『零と先輩』
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『親』
19歳、夏真っ盛り。
難産の末、女児出産。
大変どころの騒ぎじゃない。
殺してくれと思うほどの痛みに耐えきれなかった。
出産しながら出産は二度としないと誓った。
正直、感動より痛みが勝ってた。
感動で痛みを忘れるって聞いてたけど、あれは嘘だ。
産まれた後の胎盤もなかなか取れず、痛過ぎて狂いそうだった。
暫くは育児に集中した。
すぐ死にそうで怖かった。
小さすぎる手、か細い泣き声、一生懸命に母乳を飲む姿...
産んであげれて良かった。
心からそう想えたのは何日経った頃だったかな。
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