ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
進路指導のウィザード
魔法使いとの契約について(2)
「ルフェイにゲオルグ、今の魔法使いの契約はまず書類選考からなのか?魔法陣から落ちてくる書類には履歴書のようだが」
「そうですね。顔写真や肖像画がありまして、一誠さんには読めませんが悪魔文字や魔術文字が書かれています。分かりやすく言うとアピール文が書かれていて、経歴や家柄などが記されています」
「昔なら兎も角、今の悪魔に対する魔法使いの契約は書類選考から始まるんだよ。その後の選考、決定仕様は悪魔らに委ねられていて就職活動ならぬ契約活動と言えば分かるかな。一誠」
「なるほど、現代の魔法使いはそれが主流なのか。説明ありがとう、お陰で俺やヴァーリらも理解したからな。昔なら抜け駆けを目指す契約合戦していたそうで、血に塗れた時代があったらしい」
二人の魔法使いからの説明により理解したが、山盛りの書類を抱えて悪魔との契約を巡った魔法使い同士の戦を思い出していた。ま、力のある悪魔との契約はステータスであり生涯の経歴として意味合いを持っているかもしれん。書類の山を指名者ごとに仕分けされていたが、一番はリアスだがこれは当然の結果だろう。
「グレモリー眷属『王』だし、リアスと契約しておけば眷属のアイツらを動かせるかもな」
「うん僕もそう思ったし、グレモリー家と懇意出来る可能性も含まれるからね」
「『グレモリー眷属』と言うカテゴリーだと、一番はリアスさんになるのは当たり前かと」
「何だか俺の言うセリフ全部言われちまったが、リアスが一番人気なのは当たり前とも言える。それ故、リアスが選ぶ相手は慎重かつ強力な魔法使いでなければならん」
アザゼルの言う通りで本来のセリフを掻っ攫った俺らだが、リアスも分かっているのかじっくりと選抜時間もあると同じ事を考えていたようだな。名のある相手じゃないと釣り合わんと思うし、次に多いのはロスヴァイセだけど魔法の使い手。
「なるほど、魔法を研究する上で私の北欧で得た知識・・・・世界樹ユグドラシルに関する物を欲したのでしょうね」
「北欧神話の真実やら知識を得たい魔法使いが多いんだと思うぜ、それに悪魔でヴァルキリーと言うのはレアだと思うな」
ま、ロスヴァイセは悪魔だけど半神である元ヴァルキリーだからかも。アザゼルも同じように頷いていたが、半神が眷属入りと言うのはなかなか無いのかもしれん。で、次に多かったのはアーシア。全種族関係なく治療出来ちまう神器を持っている悪魔は、今の所アーシアぐらいだろうが俺ら黒神にもいるけどな。
「・・・・こ、こんなに沢山の書類を頂ける何て・・・・私で本当にいいのでしょうか?」
「恐縮してるけどさ、回復と言う能力はメリットがとてつもなく大きい。何処の時代、何処の誰でも癒しの力と言うのは究極テーマの一つだったはずだっけか?メフィスト」
『うむ。キミと契約を結び、回復の恩恵を受ける。それを使って、富を得る事も容易に可能だからね。癒しの力を求める魔法使いとの契約は大きいし、儲け話やら如何なる取引も可能だろう』
俺はメフィストに聞くとそう返ってきたので、改めてアーシアに相手は慎重に選ぶ事を告げてから自分がこんなに多く求められていると再確認した。善も居れば悪もいる魔法使いだからか、俺は一応メフィストに聞いてみた。
「メフィスト、一応聞くが非道な輩はいないよな?」
『いないよ。僕達協会が人選した者達だし、非道な輩が居たとしても兵藤様の心眼があれば一発で見抜くだろうね』
「まあな。非道な輩が近付いて来たら無言で殴り飛ばすさ」
「心配しなくとも私や朱乃も相談に乗るから、下手な交渉はしないわ」
リアスは兎も角、朱乃はハイブリッド・ピースなので相談事を報告してもらう義務がある。グレモリーの『王』と『女王』が付いていたとしても、良い契約が結ばれるのは最終的にアーシアが決める事だ。
書類の多さだとリアス→ロスヴァイセ→アーシアのベスト3で、その次が祐斗→朱乃→ゼノヴィア→白音→ギャスパーと言う結果となったがコイツらのオファー具合を見た俺らは率直な感想を言う。
「一番は『王』であるリアスだと言うのは予想したし、リアスと契約出来れば一気にお前らも引き出せると思う魔法使いが大勢だな。魔法の使い手ロスヴァイセ・『聖母の微笑』を持つアーシア・聖魔剣の祐斗・バラキエルの娘である朱乃・聖剣使いのゼノヴィア、ここまでは指名率が高いだろう」
「その通りだが朱乃と小猫はハイブリッド・ピースを持っているから、力はグレモリーよりも強力だが隠しているから問題ねえだろう。己の力を隠しているギャスパーもだが、小猫も少ないけどCB流で言えば量より質で勝っている」
