ラブライブ!~満身創夷の龍と9人の女神~
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第6話・夢
入学式から数日後の早朝の住宅街。そこに、ドッ、ドッ、ドッ、と力強い足音が響く。そして向こうから走って来るのは、2m超の黒髪の男、龍哉である。
龍哉side
「...こうやって早朝に走るのも偉い久々な気がすんな。」
と、独り言をいつも通り呟いてみる。俺は、現在早朝ランニングをしている。俺の体力は相当な方だと思う。
..ん?何で走ってるのかって?まぁそれは、とある所に向かっているからだ。
--2分後--
「...よし、着いたぜ。というかここ懐かしいな。」
俺は石段の前に立つ。俺がいるのはこの辺でも有名な場所、神田明神だ。別に仏教とかそういう訳じゃねぇが、とりあえず祈ろうと思ったからランニングスリャーしながら来た。
「よし、行くぜ。」
そう呟き、石段を走り始める。ニート同然の生活をしてたのに衰えが無く、寧ろ昔より速くなってる気がするのは、一応してた筋トレのお陰だろうか。そして気が付いたら俺は、既に賽銭箱の前に立っていた。とりあえず、賽銭を複数個入れ、手を合わせ祈る。
(...もうかつて友達だった奴も含め友達とか出来る事が無く、そして速くあの面倒な国立高校(笑)から退学できます様に。)
そして数秒間黙祷をやり、開眼してとっとと帰ろうと走り出した。石段が見えた。速効で降りる。行くz「ちょっと待ちや」
その時、女子の声がした。同年代か?とりあえず面倒臭いな。
「...あぁ?何だオイ」
俺は睨みながら振り向いた。そこには、紫髪の巫女の服を着てる女子が居た。というか大きいな。敢えてどことは言わないが。
「あんた今、何願ったんや?」
その巫女は、優しい口調だが、何か全てを見透かしてる様な口調でこっちを見た。また面倒な奴に絡まれたな...
「何で言わなきゃいけねぇんだよ。アンタには関係無ぇだろ?」
「いや、あんた、確かうちの学校の共学の男子やろ?うちの目は誤魔化せへんで?」
は?音ノ山坂の人なのかこいつ?一体何年なんですかねぇ...そう言いたくなるのを堪えて、その言おうとした言葉を脳内で掻き消しながら別の言葉を発した。
「あ、そうッスか。なら先に言っておくと、俺に期待しない方がいいッスよ。そんじゃもう俺帰るんで。あばよ」
言葉を発し終わった俺は、石段を降りながら走り始めた。最後タメ口なったが気にすんな。
「フフッ...タロットが告げていた通りの性格やな。これから、面白い事になりそうやな。」
その女性、東條 希は龍哉が居なくなった後、そう呟いた。
数時間後 龍哉side
「もう、この校門入んのも慣れたな。」
とりあえず面倒だから走るか。ランニンg...何でもねぇ。
この学校に入らされて早1週間。早速周囲の視線に、負の感情が籠っている物が増えてきた。やったぜ。
ワンクッション
「ガラッ」という音を立てながら教室のドアが開いた。そして俺はドアから手を放し、教室に足を踏み入れる。そして案の定、女子は俺を確認した後、ヒソヒソと話し始める。別に気にはしねぇ。誰が俺の事をどう思おうが関係ねぇ。俺はひたすら、他人を寄せ付けず我を貫けばいい。だから、早く焔司さんとも理事長とも、そして南達とも縁を完全に斬り、二度と俺に近付けない様にしなければいけない。
.......
