Three Roses
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第十話 またしての崩御その七
「出来ます」
「そうですね」
「だからお二方もですね」
「薔薇を。それぞれの国に」
半島、そして島国にというのだ。
「持って行って欲しいのです」
「セーラ様は黄色、マリア様は白色の」
「いえ、違います」
「私も同じ考えよ」
セーラとマリアはお互いに顔を見合わせてだった、そのうえでロドネイ公に顔を向けてそのうえで答えた。
「薔薇は三色共です」
「持って行きたいと思っているわ」
「ではそれぞれの薔薇だけでなく」
ロドネイ公も二人の姫の言葉を聞いて言った。
「お三方のそれぞれの薔薇をですね」
「そうです、どの色の薔薇もです」
「持って行きたいわ」
「そうですか」
ロドネイ公はここまで聞いて頷いた、そして。
外交を得手としているデューダー卿に顔を向け彼に言った。
「では」
「はい、赤薔薇と白薔薇、黄薔薇を」
「お二方には持って行って頂こう」
「その様に、そして」
「お三方には常に共にあって頂こう」
心、それがというのだ。
「そうして頂こう」
「そうして頂けると有り難いです」
三人の姫は共に言った。
特にマリーは周りの者達にだ、強い声で言った。
「くれぐれもお願いします」
「王宮の薔薇もですね」
「そのままで」
マリーはロドネイ公に答えた。
「私達三人は」
「はい、そして紫の薔薇は」
大司教がマリーに問うた。
「どうされるのですか」
「王の薔薇ですね」
「そうです、その薔薇ですが」
それはというと。
「一体」
「叔父上とお話しようと考えていますが」
「では」
「はい、紫の薔薇はです」
大司教に顔を向けて答えた。
「王子にと考えています」
「そうですか」
「はい、王が父上に頂いた薔薇ですが」
「その薔薇をですね」
「あの薔薇は次の王になられるからこその薔薇」
「王の薔薇ですね」
「ですから」
そうした薔薇であることというのだ。
「私はその薔薇を王子にと考えています」
「わかりました、では」
「それでいいですね」
「宜しいかと」
大司教だけでなくだ、ロドネイ公それにデューダー卿、キャスリング卿も頷いた。皆マリーの前に恭しく集まっている。
「それで」
「では叔父上にお話してみます」
「左様に」
「私達の薔薇は常にあり」
三人のそれぞれの薔薇はというのだ。
「そしてです」
「それと共にですね」
「そうです、それに」
さらにと言うのだった。
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