「まあな。俺の許可のみ使える力を隠し持っている朱乃と白音だが、リアス達を指名した連中の大半が雑兵だろう。書類の山を見ただけでも光る原石=魔法使いなど、数える程しかいないと思うぜ」
『ハハハ、兵藤様の仰る通り光る原石と言うのは、指で数える程度で大半は雑兵さ。天界・冥界に太いパイプ持ちである兵藤様への指名率は老若男女多かったし、天使長・四大魔王・総督のトップとは飲み友達だけでもデカいけどね。黒神の「王」より創造神黒鐵と契約したいと言う者がほとんどだろう』
ギャスパーも表裏で違うし、白音も本気を出していないから書類の量は少なくとも若い子らはステータスも重視するが業界内の体裁を気にする。エレガントではない者に関して手厳しいし、人気が俗すぎると判断したかもしれん。文化と価値観の違いだが、本筋である『おっぱいドラゴン』で流行る冥界の方が可笑しいわ。
『そのような訳で、今回の書類は全部送らせてもらったよ。目ぼしい子がいたら、連絡を頂けると有難いねぇ』
「今回?と言う事はまたあるのか」
魔法使い業界には知らないので代わりにルフェイらが答えてくれたが、今回で決まるとは限らないらしい。仮契約結んだとしても魔法使いが悪魔のように長生き、永遠に等しい時間を生き続けられる訳がない。今回良い相手がいないとまた新たに書類を貰う事となるし、契約完了後に相手が寿命や事故で亡くなればフリーとなり新規契約ともなる。
「なるほど、契約したとしても期間限定の場合もあると言う事か。相手の都合により一年契約や対価の支払いが出来なくなって解約してしまう可能性もあると言う事ね」
『そう言う事だよ、その辺りは蒼い翼営業部と変わらないけどね。それよりそちらの人はフェニックス家の者かな』
「はい。黒神眷属兼CB所属のレイヴェル・フェニックスと申します」
『既に黒神入りとは戦力増強なのかは置いといて、これはウチと蒼い翼に届いている極秘情報何だけど「もしかして『禍の団』関連か?」うむ、どうも「はぐれ魔術師」一団が「禍の団」所属の魔法使い残党と手を組んでフェニックス関係者に接触事例が相次いでいる』
「フェニックスの涙が裏でテロリストに流通された事か?一部卸業者が裏取引していたようだが、アレは既に粛清されたはずだが他にもありそうな口だな」
『その通りで裏マーケットで「フェニックス家」産ではない涙が新たなに売買されているだよ。それもフェニックス家と兵藤様が創った涙ではない代物でね』
俺が創った涙でもなくフェニックス家のでもないとすると、偽物か効果の無い代物だが純正に等しい効果を示す涙が裏流通されている。メフィストの手には小瓶があるんで心眼発動中、成分分析していたら結果として本物と同じだと理解した。
「その小瓶は間違いなく涙だが、フェニックス産と蒼い翼産ではない涙が流通している。それに関して報告で聞いていたが、呼応するようにはぐれ術者達がフェニックス関係者と接触してるな。レイヴェルも対象人物となるが、最強の護衛がいるから安心しとけレイヴェル」
「一誠様、それに私には黒神眷属と言う強い絆がありますしやっと表舞台に立てたルシファー様もいるので安心してます」
「私達もそうだけど、人間界本家は強固な結界を張っているから来ようとしても弾かれるだけよ」
「俺もグリゴリでどうなってるか聞いてみるが、三大勢力の同盟関係にあるこの周辺は人間界本家より弱いが結界を張っている。早々侵入されたとしても問題はないが、一つ気になる事は『禍の団』の残党らを纏めようとする輩が存在する。旧魔王派と英雄派の残党、陰に隠れた魔法使い共をな。ソイツが実質的な現トップ、詳細情報についてはこれからだが嫌な予感がする。奴らの戦力は破滅の一途、戦力減少の歯止めが利かない状態で何をするかは分からんさ」
『兵藤様やアザゼルの言う通りでもあるが、兵藤様に是非お伝えしたい事がございますので私がいる所まで来てはくれませんか?』
一瞬何の事だ?と思いきや、次元パトロール隊からの秘匿通信が来たとの報告があった。俺は通信機を耳にハメてからメフィストがいる場所まで空間切断で向かい、魔法陣で写っているのは俺とメフィストとなっているが音だけは聞こえないようにな。メフィストがいる場所は次元パトロール隊専用通信室、人間界本家と次元の狭間本家にいる仲間らにもコンディションイエローとして待機。
「織斑様、来て頂いたのは他ではありません。先程外史にて魔法協会からSOSが来ました」
「魔法協会からのSOSか、魔法系の外史は一つしか思いつかんが主に何が起きた?」
「単純に言えばドウターが攻めてきたと。現在葵学園の生徒や軍隊が防衛に当たっていますが、あそこの人間には魔法回数がありますので時間が経つ程状況は困難になります」