もしかしたらとっくに手遅れなのかもしれない。だとしたら仕方ないし、俺なんかにはどうにもできないだろう。
「あ、龍くん。おはよう♪」
はぁ...考えてる時に話したくない輩が来やがったよ。
「うるせぇ。俺に話しかけんじゃねぇ。話す相手なら他に大量にいるだろ。俺は眠いんだよ。」
そう言って俺は眠りに就く。
__
「...龍くん..何があったんだろう。」
ことりは、龍哉が寝ている前で、彼に聞こえない様な声で呟いた。
ーーー
「...ん?」
気が付いたら俺は、学校とは違う所に居た。
焼き尽くされている建物。血飛沫で埋め尽くされた地面。そして_____
「.....ここは...ま...さか....」
完全に、あの日の光景に瓜二つだった。
その瞬間、その光景は突如消え、脳内に幾つもの言葉や風景が、まるで走馬灯の様に一斉に流れ始めた。
ザザザ__「あの糞野郎は死ぬ以__」「大丈夫だよ。私達、ずっとと___」「お前は一人で抱え込みすぎなんだよ___」「...また、失っちまった...これで何___」「龍哉、逃げて!せめて龍哉だけでも___」「俺の唯一の取り柄でも...太刀打___「___は何も出来ずに一回___」「...龍哉...くん...助「何も...してやれなかった...」「...馬鹿野郎。何で俺だけ___」ザザ__「龍哉!!逃げろ....!」「___彼奴は死神だ。」「___貴方は手当てできません。お帰りくださ___」「__ではない。つまり貴様が犯__」当にザマアミロだわ!!馬鹿みたい!!」「何なんだよ...友達とか、作っ____」___アアアアアァァァァァァァァァァ!!」ザザザ,..
まるで走馬灯の様に、頭を駆け巡る過去の数々。急に、俺の頭が痛み始める。まるで、入学の電話が来た日に見た夢の時の様な痛みだ。耐えきれない。只、俺一人で何とかしないと...また...
その瞬間。目が開いた。そこは、誰も居ない、午後の教室だった。
「...ハァ...ハァ...また、過去関連の夢かよ...」
俺は、ボサボサしている前髪に手を当てながら呟いた。教室にはもう、誰も居なかった。
「....腹減ったな。そういや昼飯食ってねぇし家帰ってから食うか。」
もう教室には誰も居ない。職員以外居ないんじゃないか?そういう下らねえ戯言を頭の中で再生しながら階段を降りる。
「...剣谷くん。」
「ッ!?」
急な声に少し驚き、後ろを向くと今朝、神田明神で会った紫髪の奴らしき奴が立っていた。地味に髪型違うがそこはどうでもいい。一々話しかけてくんの面倒なんだよ。
「...何の様だ、てめぇ。」
先ずは思いきり睨み付ける。只でさえ目付きが恐いのにさらに恐くする。これで何とかなる筈だ。これで逃げてくれればいいが...
「...う、うち、2年の東條希。龍哉くん..やったっけ?宜しく!」
あまり効いてNEEEEEEEEEE!!!(デデドン)...だが一瞬ビビッてたな。
「...んで、何の様ッスか」
「...うん、まぁ断ってもええんやけど..
...うちと、友達になr「だが断る」え?」
即答してやったぜ。まぁこの人の場合そう来ると思ったからね。仕方ないね。こういうクソフレンドリーな輩の手の内は解るんだよ。なんせ俺はギャルゲーを普通に頭の中で思った通りの選択肢選びまくった結果全員好感度極限まで下げて完☆全☆BAD☆ENDにした男だしな。強い。
「そんじゃ。お疲れッス。さよなら。」
別れの言葉を投げた瞬間俺は...走る!全速全身DA!
数分後
俺は現在、自宅前にいます。ヤ゙ッ゙ダネ゙ェ゙ッ゙!!どこのゼノブレイドだ。
「...今日は夕飯作ったら寝るか。」
そして夕飯を考えていた時だった。急にスマホからセルレ○オスのBGMが流れた。電話の方の着信音ですね、解ります。そして送り主は不明。とりあえず出るか。
ピッ「...はい、もしもし。龍哉です。」
『おう、もしもし龍哉。焔司だ。』
ファッ!?何でだよ!?電話番号言った覚え無いぞコルァ!?あ、職員だから普通に解るか。ナンテコッタイ\(^о^)/
「...んで?要件何スか?」
『あぁ。まぁその前に1つ要件っつーか話があるんだが...
お前、本当にいつまで逃げるつもりだ?』
...はぁ。またかよ。この人はもう知ってんだろうが。それに、あいつらみたいにあの時の記憶を消された訳じゃないから鮮明に覚えてる筈だ。なのに、何で...
