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Blue Rose

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第二十一話 海と坂道の中でその七

「知ってるよね、餃子も」
「はい、中国では主食ですよね」
「水餃子は特にね」
「北の方では水餃子がメインでしたね」
「そうだよ、ここでも水餃子美味しいお店あるよ」
「そうなんですか」
「僕達が注文したのは焼き餃子だけれど」
 日本では一番メジャーな餃子だろうか。
「焼き餃子は実はね」
「学校の中国からの留学生の子がよく言います」
「焼き餃子は主流じゃないんだよね」
「中国では」
「北は水餃子でね」
「主食ですね」
「それで南は蒸し餃子だよ」
 こちらに餃子になるのだ。
「飲茶で食べるね」
「そっちの餃子ですね」
「お酒やお茶を飲みながら楽しむんだ」
「そうした餃子で」
「焼き餃子は東北の方だけだよ」
「昔の満州ですね」
「うん、昔は日本人があそこに移住していたからね」
 第二次世界大戦が終わるまでだ、満州国という国を興してそのうえで関東軍も入り大々的に開拓と開発もしていた。
「そこで知ったんだよ」
「東北だけですね」
「焼き餃子はね」
「そうらしいですね」
「日本では主流になったけれどね」
 その東北の餃子がだ。
「中国では基本はどっちかだね」
「水餃子か蒸し餃子ですね」
「それで蒸し餃子は飲茶だけれど」
「水餃子や焼き餃子はですね」
「主食だよ」
 そちらになるというのだ。
「だから主食と主食はね」
「おかしな組み合わせですね」
「西日本以外ではね」
「そうなんですね」
「あとね」
 岡島はちゃんぽん、太い麺の豚骨スープで上には具がこれでもかと乗せられて丼を埋めん限りのそれを食べつつ言った。
「お饅頭も主食だね」
「はい、中国では」
「麺類もね」
「そうですよね」
「麦はね」
 この穀物で作った料理自体がというのだ。
「主食だよ」
「そうですよね」
「そう、日本人の主食は何といってもお米だね」
「はい、そうですよね」
「それはもう普遍のことというか」
「日本人に定着してますね」
「そうなってるよ」
 まさにというのだ。
「だから僕達はここでは」
「炒飯が主食ですね」
「そう思ってるね」
「実際にそうですよね」
「うん、その認識だね」
「パンは主食ですけれど」
 こちらはだ、優花もこう認識している。
「けれど」
「それでもですね」
「うん、御飯が主食だよ」
「あくまでそうですよね」
「西日本の感覚ではね」
 こう二人で話すのだった、そして。
 そうした話をしながらだった、二人でちゃんぽん等を食べていく。優花は一通り食べてそれから岡島に言った。
「確かに美味しいですね」
「このお店のちゃんぽんはね」
「コシがあってスープの味もいいですね」
「具もいいね」
「はい、お野菜も一杯あって」
「そのお野菜も味がよくてね」
「いいですね」
 優花はさらに言った。 
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