英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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外伝~工匠姉妹の未来~
~メルカバ玖号機・甲板~
「あ、ああ。さっきまでティオやノエルと話していたから全然待っていなかったよ。」
近づいてきたセティ達にロイドは答え
「え………」
「ティオさんとノエルさんと……ですか………?」
「もしかして告白~?」
ロイドの答えを聞いたセティは呆け、エリナは驚いて尋ね、シャマーラはからかいの表情で尋ね
「そ、そういうのじゃないから!ティオは近い内俺と共に両親に会って何故自分がクロスベルに残るかを説明して欲しいっていう頼みだし、ノエルはゼムリア大陸の状況が落ち着くまで認識タグを預かっていて欲しいって言う話だったし!」
「「「………………………」」」
慌てた表情で言ったロイドの言葉を聞いたセティ達は黙り込んだ後お互いの顔を見合わせ
(既にお二人が動いていたとは……)
(あたし達、出遅れちゃったね~。)
(フフ、別にいいではないですか。何番目とかそんなのは気にしない事にしたでしょう?)
エリナは驚きの表情で、シャマーラは疲れた表情で、セティは微笑みながらそれぞれ小声で言った。
「???えっと……話があるって聞いたけど………」
3人の様子を見て不思議そうな表情をしたロイドは3人を見つめて話しかけた。
「そうでした。………―――――今までお世話になったロイドさんには私達の今後の事を教えておこうと思いまして。」
「今後の事?」
セティの言葉を聞いたロイドは不思議そうな表情をし
「……キーアを取り返した後の事です。」
「あ………やっぱり故郷に帰るのか?」
静かな表情で呟いたエリナの言葉を聞いたロイドは驚いた後複雑そうな表情で尋ねた。
「えへへ……そんな訳ないよ!あたし達はあたし達が決めた未来の為に”匠貴”になったんだから!」
ロイドの質問を聞いたシャマーラは無邪気な笑顔を浮かべて言い
「未来??」
ロイドは首を傾げた。
「――――元々こちらに来てから色々な人々と出会い………そしてロイドさん達と出会って姉妹で相談して決めたんです。」
「―――”工匠”の技術をこの世界にも広め、ゼムリア大陸中に住む人々の暮らしを豊かにする事です。」
「そうしたら形は違えどロイドさん達と一緒にいれるしね♪」
「ええっ!?」
セティとエリナ、シャマーラの説明を聞いたロイドは驚いたが
「……………ハハ、そうか………凄いな、3人共………そんな凄い未来を考えるなんて……………」
すぐに気を取り直して静かな笑みを浮かべて答えた。
「フフ、ロイドさんと出会わなければこんな事、考えもしませんでしたし、思いつきもしませんでしたよ?」
その時セティは微笑みながら答え
「へ?俺??」
ロイドは首を傾げた。
「………きっとロイドさんと出会わなければ、私達は唯の工匠としてユイドラに住んでいたと思います。ですが………」
「好きな人ができたんだから、その人と一緒の生活を送りたいしね♪」
エリナは静かな笑みを浮かべて呟き、シャマーラは笑顔でロイドを見つめ
「え………ええええええええええええええっ!?ま、まさかそれって……!」
(おおおおおおおおおおおおっ!?次は3人纏めてか!凄すぎるぞ、ロイド!!)
