能力者たちが事件を起こしたり解決したりするようです
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第九話 霊遥葵さんは今日もボロボロ
速水は走って、星雅はバイクで例の霊遥葵が消えた地点へと向かう
「もう少しだ、気合入れてけよ星雅!
「わかってますよ...たまさんがやられる相手だ、相応の覚悟はしてます」
十数秒ほど走ると目的地が見えてくる、だがそこには水柱を叩きつけられ水の球体に閉じ込められる霊遥葵の姿だった、よく見ると人を背負っている
「まずい、先行くぞ!」
速水は一人先に霊遥葵がいる場所へ向かっていった
それと同時に水の槍が現れそのすぐ後に星雅が到着する
それと同時に水を操っているであろう蒼い髪の男は槍を放とうとする
が、槍は空中で形が崩れ蒼髪の男の前に障壁のように貼られる
瞬間、障壁に速水は空中にはじかれる
それと同時に星雅は跳び霊遥葵を縛っている水球を巨大な真紅の鎌で切り裂く
そして速水は空中で受身を取り綺麗に着地する
「…素晴らしい反応、そして察知能力だ。もし俺一人だったらあの人を救出出来なかっただろう」
蒼髪の男は突然現れた彼を忌々しく睨みつけ
「異能警察か」
と、問いかける
「ご名答♪」
そうニコリと笑う
「貴様は…速水風真、そしてもう一人は操血鬼の神成樹星雅だな」
「おや、俺達の事を知っていたのか」
依然ニコニコ笑いながらその場に佇む
「…貴様等の相手をするのは魅力的だが、奴を殺すことの邪魔をするのはやめてもらいたい…もっとも」
「関係ない、見てみろ、あいつらのどちらかは今、死ぬ」
蒼髪の男に促され速水は空中に居る二人の姿を見る
星雅と霊遥葵は未だに宙に浮いている
その周りに漂っている弾けていた水が数匹の龍の首を象る
「…物量に状況だ。操血鬼の選択次第で両方死ぬ」
星雅だけならば攻撃を弾くことなど簡単であろう
だがまだ空中には霊遥葵ともう一人背負っている人が居る
星雅が急速落下しようとも霊遥葵より地面に着くのは無理だろう
星雅の行動しだいによっては...いやどのような行動を取ろうとも霊遥葵は地面に叩きつけられるか水龍に噛み千切られるであろう
「…なるほど、確かに、高さが高さだ。あんなんじゃ死なないにしても手遅れになる。だけど、少し浅いんじゃないか?」
速水の不敵な笑みに蒼髪の男は首をかしげる
「何?」
星雅は霊遥葵達など一切気にせず文字通り次々と湧き出てくる水龍を血液の鎌で引き裂きねじ伏せていく
「馬鹿が、奴のタフさにでも賭けたのか?既に致死量の血を流失しているんだ。仮に赤玉をクッションにしたとしても衝撃は免れない」
地面に急速落下している霊遥葵達を見ながらも速水の不敵な笑みは消えない
「…一人だったら救出は無理だった」
そう言ってピンと指を1本立てる
「その為に二人…そして」
その指の2本目を立て
霊遥葵の最期を見ていた蒼髪の男は目を見開き、驚嘆の声をあげる
「地面が開いて…!?まさか…!」
霊遥葵達が地面に直撃する寸前、突然地面に現れた扉
そして霊遥葵達が入ると同時に閉じ、何も無かったかのように元通りになる
最後に三本目の指を立てる
「三人目でようやく…ここから逃がす事が出来る」
すかさず速水はナイフを抜き蒼髪の男に刃を構え突撃する
「我は...」
蒼髪の男の周囲に展開された水壁が突如歪み、速水ごと弾いた
速水は弾き飛ばされながらも空中で受身をとり地面に着地する
同時に星雅も着地し並んだ星雅と速水は須佐之男に各々の刃を向ける
「我は… 建速須佐之男也…」
建速須佐之男はゆっくりと面を上げる...
「貴様等の 命試させてもらおう!!」
新しいおもちゃを見つけた猫のように獰猛な笑みを浮かべる
叫びとともに野太刀を構え周囲にぶちまけられた水が須佐之男の周りを取り囲む
「往くぞ、強きものどもよ、我を楽しませろ!!」
「んじゃぁ星雅、お前は少し待ってろ」
「途中で交代してくださいよ?」
「わぁーったよ、お楽しみは...俺からだ!」
後書き
P5までには書き上げるって考えてた俺が悪かったよ...
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