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Fate/LylicalLiner

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無印編
  第2話 2人の魔法少女/崩れ始めた日常

Side イリヤ


なのはとユーノ、二人と一匹でユーノの一族が発掘したという魔力のこもった宝石《ジュエルシード》を集め始めて数日、順調に5つ回収したのは良いんだけど、私もなのはも連日の深夜の探索で疲れていた。
今朝なんか寝ぼけてお姉ちゃんを押し倒しちゃったし・・・。
そして、今はサッカーの応援も、そのあとの祝勝会も終わり、帰っている途中だった。
背筋に、嫌な感触が走る。
カバンの中からルビーが飛び出してくる。
「ジュエルシードが発動しようとしているみたいですねぇ。」
「うん・・・なのは!ユーノ!」
「わかってる!レイジングハート!お願い!」
「《StandbyReady》」
「ルビー!鏡界回廊最大展開(コンパクトフルオープン)!」
多元転身(プリズムトランス)行きますよー!」
人気のない場所で、魔法少女の姿に変身した私達は、魔力を感じた方向へ飛び上がる。
「おや・・・?」
「どうしたの?ルビー。」
「これは・・・何やら結構な大魔法が発動しますよ・・・?」
「え・・・?」
ルビーが、魔法と言う言葉を使ったことにユーノが反応する。
「ルビーが魔法って言うって事は・・・。」
その瞬間、世界が、ひっくり返った。。
一見すると何も変わっていない、空が格子状に切り取られている事と、人の気配が消えた事を除けば、だが。
「あっ!あれ!」
なのはが指さした方向に、巨大な樹が現れた。
「あれが・・・今回のジュエルシードの発動体・・・。」
「急いで封印しないと!」
「「うん!」」
ユーノの言葉に、なのはと二人、頷いて速度を上げる。



たどり着くと、たくさんの建物が崩れ、道は根っこにズタズタにされている。
「こんな・・・ひどい・・・。」
言葉が漏れる。
「・・・ジュエルシードは、強い願いを持った人間が発動させたとき最も力を発揮する・・・恐らく、これは・・・。」
誰か、人間が発動させた、そういう事だ。
なのはが、息をのむのが聞こえる。
「・・・やっぱり、あれはジュエルシードだったんだ・・・。」
「なのは?」
「私・・・翠屋JFCのキーパーの子が、ジュエルシードを持ってるのを・・・見てたんだ・・・でも、そんなはずない、って思いこんで・・・。」
なのはの顔が青ざめる。
「なのはさん、発動していなかった以上断定はできなかった、ならそれはなのはさんの責任ではありませんよ。」
ルビーがいつになく真剣な声色で言葉を発した。
「ここにばらまかれる原因だった、ともいえる管理局とやらの責任です。そして、なのはさんはあれを回収し管理局に封印を任せようと初動対応をしているユーノさんに協力しています。」
「・・・うん。」
「なら、あれを封印、回収するのが、なのはさんの責任であり、それに協力するのが現状のイリヤさんの責任、そうですね?」
「そうだよ、なのは・・・やろう。迷ってる時間は無い。」
「そう・・・だね・・・!」
そう言って、なのははレイジングハートを構え、魔法陣を展開する。
「広域探査・・・お願い!レイジングハート!」
「《Yes My Master》」
なのはが魔力を大きく発動させたのに反応して、気が蔓や枝を伸ばしてくる。
「ルビー!」
「はいはーい!いつでも行けますよー!」
「なのはがサーチを終えるまで、私達で守る・・・!特大のー・・・砲射(フォイア)!!」
ルビーの先端から魔力砲が発せられる。
ルビーの説明によると、純粋な魔力を破壊力として発動させる《魔法》だそうだ。
ユーノによれば、そもそもルビーを構成する術式がよくわからない上に、私のイメージから生まれた砲射と言う魔法、という割には《砲撃魔法》ではない、らしい、難しくてよくわからないけど。
ともかく、私は砲射や散弾でなのはに近づこうとする蔓やら枝を焼いていく。
この私の魔法、人に当たれば1発で蒸発するらしい。
「見つけた・・・!」
数分の交戦の後、コアを見つけたなのはがレイジングハートを変形させる。
「《shooting Mode》」
「撃ち抜いて・・・!ディバイーーン・・・!バスターーー!!」
なのはの砲撃魔法、ディバインバスターが相手の防御を貫き、コアに魔力ダメージを与えノックダウン、シーリングモードに変形し、封印を施す。
コアから出てきたのは、キーパーの子と、その彼女だった。
「《Master!》」
「どうしたの?レイジングハート?」
「《Is another of the biological reaction(別 の 生 体 反 応 で す)》」
「別の!?」
「行かなきゃ!」