(今日は告白セールの日なのかしらね………………)
シャマーラの言葉を聞いたロイドは声を上げた後口をパクパクさせてセティ達を見つめ、ギレゼルは興奮し、ルファディエルは遠い目をした。
「―――はい。ロイドさん………私……いえ、私達にとって貴方が初恋の人です。」
「鈍感な所も天然な所も全てね♪」
「フフ………私達の心を射止めたのですから責任………取ってくださいね。」
そしてセティ達はそれぞれ頬を赤く染めて微笑みながらロイドを見つめ
「い、いやいやいやっ!?3人共落ち着いて考えてくれ……!俺にはエリィだっているし、3人は領主の娘なんだからいずれウィルさんの後を継ぐのだろう!?」
見つめられたロイドは慌てた様子で言った後必死の表情で尋ねた。
「フフ、ユイドラ領主は世襲制ではなく、”匠貴”の中から選ばれますから、私達が領主にならなくても大丈夫ですよ。」
「……それに父様は”神格者”で寿命は関係ありませんから、ずっと領主をしていられますし、父様と母様達の仲はとてもいいですから、今後たくさんの弟や妹達が産まれてくるでしょう。だからその子達が領主の座を継げばいいだけの話です。」
「後、エリィさんと付き合っているからって誤魔化すのはなしだよ~?あたし達の世界の宗教は重婚を認めているのだから。別にあたし達は何番目のお嫁さんでもいいよ♪」
ロイドの疑問を聞いたセティとエリナは微笑み、シャマーラはからかいの表情で言い
「う”……………」
反論を封じられたロイドは表情を引き攣らせて唸り
「そ、その……………今は正直混乱していて返事が出せなくて………申し訳ないけど答えを出すまで待ってもらってもいいかな?」
そして疲れた表情で答えた。
「ええ、いつまでも待ちますよ。」
「…………ですが、私達の気持ちを伝えた以上、これからは積極的にアピールするつもりですので覚悟していて下さいね?」
「その内ロイドさんの寝こみを襲って、無理やり既成事実を作るかもね♪」
ロイドの答えを聞いたセティ達はそれぞれ微笑み
「ええっ!?」
シャマーラの言葉を聞いたロイドは驚いて声を上げ
「……シャマーラ。」
「全くもう……いくら睡魔の血を引いているとはいえ、さすがにそれは強引すぎでしょう………」
セティとエリナは呆れた表情で言った。
「そうかな?真面目なロイドさんなら既成事実を作っちゃえば責任を取らなければならないって思うだろうから確実な作戦だと思うけど。」
「………確かにロイドさんの性格上、十分にあり得そうですね………」
「かなり悩む所ですね………」
首を傾げて言ったシャマーラの言葉を聞いたセティは苦笑し、エリナは真剣な表情で考え込んだ。
「いやいやいやっ!?そこで悩まないでくれよっ!?そんな事になったらマズすぎるし、何よりもっと自分達の身を大切にしてくれよ!?」
一方ロイドが慌てた様子で声を上げた。
「フフ……ロイドさん。一つだけいいことを教えてあげましょう。女性は好きな人の為なら時には大胆になるのですよ?ん……………」
「!!!???」
その時セティは微笑んだ後なんと自分の唇にロイドの唇を押し付け
「あー!セティ姉さんだけズルい!……ちゅ。」
「一人だけぬけがけは卑怯ですよ………ん………」
さらにシャマーラとエリナはロイドの左右の頬にそれぞれ口付けをし
「!!!!?????」
3人に口付けされた状態のロイドは大混乱して固まり
(おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?凄すぎるぞ!これぞハーレムだぜっ!!)
(お願いだから、誰かこの子のこの性格を何とかして……………もう私では無理よ………)
ギレゼルは大興奮し、ルファディエルは頭を抱えて疲れた表情で呟いた。
「フフ、”この先”は私達の想いに答えてくれたらしてあげますね。」
そしてロイドとの口付けを止めてロイドから離れたセティは頬を赤く染めて微笑み
「なんかセティ姉さんの方がよっぽど睡魔っぽい気がするのだけど……」
「た、確かに………」
疲れた表情で言ったシャマーラの言葉を聞いたエリナは苦笑したが
「2人とも、何か言いましたか?」
「「な、何でもありません!!」」
威圧を纏ったセティに微笑まれ、それぞれ慌てて姿勢をただして答えた。
「フフ、それじゃあ今日はこれで失礼しますね。」
「ちなみにあたし達がロイドさんを好きになった理由とか全部父さん達に説明しているよ♪」
「…………父様達はそれぞれいつか必ずロイドさんと会って話すつもりですので、頑張って下さいね。」
そしてセティ達はそれぞれロイドに微笑んだ後ロイドから去って行き
「……………一体どうすればいいんだよ………ハア………」
(自業自得ね。)
(くかかかっ!何を迷う必要がある!?こうなったらもうハーレムルート一直線で落とした奴等全員とヤリまくって孕ませまくればいいだけだろうが!)
セティ達が去った後大量の冷や汗をかいて疲れた表情で溜息を吐いたロイドを見たルファディエルは呆れた表情で呟き、ギレゼルは陽気に笑っていた。
「よ、待たせたな。」
その時ランディがロイドに近づいてきた……………
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