英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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外伝~簒奪王~
~トールズ士官学院・会議室~
「貴方がクロスベル皇帝にして”六銃士”の一人―――――”黄金の戦王”ヴァイスハイト・ツェリンダー…………」
「貴様が兄上を…………」
会議室に入って来たヴァンダイク学院長は重々しい様子を纏って呟き、ユーシスはヴァイスを睨み
「!?アルフィン皇女!セドリック殿下!!」
「おお……ご無事で何よりです!!」
アルフィン皇女達を見たナイトハルト少佐は驚き、ハインリッヒ教官が嬉しそうな表情をし
「なっ!?あんたは!!」
「クレアちゃん!?どうしてそこにいるの~!?」
クレアに気付いたサラは驚いて声を上げ、ミリアムは信じられない表情で声を上げた。
「何だ、クレア。知り合いか?」
「はい、ヴァイス様。ミリアムちゃんは私と同じ”鉄血の子供達”で……サラさんとは昔色々ありまして。」
二人の様子を見て目を丸くしたヴァイスに尋ねられたクレアは頷いて答えた。
「ええっ!?ク、クレアちゃん……!一体どういう事なの!?」
「ま、まさかあんた………………」
クレアの言葉を聞いたミリアムは驚いて声を上げ、サラは信じられない表情をしてクレアを見つめた。
「―――クレアなら昨日の戦いで捕縛した後、昨夜俺に忠誠を誓った。―――つまりは”鉄血宰相”を裏切ったという事だ。」
「…………………………」
ヴァイスの説明を聞いたサラやミリアム、ナイトハルト少佐やⅦ組の面々は黙り込み
「ええええええええええええええええええええええええっ!?」
全員信じられない表情で声を上げた!
「馬鹿な…………”鉄血の子供達”……それも”氷の乙女”があの”鉄血宰相”を裏切るだとっ!?」
我に返ったナイトハルト少佐は信じられない表情で声を上げ
「ク、クレアちゃん!?い、いいいいい、一体何があったの!?」
ミリアムは混乱した様子で声を上げた。
「ミリアム、混乱している。」
「無理もない……僕達自身も信じられない想いだしな…………」
「あのクレア大尉がオズボーン宰相を裏切るなんて…………今こうして目にしても信じられないよね……」
「一体何があったんだろうな?」
静かな口調で呟いたフィーの言葉を聞いたマキアスは疲れた表情で頷き、エリオットは表情を引き攣らせてクレアを見つめ、ガイウスは考え込みながらクレアを見つめ
「あんた……マジで何があったのよ??」
サラは呆けた表情でクレアを見つめて尋ねた。
「そ、それは…………」
サラの言葉を聞いたクレアは顔を赤らめて言葉を濁し
「あ、あのクレア大尉が顔を赤らめている……!?」
「フム……私も一体何があったのか非常に気になって来たな…………」
クレアの様子を見たアリサは驚き、ラウラは考え込みながらクレアを見つめた。
「ん?クレアを口説いた方法か?昨夜、そいつに”真の主”が俺である事をそいつの身体にベッドの上で教え込んでやっただけだ。」
「ヴァイス様!!」
そしてヴァイスの答えを聞いたクレアは顔を真っ赤にして怒鳴り
「ベ、ベッドの上で身体に教え込んだってまさか…………」
アリサは顔を真っ赤にしてクレアを見つめ
「―――要するにヴァイス様はクレアさんを昨晩抱いて、あのクレアさんを骨抜きにしたって事ですわ♪」
「ア、アルフィン!?」
「お願いしますから、もうこれ以上はお止め下さい、アルフィン皇女!!」
「………………」
からかいの表情で言ったアルフィン皇女の言葉を聞いたセドリック皇子は顔を真っ赤にして慌て、クレアは顔を真っ赤にして怒鳴り、その様子をラクリールは同情の視線でクレアを見つめていた。するとその時その場は凍った!
