聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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104部分:第十二話 ベルゼブブのカナンその五
第十二話 ベルゼブブのカナンその五
「こうしてやるぜ。どうだよ」
「貴様もこう来たか」
「必然的に勝負ってわけだな」
積尸気魂葬破とブラックエンドライトのぶつかり合い、赤い衝撃と黒い閃光を挟んで今両者がせめぎ合っていたのであった。両者の小宇宙が。
「どっちかが怯んだその時で決まるっていうのかよ」
「これでわかったな」
カナンの冷徹な言葉がまた出される。
「何故私が今までこの技を出して破れたことがなかったのかを」
「ああ、よくわかったぜ」
目の前の赤と黒の光を見つつカナンに答える。
「よくな」
「それではだ」
ここでカナンはさらに力を入れてきた。小宇宙を増してきたのだ。ここでも。
「これならばどうだ」
「まだ小宇宙があるってことかよ」
「キャンサー、貴様はどうだ」
そのうえでデスマスクに対してまた問うてきたのだった。
「もうそろそろ。小宇宙が尽きるのではないのか」
「俺の小宇宙がかよ」
「そうだ」
これもまたカナンの狙いであったのだ。
「如何に黄金聖闘士といえどそろそろ限界ではないのか。小宇宙は」
「おいおい、甘く見るなよ」
軽い口調だったが決して笑ってはいなかった。
「俺だって黄金聖闘士だ。この程度だと思うなよ」
「まだ小宇宙があるというのか」
「そうさ。どうだ」
デスマスクもまた小宇宙をさらに高めさせるのだった。黄金の小宇宙がさらに彼の全身を覆いそれが積尸気魂葬破にもまた影響するのであった。
「これならな」
「やはり。まだ小宇宙があるのか」
「まだまだあるぜ」
さらに小宇宙を高めてみせるデスマスクであった。
「俺の小宇宙は。まだな」
「それは私も同じだ」
「おいおい、手前はもう終わりじゃねえのかよ」
「それは本来は私の言葉なのだがな」
「面白いぜ、何かどんどん面白くなってきたぜ」
「そうだな」
ここでは二人の言葉の意味は同じであった。
「しかしだ」
「勝つのは自分だって言いたいんだな」
「如何にも。私は八大公の一人」
このことに絶対の自信があるのだった。
「決して負けはしない。何があろうとも」
「それは俺も同じなんだよ。負けるかよ!」
叫びつつ小宇宙をさらに増してきた。それはカナンもまた同じだった。
「喰らえ、この俺の渾身の技をよ!」
「それは私とて同じ」
二人の小宇宙が今最高潮に達した。
「死にやがれ!」
「受けて消えよ!」
互いに力を込めつつ叫ぶ。
「積尸気魂葬破!」
「ブラックエンドライト!」
またしても技と技の衝突が最高潮に達する。それは遂に二人の間で爆発し。全てを赤と黒に包み込んだのであった。
「むっ、これは」
今まで闘いを見守っていただけだったサガが声をあげる。
「小宇宙が消えた。しかもどちらのものも」
デスマスクの小宇宙もカナンのそれも消えてしまっていたのだ。とりわけデスマスクのそれが感じられるサガは顔を顰めさせたのであった。
「まさか。デスマスク」
「おいおい、生憎だけれどよ」
赤と黒の衝撃が消え去った後は白い煙が辺りから立ち起こっていた。その中でデスマスクは何とか戦場に残っていたのであった。
「俺は生きているぜ」
「無事だったか」
「言ったろ?俺は不死身なんだよ」
サガに対してもこの態度は変わらない。
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