部隊長の”本気”と言う訳ですか……」

「”大陸最強の猟兵団”と恐れられている猟兵団の部隊長だけあって、一筋縄ではいかないようだね……!」

二人の闘気に呑み込まれたエリスとセリーヌは息を呑み、トワは驚き、サラ教官とシャロン、アンゼリカは真剣な表情で呟いた。



「おっと、そうや……そっちにもとんでもない強さの”協力者”がぎょうさんおんねんから、このくらいの助っ人は許してや?」

リィン達を見つめて呟いたゼノが呟くとゼノとレオニダスの周囲に”西風の旅団”の紋章を付けた猟兵の亡霊達が次々と現れた!

「猟兵の亡霊……と言う事はまた”結社”の猟兵の亡霊でしょうか……?」

「……いや、彼らは――――」

「2年前の”リベールの異変”の際結社に雇われ、メンフィルと戦って戦死した”西風の旅団”の猟兵達か。」

新たに現れた猟兵達の正体を推測したセレーネの推測をヨシュアは真剣な表情で否定し、レーヴェが続きを口にした。

「”リベールの異変”の際に雇われてメンフィルと戦って戦死したって……―――!も、もしかしてロレントを襲撃しようとした時の!?」

「ええ……間違いありません。先程現れた”リベールの異変”で死亡した結社の猟兵達の亡霊の件を考えると彼らが現れてもおかしくはありません。」

レーヴェの話を聞いてかつての事を思い出したエステルは目を見開き、ツーヤは厳しい表情で猟兵達を見つめた。



「あ~、先に言っておくけどその推測は間違いやで。2年前で死んだ連中は団長も含めて全員成仏しとるで。」

「……この者達はこの城の”力”によって具現化した者達だ。」

「この城の”力”………――――!まさか……!」

「―――ユリスの”負”の力による”記憶の再現”ですか。」

ゼノとレオニダスの説明を聞いてある事を察したルフィナは血相を変え、エイドスは真剣な表情で呟いた。

「そういう事や。ま、さすがに団長は再現したら例え偽物でも、フィーに死んだ団長を会わせるなんて趣味の悪い事をする事になるからしてへんけどな。」

「”鉄血宰相”との”契約(ビジネス)”に従い、少しでもお前達の力を削がせてもらうぞ。」

「ったく、こんな時まで仕事熱心にならなくてもいいだろ……!」

「さすがにここは戦わないと先に進めそうにないわね……!」

それぞれ武器を構えたゼノ達を見てリィン達と共に武器を構えたクロウとクロチルダが厳しい表情で呟いた。

「――――いえ、”ここも大丈夫よ。”」

「ゲ、ゲルドさん?それは一体どういう意味なのですか?」

そして予知能力で今の状況の未来が見えていたゲルドは静かな表情で呟き、ゲルドの言葉にアルフィンが戸惑いの表情で訊ねたその時!



「―――いや、貴様らの相手はセリカ達ではなくこの私達だ。」

「む……?」

「なんや……?」

「ふえ?何だか聞き覚えのある声が聞こえてきました~。」

「む?サリアもか?わらわも聞き覚えがあるのじゃ。」

「あんた達ね……ご主人様に仕えているんだったら割と頻繁にご主人様を訊ねてくれる数少ないご主人様のお客様の声くらいは覚えておきなさいよ……」

「まあまあ……」

(ほう?クク、まさかこのタイミングで現れるとはの。)

女性の声が聞こえ、声を聞いたレオニダスとゼノは眉を顰め、サリアとレシェンテが不思議そうな表情をし、二人の反応に呆れているマリーニャをシュリは苦笑しながら諫め、ハイシェラは口元に笑みを浮かべ

「――――来たか、レヴィア。」

セリカが静かな口調で呟くとリィン達が来た出入り口とは別の出入り口から神聖属性の魔術や技による衝撃波がゼノとレオニダスを襲い

「ぐう……っ!」

「おおお……っ!」

襲い掛かる攻撃に一瞬怯んだ二人はそれぞれ側面に跳躍して退避した。すると攻撃が来た方向からレヴィアと巨漢の騎士率いるレウィニア神権国に存在する11軍の一つ―――白地龍騎士団(ルフィド=ヴァシーン)が現れた!



