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Blue Rose

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第二十二話 心と身体その二

「楽しくね」
「性別が変わっても僕は僕で」
「そう、人間であるから」
「だからですね」
「楽しく生きてね」
「そう決めました」
 優子と龍馬の支えも受けてとだ、優花は答えた。
「もう」
「それならよ」
「楽しくですね」
「過ごしてね」
「はい、そうします」
「それとね」
 看護士は優花にさらに言った。
「貴方のお掃除は」
「駄目ですか?」
「いえ、凄く上手よ」 
 優花の掃除についてだ、看護士はこう言ったのだ。
「驚く位ね」
「そうなんですか」
「毎日お掃除している感じだけれど」
「はい、家にいた時からです」
「毎日お掃除していたの」
「そうしていました」
「そうなのね、お風呂もおトイレも奇麗だけれど」
 そうした汚れやすい場所もというのだ。
「そうした場所もなのね」
「家にいた時からいつもお掃除しています」
「いいわね」
「いいですか」
「お掃除が得意な子は人気が出るのよ」
「女の子でもですよね」
「男の子もよ」
 このことは性別に関係なく、というのだ。
「お洗濯、そしてお料理も出来たらね」
「余計にですか」
「いいのよ、そういうことがいいと」
 それこそというのだ。
「もてるわよ」
「男の子にも」
「ええ、そうよ」
「そうですか、じゃあ」
「貴方がね」
 女になった、その時はというのだ。
「もてるわよ」
「そうですか」
「今はまだ男の子を好きじゃないわね」
「はい」
 その通りとだ、優花は看護士のこの問いにも答えた。その返事には淀みがなく彼の今の感情をありのまま出していた。
「やっぱりまだ」
「女の子の方がなのね」
「好きです」
「そうね、けれどね」
「それでもですか」
「女の子になるとね」
「男の子が好きになりますか」
 優花はこう考えた、まずは。
 だがすぐにだ、彼はこうも考えて看護士に言ったのだった。
「そうでない人も多いですよね」
「同性愛ね」
「はい、同性愛ってありますよね」
「あるわ」 
 看護士もこのことを否定しなかった、同性愛の存在を。 
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