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Blue Rose

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第二十二話 心と身体その四

 ここで自分の言葉のニュアンスについてだ、こう言ったのだった。
「何か言葉の調子が」
「もうかなりね」
「女の子の喋り方のそれになってますよね」
「なってるわね」
「じゃあもう」
「女の子になってきているのよ」
 これまで以上にというのだ。
「そうなってきているのよ」
「やっぱりそうですか」
「そう、身体もね」
「徐々になってきていて」
「好みもですか」
「変わってくるかも知れないわ」
「具体的には」
 先程同性愛の話をしたがやはりオーソドックスはと考えてだ、優花は言った。
「男の子を好きにですね」
「なりだすかも知れないわね」
「そうですよね」
「徐々によ」
 看護士は微笑んで優花に言った。
「そのこともね」
「徐々にですね」
「急になったりはしないわ」
「身体と一緒ですね」
「ええ、そうよ」
 その通りという返事だった。
「仕草も心もね」
「心だけじゃなくてですか」
「蓮見君動きもね」 
 即ち仕草もというのだ。
「日増しに女の子らしくなってるわ」
「そうですか」
「体格が女の子のものになってきてるでしょ」
「はい」
「だから身体の動きもね」
 それもというのだ。
「変わってきてるのよ」
「身体の構造が変わると動きも変わりますね」
「そうよ、それに心も変わってきてるから」
「女の子に」
「仕草も変わってるのよ」
「心の変化って仕草にも出ますか」
「元々乱暴な性格だと仕草も乱暴でしょ」
 看護士は優花にわかりやすい様にとこの例えを出した。
「そうでしょ」
「言われてみれば」
「ヤクザ屋さんが仕草も乱暴なのはね」
「性格が乱暴だから」
「それが仕草にも出るのよ」
「そういうことですね」
「そういうことよ、だから蓮見君は心が徐々に女の子になってきているから」
 それ故にというのである。
「仕草にも出ているのよ」
「そういうことですか」
「そう、本当に徐々にね」
「変わってきているのよ」
「そうですか」
「それで心も。さっき言ったけれど」
「女の子になってきていますか」 
 自分の手を見た優花だった、ここで。
 すると確かにだった。姉の優子に言われる前とは違っていた。指はその時より細く長くなっていて肌もきめ細かになっている。
「そういえば」
「何か気付いた?」
「はい、手がです」
 その手のことを言うのだった。 
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