「了解した。これより次元パトロール隊第0課は魔法外史にて、対ドウター戦に行く。月中基地本部『既に発進準備は終わらせております』ならば足の早いエターナルを先に行かせるように。キラとアスランで露払いをしておけと言っておけ『了解しました』俺らは少し遅れるからな」
人間界本家と次元の狭間本家にいる恋姫・大江戸・ISの各チームとブラック・シャーク隊は、戦闘服に着替えて待機していたがコンディションレッド発令後すぐにトレミー3番艦に乗艦。日本支部にいる男性隊員と劉零副長は格納庫と繋がっている部屋へと集合、今回MSに乗る為パイロットスーツを着てもらった。あとは俺がブリッジに行き、発進するまでとなった。
「では俺はあちらに戻るが、アイツらには知らせるなよ?メフィスト」
「承知しておりますよ。この事はいくら三大勢力と同盟しているとはいえ、ソレスタルビーイングとはまだ同盟してませんしね。次元パトロール隊に関して僕から言う訳にはいきませんから」
「何か言われたら極秘を貫き通せよ、では俺は行く」
「異世界を頼みます、次元パトロール隊織斑総司令官」
一方グレモリー眷属と黒神眷属らは何を話しているか聞こえないので、しばらく様子見していたが一誠の様子から見て何かあったのは間違いなさそうだ。すると話が終えたのかこちらに戻ってきた一誠は、無言のまま部室を出てから通信機を使い誰かと話している様子を見た俺達。
「お、おい一誠。何処に行くんだ!」
「皆、一誠を追い掛けましょう」
『了解』
無言となって部室を出て行く一ちゃんと追い掛けるように出て行くルシファー、ヴァーリ、シーグヴァイラ、レイヴェル、ルフェイ、ゲオルグは後を追った。残ったのはグレモリー眷属とアザゼルと魔法陣越しのメフィストだけ。
「メフィスト、一体一ちゃんと何話してたんだ?」
『極秘です。私と兵藤様だけのね』
「三大勢力は同盟しているから教えてくれてもいいんじゃんか」
『兵藤様・・・・いや織斑様の所とは別勢力だと伺っているから、まだ友好同盟はしてないのでは?と言う事で僕は失礼させてもらうよ、ウチの魔法使いをよろしく頼むけど良い契約が叶う事を願わせてもらいたいね』
そう言ってメフィストは消えたが、魔法使いの協会理事との会談終了と共にフェニックスや送られてきた書類も気になるが俺は一ちゃんとの関係についてすぐに分かった上で小型魔法陣を使った通信をしようとしていた。
「そう言えばそうだったな。三大勢力の和平前は仲介役だったし、今では別勢力の長として正式に同盟してなかったからメフィストでも言えない事があったのか」
「・・・・恐らく私や朱乃さんでさえ知らない組織として行ったんだと思います」
「蒼い翼でもCBでもなさそうだし、他にも組織があると言うのは母様にも聞いてませんわ」
通信相手は天使長ミカエル・現四大魔王の一人であるサーゼクス・堕天使副総督のシェムハザ、しばらくすると三つの小型魔法陣がアザゼルの前にて立体映像として浮かんだ。ちなみにリアス達も気になる様子。
「通信で悪いな、ミカエル、サーゼクス、シェムハザ」
『どうしたんだね、おやそこにいるのはリアスじゃないか』
『で、何か用ですか?』
「ああ。一ちゃんの勢力と正式に同盟をしたいと思ってな。俺達が和平前は仲介役だったが、今は違うだろ?
『そう言えばそうでしね。和平前から同盟したいと考えていましたが、まさかアザゼルから提案するとは』
『ではこちらからセラフォルーに頼むけど・・・・今すぐそちらに行かせようにも一誠君がいないみたいだね』
「今は無理だ。一ちゃんがメフィストと密談後、黙って部室を出て行ってしまったから明日の放課後にしないか。それとあそこに行きたくはないか?」
『あそことはもしかして「アース」に行きたいとでも言うのでは?』
「そのまさかさ。未だに招待状が来ないのなら、こちら側から言った方が良いと思ってな。サーゼクスとミカエルも気になると思ってな」
『無論だ。蒼い翼冥界支社がある場所は行ったが、一誠君が創造した地球全て行ってみたいと思う。そちらはどうかな、ミカエル』
『私も気にはなっていた所ですから、こちらからはガブリエルに使者として行ってもらいましょう』
「シェムハザはどうだ?」
『私も行ってみたいと思っていた所ですが、使者は私が行きましょう。アザゼルだとヘマしますから』
「ヘマするかよ、と言う事で明日の放課後に一ちゃんの教室に集合な」
そう言ってアザゼルは通信用魔法陣を消したが、リアス達も気にはなっていたらしい。創造した地球『アース』や『魔』にも行ってみたいリアス達だったが、アザゼルだけは部室を出て行く様子を考えていた。もしや異世界で何かあったのか?と思っても行くアテがないので明日に控える事となった。
ページ上へ戻る