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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1430話

『木連の兵士達……そして木連の住人の皆も聞いて下さい。この通信は、木連に所属する全ての者達が見聞き出来るように流しています』

 白鳥が大きな声を上げ、周囲の注目を集めるように白鳥が叫ぶ。
 この映像を見ている者達は、当然木連の人間だ。
 そして木連の住人にとって、優人部隊の中でもエースという扱いの白鳥は色々な意味で有名人だ。
 何だかんだと木連ってメディア戦略が結構上手いんだよな。
 勿論ゲキガンガー風味と呼ぶべきものだが。

『知ってる者も多いでしょうが、現在自分は草壁中将のやり方に異を唱え、そんな自分に同調してくれた優人部隊の者達と共にクーデターに近い事をやっています。正直、現状でこのような行動を取るのは愚策である。そう思っている者が多いというのも知っていますし、自分もそう思っています。ですが……それでも、現在行動を起こさなければ木連に未来は存在しません! 何故なら、草壁中将は現在地球で行われている内乱のうち、賊軍と呼ばれている勢力に協力をしようとしているからです!』

 それは、間違いのない事実だ。
 ……まぁ、もしシャドウミラーという存在がこの世界に存在しないのであれば、それでも良かったのだろう。
 賊軍の戦力はそれなりに多く、討伐軍と比べても決して劣っている訳ではない。
 そこに木連が協力すれば、勝つ事はそれ程難しくはなかっただろう。
 シャドウミラーという要素が存在しなければ、だが。
 にしても、自分か。いつもは私って言ってたと思うんだが……恐らくこの演説用に無理矢理一人称を変えたのだろう。

『ここで、軍上層部がひた隠しにしてきた映像をお見せしましょう』

 白鳥の言葉と共に流れた映像は、火星でネルガルの研究所へと襲い掛かって来た木連の無人兵器を俺達が蹂躙している光景。
 火星のネルガル研究所での戦いという事は、当然木連の新兵器でもあったヤンマの姿も見られるが……そのヤンマは、シャドウにグラビティブラストを撃ち込むが、シャドウはその一撃を正面から受けても全くの無傷のままだ。
 これって、もしかして俺がシャドウにグラビティブラストを受けてみろって言った件か?
 この映像を見る限り、それは間違っていないと思う。
 そして最強の攻撃をあっさりと防がれたヤンマは、次の瞬間にはあっさりとその艦体を爆発光で包み込まれる。
 うん? あの艦って爆発したか? だとすれば別の艦? まぁ、どっちでもいいけど。

『見ましたか? ご覧の通り、草壁中将が敵対しようとしている相手は、これだけの戦力を持っているのです。それも、我が軍の最新鋭艦を破壊したのは敵のエースという訳ではなく、我々で言う虫型戦闘機のような存在です』

 それはちょっと違うんだけどな。
 白鳥が言う、虫型戦闘機械……いわゆるバッタと同じような種別となると、どちらかと言えばメギロートだろう。
 まぁ、だからといってシャドウが何になるのかと言われれば、答える言葉は持たないんだが。
 敢えて言うなら、ヤンマとかそっち系統か?

『この相手は、この人型戦闘機械を大量に保持しています。……正直に言いましょう。もしこの勢力、シャドウミラーと戦えば私達に勝ち目はありません。また、シャドウミラーという名前に聞き覚えのある人もいるでしょう。そう、彼等はここ暫く私達に食料を輸出してくれている国家です。私達の食糧事情が決して良いものではないと知り、それに対して貿易をしてくれている国です。草壁中将は、そんな恩のある国に対して裏切りを働こうとしているのです。しかも今の映像を見れば分かる通り、決定的なまでにこちらの敗北が決まっている道を、です。そして……』

 そこで白鳥は言葉を止め、再び映像が流れる。 
 それは、グリューノが死ぬ時の映像だ。
 そう、命を以て罪を償うと告げた、その時の映像。

『見て貰ったように、向こうの最高司令官は自らの命を以て木連への謝罪としました。自分が生き残る手段があったにも関わらず、です』

 あの映像は木連の方にも流れていたが、それでも軍部で止まっていた。
 一般市民は見てなかったのだ。
 勿論、その映像を見た者から他の者達に言葉で説明されたりしたらしいし、他にもどんな手段を使ったのかは分からないがその映像をコピーしたような奴もいたらしいが……それはあくまでも少数派だ。
 グリューノの映像を見たのはこれが初めてだという者の方が圧倒的に多いだろう。

