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Blue Rose

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第二十二話 心と身体その三

「もっと言えば別におかしなことじゃないわ」
「あっていいものですね」
「私はそう考えてるわ」
「僕もですけれど」
「同性愛は昔からあるから」
 掃除の最中で机をどけながら言った、その下を掃除する為だ。
「人類の歴史に」
「ギリシア神話とかですね」
「ええ、結構色々な文化圏にあるのよ」
 否定している文化圏もある、キリスト教がその代表でキリスト教の影響がある文化圏では同性愛は時によっては死罪になる罪とされていた。
「日本でもそうだしね」
「そうでしたね」
「織田信長だってそうだったわね」
「武田信玄、上杉謙信もですね」
「伊達政宗もよ」
 こうした著名な戦国大名達は実際にそうした趣味があった、上杉謙信は毘沙門天への信仰故に妻帯はおろか女性に手をつけることも許されていなかったが為に余計にそちらの趣味があったという説もある位である。
「幕末でもそうだったし」
「新選組や薩摩藩ですか」
「土佐藩でもあったわ」
 同性愛の話がというのだ。
「結構ね」
「そうでしたね」
「平安時代も普通だったわ」
 男性同士での恋愛のもつれが政争にまで至ったこともあるらしい。
「室町時代でもね」
「凄く普通だったんですね」
「その証拠にね」
「証拠ですか」
「同性愛で捕まった人はいないわね」
 看護士はこう優花に問うた。
「日本では」
「そういえばそうですね」
「一人も逮捕されたり罪に問われていないわね」
 同性愛者ということだけでだ。
「そうね」
「はい、確かに」
「そうでしょ、つまりね」
「同性愛は日本では普通だったんですか」
「そうだったのよ」
 実際にというのだ。
「そうしたことはなかったのよ」
「そういうことですか」
「そう、そうした国だったのよ」
「同性愛も構わないんですね」
「そうよ、若し蓮見君が女の子になって女の子が好きなままでも」
 この場合は同性愛になるがそれでもというのだ、
「普通よ」
「そうなんですね」
「そう、だから安心してね」
「女の子が好きなままでも」
「別にね。それに私はそうした趣味はないけれど」
 同性愛の趣味、それはというのだ。
「絵柄的には奇麗だと思ってるし」
「女の子と女の子のカップルも」
「そう思うでしょ」
「言われてみれば。可愛い娘同士が一緒にいますと」
 学校の中でもよくあった光景だ、優花は学校でもよく見たその光景を思い出してそのうえで看護士に大して言った。
「奇麗ですね」
「そうでしょ」
「はい、確かに」
「だからね」
「僕もなんですね」
「女の子が好きでもいいのよ」
「そうなんですね」 
 優花は看護士の言葉を聞いて考える顔になった、そして。 
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