「だ、抱く!?それってま、ままままま、まさか…………!?」
そして我に返ったメアリー教官は顔を真っ赤にして慌て
「あ、ありえねえ………敵だった相手に短時間でそんな関係になった上、裏切らせるなんて滅茶苦茶だ…………」
マカロフ教官は信じられない表情をし
「まあ……………」
「え、え~と…………」
プリネは頬を赤らめて目を丸くし、ツーヤは表情を引き攣らせ
「ハア…………」
「ある意味大物だな……」
「フフ…………」
レーヴェは呆れた表情で溜息を吐き、ヴィクターは驚きの表情でヴァイスを見つめ、リアンヌは微笑んでいた。
「……………………」
一方ミリアムは口をパクパクさせて絶句し
「…………………」
サラは口を開けて固まっていたが
「ア……アハハハハハハハッ!あの機械女がよりにもよってそんな方法で”鉄血宰相”を裏切ったなんて!?こりゃ傑作だわ!!」
やがて腹を抱えて大声で笑いだした!
「いや~、ある意味凄いわね♪あの機械女をそんな僅かな時間で口説き落とすなんて♪一体どんな手を使ったのかしら~?」
そして口元をニヤニヤさせながらヴァイスを見つめて尋ね
「フッ……後で教えてやろうか?」
尋ねられたヴァイスは口元に笑みを浮かべて答え
「ヴァイス様!それ以上話したら許しませんからね!?」
ヴァイスの言葉を聞いたクレアはヴァイスを睨んだ。
「それにしてもあんたがそんな事になるなんてねえ?世の中何が起こるかわからないわね~?さすがの”氷の乙女”も情事に関しては冷静な対応や計算もできなかったようねえ?」
そしてサラは口元をニヤニヤしながらクレアを見つめ
「クッ………!」
見つめられたクレアは顔を真っ赤にして唇を噛みしめて身体を震わせ
「さては抱かれた時の気持ちよさに流されて”黄金の戦王”に従う事にしたのかしら~?どうせ処女だったんでしょう~?いや~、これは今夜は赤飯ね♪何ならあたしが作ってあげましょうか~?」
「はわわわわわわわわっ!?」
「き、聞いている方が辛くなってくるよ…………正直、今すぐにでもこの場から逃げ出したいよ…………」
「バレスタイン教官!ここには生徒達もいるのですぞ!?教育の悪い言葉を口にしないで頂きたい!」
クレアを見つめて口元をニヤニヤさせながら言ったサラの言葉を聞いたトワは顔を真っ赤にして慌て、ジョルジュは表情を引き攣らせ、ハインリッヒ教官は怒鳴り
「クッ……!先程からこんな公衆の面前で私に恥ばかりかかせるなんて……!サラさん!貴女は私に何か恨みでもあるのですか!?」
クレアは唇を噛みしめて呟いた後サラを睨んで怒鳴った。
「それはあんたが一番わかっているんじゃないの~?」
「グッ…………!」
しかしからかいの表情で言ったサラの言葉を聞いて唸った。
「コホン……サラ教官。戯れはそこまでにして頂きましょうか?話が全然進みません。」
「うっ………わかりました。(フフ、ついにあの機械女の弱味を手に入れたわ♪これをネタにずっとからかいまくってやりましょ♪)」
そして咳払いをして呟いたベアトリクス教官の言葉を聞いたサラは心の中でニヤニヤしながら頷き
「オジサンがそんな理由で裏切られたなんて知ったらショック死するかもね~…………」
「さすがにそれは言いすぎだと思うが…………」
「でも泡を吹いて気絶はするんじゃないの?アハハ…………」
「た、確かに信頼していた部下がそんな方法で裏切られてはそうなってもおかしくありませんね……」
「フン、国だけでなく女まで奪うとはまさに簒奪者……いや簒奪王だな……」
ミリアムが呟いた言葉を聞いたマキアスやエリオット、エマは表情を引き攣らせ、ユーシスは鼻を鳴らして蔑みの表情でヴァイスを見つめた…………
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