『シャドウミラーへの義だけではありません。こうして地球の軍隊の総司令官までもが謝罪をしている以上、こちらとしても一定の譲歩をしてもいいのではないでしょうか? そもそも、戦いになればシャドウミラーという国家を相手に負ける可能性が低くはない以上、地球との和平を考えてもいい筈です』

 白鳥の言葉に、映像モニタに映し出されている街中にある避難所の一般市民が驚いている様子が映し出される。
 ……現在街中では白鳥達の軍と草壁の軍がぶつかり合っているので、とてもではないが外に出られはしないんだよな。
 だからこそ、こうして避難所……シェルターに集まっている訳で。

『そもそも、草壁中将が協力をしようとしている賊軍も地球の勢力です。それどころか、数々の罪を犯した者が多く集まっている、まさに賊軍と呼ばれるに相応しい集団。……そんな集団に協力したいと思いますか? 木連としての誇りがあるのであれば、決してそんな真似は出来ないでしょう』

 賊軍について告げる白鳥の様子は、こうして見ると非常に説得力があるように思える。
 まぁ、賊軍の中心人物が色々後ろ暗いところがあるのも事実なのだから、白鳥の言葉は決して嘘ばかりという訳ではない。
 特に賊軍の中でもそれなりに大きな勢力だろう元ネルガル社長のサワガサキ――討伐軍が結成された段階で首になっている――なんかは、木連にとって絶対に許せるような性格じゃないし。

『また、草壁中将は私を暗殺する為に、こうして刺客すらも送ってきました』

 映像モニタに北辰や6人の笠の男が映し出される。
 笠の男が1人増えているのは、桜咲が捕らえた奴を引き渡した為だ。

『草壁中将は自分が後ろ暗い事をしているという自覚があるのでしょう。だからこそ、こうして暗殺という手段に出たのです。木連の軍人として、このような事になるとは思ってはいなかったのですが……残念です』

 そう告げる白鳥の様子を見る限り、本気で悲しんでいるようにしか見えなかった。
 いや、実際悲しんでいるのは間違いないんだろう。草壁を信頼していたというのは、間違いのない事実なのだから。
 北辰達のような裏の存在は、普通であれば許容される。だが、この木連はとてもではないが普通と呼べる国ではない。
 ゲキガンガーが聖典として存在しているだけに、北辰のような裏の存在は基本的に嫌悪される。
 ゲキガンガーがいわゆる、普通の戦争アニメであればその辺は変わったのかもしれないが……この辺は運だよな。まさか火星を脱出する時にゲキガンガーしか娯楽作品がないというのはどうしようもないんだし。
 ただ、このまま白鳥達がクーデターを成功させても、今の木連のままだといずれ頭打ちになる筈だ。
 ゲキガンガーを好むのは別に構わないが、問題なのはゲキガンガーを国策に繁栄させるような真似をしない事だろう。
 それこそ、今回の北辰のような存在は、国を運営していく上で必須なのだから。
 草壁の失敗は、北辰のような存在を許容出来るような世論に持っていかなかった……行けなかった事か。
 いや、それが非常に難しいというのは理解しているんだが、それでも草壁にとってその辺は致命的だった。
 まぁ、黙っていれば問題ないと、そう判断したのかもしれないが。
 実際に今までは問題なかったのだから、その判断は決して間違っているという訳ではない。
 草壁にとって不運だったのは、シャドウミラーという存在が既に木連の内部に入っており、白鳥達に接触した事。
 ……何より、シャドウミラーのメンバーが俺だけではなく、桜咲のような存在がいたというのも大きい。

『ゲキガン魂。それを自分に教えてくれた友……それこそ親しい友達と書いての親友ではなく、心の友と書いての心友がいます。それは、草壁閣下が協力しようとしている賊軍ではなく、先程のグリューノ総司令が……そして現在はミスマル提督という人物が率いている討伐軍に属している人です。そう、地球にもゲキガンガーを愛する人物はいるのです! 我々木連の人間と心を通わせられるような、そんな人物が!』

 恐らく白鳥のこの言葉を聞いた者達は、驚愕してるんだろう。
 それも無理はない。木連にとってゲキガンガーというのはそれ程までに特別な存在なのだから。
 だが……それ以上の力というものも白鳥の演説の中には存在していた。