「”騎士”の軍団……?」

「見た所どこかの国の騎士たちのようだが……奴等は一体どこの国に所属している者達なのだ……?」

「彼らの鎧に刻まれている彼らが所属していると思われる国家の紋章は西ゼムリア大陸に存在している国家や自治州の紋章ではありません。それを考えると恐らく彼らは――――」

「私達の世界―――つまりディル・リフィーナの国家と言う事ですわね。」

「!貴女達は……!」

レヴィア達の登場にクレハは目を丸くし、ユーシスは不思議そうな表情でレヴィア達を見つめ、レヴィア達を見つめながら呟いたクレア大尉の推測の続きをフェミリンスが答え、ロカは目を見開いてレヴィア達を見つめた。

「!あの紋章は……”水の巫女”を守護神としているアヴァタール五大国随一の神権国家―――――レウィニア神権国……!」

「レウィニア神権国だって!?」

「うむ、どうやらレウィニアからの援軍も間に合ったようじゃな!」

一方レヴィア達が所属している国家がわかったエリゼは驚き、エリゼの答えを聞いたリィンは信じられない表情で声を上げ、リフィアは口元に笑みを浮かべて頷いた。するとその時レヴィア達がゼノ達と対峙した!



「ハハッ、ここへ来て異世界からの援軍かい……!」

「騎士達を率いている女騎士と巨漢の騎士もそうだが、二人に率いられている騎士達の実力も中々のものと見た。相手にとって不足はない。」

レヴィア達の強さを感じ取っていたゼノとレオニダスは不敵な笑みを浮かべ

「セリカ!お前達”本隊”はこんな所で油を売っている暇はないだろうが!?」

「彼らの相手は我々が受け持ちます!セリカさん達は我々の事を気にせず頂上を目指す事を優先してください!」

「―――わかった。ここは任せる、レヴィア、レフィン。」

「皆さんもどうかお気をつけて……!」

レヴィアと巨漢の騎士――――レヴィアの副官にして白地龍騎士団の副団長であるレフィン・リンズーベルの言葉にセリカは頷き、シュリはレヴィア達の応援の言葉を贈った。

「総員、巫女様の名の元に、巫女様の盟友――――”神殺し”の道を切り開け!」

「総員、戦闘開始!今こそ白地龍騎士団(ルフィド=ヴァシーン)の名を知らしめよ!」

「オォォォオオォォォォォォオオオォォッッッ!!!!」

そしてレヴィアとレフィンの号令に応じるかのように、それぞれの武器を空へと掲げて辺りを轟かせる勇ましい雄たけびを上げた白地龍騎士団の騎士達は猟兵達との戦闘を開始し、レヴィアはゼノと、レフィンはレオニダスとの戦闘を開始し、その間にリィン達は駆け抜けて昇降機に乗って上へと上がり始めた―――――


 
 

 
後書き
実際レヴィアとゼノ、レフィンとレオニダスだったら、レオニダスはレフィンと互角の戦いをするかもしれませんが、ゼノは無理でしょうね~。この作品のレヴィアは”神格者”ですし、そもそも原作でもレヴィアはセリカ達と一緒にシュヴェルトライテや”七魔神”、ラプシィアとも戦って勝ったんですからw……あ、それを考えたらレオニダスもレフィン相手に互角に戦うのは無理かもしれませんねw天秤ではレフィンもセリカ達と一緒にシュヴェルトライテと戦っている上ルートにもよりますがセリカが駆けつけてくるまで自分達を裏切った白地龍騎士団の騎士達を一人で相手してレヴィアを守れる程の腕前ですし、(いつかリメイクするかもしれない)戦女神2でもレヴィア同様セリカ達と一緒に七魔神やラプシィアとの戦闘経験があると思いますしwというかマジで戦女神2をリメイクして欲しいですね。今年と去年の不評っぷりを考えると(汗) 
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