「...もうその話辞めろ。俺はもう友達は要らないんだよ。友達とか作ったって、また、あの時みたいに後悔するだけだろ。」
『...お前ッ!..あれは、お前が悪いんじゃねぇ。只、奴らの思考回路が変なだけで...お前は.....別に...!!』
「もうその話辞めましょう。思い出すからもう聞きたくねぇ。んで本題何スか?無いならもう切りますけど」
しまった。つい強引に言っちまった。まぁ何とかなるだろ。
『...あ、あぁ。とりあえず本題な。
龍哉。本校の人数減少を救う為にも、
..
...もう一度、柔道初めてみねぇか?』
「.....柔道?俺がですか?」
『あぁ。小学時代から柔道で全国大会に行ってたお前なら、確実に俺らの学校の人数減少も保てるだろうし、何よりお前の中学時代の夢、柔道選手だろ?叶える為にもいいんじゃないのか?』
......
柔道か...まぁ、俺も今は亡き両親に影響されて昔やってたな...確かに友達無しでも柔道はできるな。
...只、俺にはブランクあるし、何よりも_______
...まぁ、今答えられる事じゃ無いな。
「...考えときます。それじゃ切ります。んじゃまた。」
ピッ...ツーツーツー
「夢か.....まぁ、俺はどう足掻いても夢なんて叶いはしないだろうな。才能と本気が違う。無理だ...」
無理だ。俺には柔道選手になるなんて無理な話だと思う。
確かに焔司さんの言う通り、俺は中2迄は柔道はクソ強かった。一応全国には行けた事もある。だが、あの時から、俺は他人との、才能が違う事が解った。「努力すれば必ず報われる」という名言があるが、それは違う。どれだけ努力をしても、個人差って物がある。俺は.....
いや、もう考えるのは辞めよう。
そう思った龍哉は、靴を履き、夕飯を買いに出た。その日の夜空にある月や星は、すぐに雨が降りそうな程の厚く黒い雲に覆われていて、見えなかった。
焔司side
「はぁ...彼奴にも困ったもんだ...」
俺は、とある用で現在東京のとある山に来ている。今日は体育の俺受け持ちの授業無かったし、どこかの教室を受け持ってる訳でも無い。だから理事長に頼んで少し早く帰らせて貰った。だから今、普通に某所に行ける訳だ。
剣谷龍哉。彼奴は、産まれた瞬間から災難に襲われ、それでも数年前までは必死に柔道等色々な事で光を見ようとしていた。その時はまだ、彼の血は燃えていた。只、あの時に起きた事件の連続で、彼奴は絶望し、俺は何もしてやれなかった。俺はどうしても、何をしてでも、彼奴にもう一度光を見せてやりたい...!だが、もしもう一度昔の彼奴に戻るとしたら...いや、仮定の話は辞めよう。
そして気が付いたら、もう山道も終わりに差し掛かっていた。そして目の前にある幾つもの物の目の前に座り、目を瞑る。
「...彼奴は、まだ立ち直れて無い。只、俺はどうにもできないかもしれん。
...
なぁ、お前ら。もう少しだけ待ってほしい。」
そして数秒間、黙祷する。そして目を開けた。
目の前には、十個以上配置されている、奴等によって殆ど壊された墓が、佇んでいた。
「...そりゃ、こんだけの数の人、しかも大半が龍哉の知り合いだった訳で、何の罪も無い龍哉があの時、罪をアイツに擦られて、捕まったんだ。そりゃ..グスッ...絶望すんのも...無理は...無いよな...可哀想にな...龍哉.....うっ...」
そう独り言を呟いた焔司の眼には、涙が浮かんでいた。
その時唐突に、雨が降りだした。
その厚い雨雲の奥に浮かんでいた、誰も見れなかったその日の月は、上弦の月だった事は、誰も知る由は無かった...
TO BE CONTINUED...
後書き
速くイチャイチャシーンを描きたい俺ガイル
けどそういう事が可能になる状況になるまで少なくともあと4~5話は必要だと考えている俺ガイル
そんじゃまた次回
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