Side 真優


かなり時間をかけ、結界を強化して回った。
そして、お腹がすいているのに気が付き、一度家に帰ろうとした、その時だった。
「っ!結界に反応!?」
これは、例の魔力隗だ・・・!
「■■■、■■■■―!■■■!っ・・・がはっ・・・。」
急いで一帯の魔力を鏡界に引きずり込む。
かなり広範囲を一定以上の魔力を持つか持たないかの区別以外は無差別に巻き込む大魔術だ、いかに高速神言でも三工程はかかる。
そして、普通の言葉だろうが高速神言だろうが、一工程以上の魔術の発動には全身の刻印を発動し、体を強化しないと耐えられないわたしは、とっさの発動に耐えられず、吐血、あちこちの肌が切れ、大量に出血する。
「っく・・・あ・・・■■・・・。」
失血死を防ぐために止血の魔術を施し、たところで、僅かに朦朧としている意識の端に魔力を捉える。
少し移動し、その魔力源を見つけると、そこには、魔法少女、としか形容しようのない服装のなのはとイリヤの姿。
「うそ・・・でしょ・・・?イリヤが・・・カレイド・・・ライナー・・・?」
わたし達は、イリヤが魔術に関わらないように、と色んな手段を講じてきた。
だが、よりにもよって《万華鏡の礼装》を、イリヤが手にしてしまっている。
失血とショックで、わたしは意識を手放してしまった。




Side なのは


レイジングハートが捉えた生体反応を探して、イリヤちゃんと一緒に飛んでいった先には。
「なん・・・で・・・。」
イリヤちゃんが青ざめた。
「なんで・・・なんで・・・・!」
私も、声が、でない。
「なんでよ・・・なんでお姉ちゃんがこんな目に遭わなきゃいけないのっ!?」
辛うじて、潰されたりはしていない、でも、全身から血を流して、イリヤちゃんのお姉ちゃん、真優さんが倒れていた。
「お姉ちゃん!お姉ちゃん!!」
イリヤちゃんが、血で汚れるのも構わずに真優さんを抱き上げる。
力が抜けて、レイジングハートを握っていられなくなって、私も膝から崩れ落ちた。
「イリヤさん、落ち着いてください。血塗れですが、彼女はちゃんと生きてます。」
「るびー・・・?」
「ともかく、ここから出ましょう、外に出れば、まだ間に合います。」
「う・・・い・・・りや・・・?」
「お姉ちゃん!?大丈夫!今病院に!」
「そう・・・ね・・・。」
少しだけ意識を取り戻した真優さんがまた意識を失う。
「ルビー!どうやってでるの!?」
「なのはさん、ユーノさん、こっちへ。」
「う、うん・・・。」
「はい。」
「半径3メートルで反射路形成!鏡界回廊一部反転!」
魔法陣が周辺に現れると、世界が、ひっくり返る。
この、格子の空の世界に来た時のように。 
 

 
後書き
第2話です。
話は遅々として進んでませんが・・・。
キャラクターの設定も一部まとめて公開です。 
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