『だからこそ……だからこそ、私は草壁中将へと問いたい。果たして貴方の選んでいる道が正しいのかと。木連に敗北への道を進ませる事が貴方のやりたい事なのかと! ……そして、何故そんな貴方に意見を具申した元一朗……月臣元一朗を、このような者達を使って暗殺しようとしたのかと!』

 その言葉と共に映し出されたのは、月臣を殺そうとしている笠の男。そして間一髪のところで桜咲が間に入り、笠の男の刃を受け止める。
 刀と大太刀。言葉にすれば違いは殆どないが、実際にはその長さは大きく違う。
 部屋の中で戦うような場合、その長さが取り回しに大きく影響してくる。
 それが普通なのだが……神鳴流の使い手である桜咲にそんな一般常識を期待するのが間違っていた。
 狭い部屋の中だというのに、桜咲は大太刀を器用に使って笠の男の攻撃を防いでいく。そして跳躍すると太股の内側で相手の顔を挟み込み……次の瞬間その場で一回転して笠の男を床へと叩きつけ、気絶させた。
 ……うわぁ。何と言うか、うわぁ……としか言いようがないな。
 あの笠の男、最終的に捕らえられはしたけど、何だかんだといい思いをしてるんだな。
 まぁ、そのいい思いを味わう時間がほんの僅かしかなかったというのは、色々と可哀相だが。
 何しろ現在の桜咲は凜々しい系の美人だ。スレンダーというか胸は小さいので巨乳派には人気はないが、美脚派には人気がある。
 そして何より、この映像を見ているのは木連の人間だ。
 ゲキガンガー好きの面子にとって、大太刀を振るって月臣を守っている桜咲はどんな風に見えるのか……それは考えるまでもないだろう。
 しかも生身でファンタジー系の技――雷を落としたり――出来るんだから、木連の人間に好かれない訳がない。

『ご覧の通りです。幸い元一朗は、ここに映し出されているシャドウミラーの桜咲刹那さんのおかげで無事でしたが、草壁中将は自分に意見をしてきた相手を都合が悪いからといった具合で殺すような真似をする人物なのです。自分は……自分は今まで草壁中将の下にいましたが、彼を信頼し、慕ってきました。それがこのような事になるとは……正直残念な気持ちで一杯です』

 それこそ心の底から残念そうに呟く白鳥。
 自分が慕っていた上官が、自分を裏切って殺そうとした。そんな思いが滲み出ている。
 この映像を見た者がどんな風に思うか……正確には分からないが、それでも木連の人間が大部分同情的になるのは間違いない。

『草壁中将! この映像を見ているのであれば、大人しく降伏して下さい! このまま同胞同士で争っていても、それは意味がありません! また、草壁中将には戦力的な問題もある筈です。既に報告が届いていると思いますが、虫型戦闘機械を含む生産プラントのうち、7割程をこちらで確保しています。今はまだいいですが、長期戦になれば間違いなく草壁中将の方が不利になるでしょう。だからこそ、今のうちに……まだ戦闘が始まってからそれ程経っていない今のうちに名誉ある降伏を! 同胞同士で争うといった悲しい真似は止めにしましょう』

 生産プラントの7割。これがどれ程の意味を持っているのかというのは、恐らく草壁が一番分かっているだろう。
 それこそ向こうにとっては致命的な被害だという事も。
 何しろ生産プラントの殆どをこっちが確保したとなると、向こうは新たに兵器を生産出来ないのだから。
 無人機同士が争えば、同じような性能だけに当然消耗戦となる。
 そして回復の速度は明らかにこちらが上なのだ。
 草壁が勝つ方法としては、持久戦に持ち込ませないで現在所有している無人機を使って一気にこっちを攻め落とすしかないが……シャドウミラーがいる状況でそんな真似が出来る筈もない。
 つまり、現時点で草壁は詰んでいるという事になる。
 草壁も、それが分かっているからこそこうして言われ放題になりながらも反撃してこないのだろう。
 メディアを使った情報戦をやってもよさそうなものだが、今の草壁にそんなつもりはないらしい。
 向こうが何を考えているのかは分からないが、現状では一方的にこっちが有利となる。
 そして……白鳥の映像が流されてから数時間後、草壁はどこへともなく姿を消したのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1208 
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