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『零と先輩』

作者:零那
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『強制退学』



零に4回目の停学処分が下された。
1年の終わり。
やっと目標が固まった時期だった。

被服は苦手。
調理も好きではなかった。
それでも、プリントの裏にデザイン画を描いたりしてた。
勿論、1年のうちは専門的なことを習ってない。
だからもっと被服を勉強したいと決意したとこだった。

タイミングは悪かった。
理不尽な停学処分で零はもう大人に逆らうのが無駄だと解った。
此処で暴れたら大人の思うつぼだと解ってた。
教職員からの差別的に執拗な指摘に耐えれなかった。

もう後はない。
これは退学処分も同然の停学処分。

停学明け前、退学届けを書きなさいと退学届けが送られてきた。
もう諦めた。
こんないたちごっこ続けたって何も得るモノなんか無い。
こんな学校おりたくもない。
先輩も居らんなるし意味ないわって吹っ切れた。

どうせ自分が頑張ったところでデザイナーなんかなれるわけもないし。
監視されながら先輩の居らんなった楽しくない学校行きたくないし。
醜い大人の言いなりにならなあかんのも、それに突っかかって理不尽だと逆らうことにも疲れた。

でも、退学か...。
大事だと想える人を、また失うって考えると辛かった...。


 
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