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ハイスクールD×D ~始まりのアマゾン~

作者:アラン
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Episode2

~駒王学園校庭~
『久しぶりだな。フリード』
『アハハハハハッ!!!会いたかったゼェ、ジンゥゥゥゥ!!』
グレモリー眷属とコカビエル一派が対峙していた駒王学園の校庭には紅いトカゲのような異形―――アマゾンアルファと黒いコウモリのような異形―――コウモリアマゾンが対峙していた。

『俺がここに来た理由はわかってるよなぁ。フリード。』
『ん?まぁな。』
『そうか。』
その言葉を合図にアマゾンアルファ=仁とコウモリアマゾン=フリードは互いに目の前にいる獲物に向かって走り出した。




仁が殴りかかれば、フリードが皮膜を盾に防ぐ。
フリードが蹴りを放てば、仁が腕で防ぐ。
仁が噛みつこうとすれば、フリードが蹴り飛ばす。
フリードが空から奇襲をかけようとすれば、仁が空高く飛ぶ前に足をつかんでジャイアントスイングを決める。
仁が手刀を繰り出せば、フリードは腕を交差させて防ぐ。
フリードが鋭い爪の付いた腕で貫こうとすれば、仁はその腕を払いのける。
そのような攻防が何十、何百と繰り返されていた。

攻防を繰り広げている二人は疲れを感じさせず、話す余裕があった。
『相変わらずだなぁぁ、ジン!』
フリードはドロップキックを繰り出すものの、仁はフリードの右足を右腕で掴むことで防いでいた。
「お前は変わったな、フリード。」
仁は掴んだ右足を持ち上げた後、一気に振り落としフリードの体を数度地面に叩きつけ、放り投げた。
『グゥゥ......』
フリードは地面に叩きつけられた痛みに苦しみ、放り投げられたことで地面を転がりうつ伏せになって動かなくなった。
『フリード......』
仁は動かなくなったフリードに向けてゆっくり歩き始め、フリードの近くにまで行くと立ち止まった。

『さよならだな。相棒。』
仁は右腕を構え、うつ伏せに倒れているフリードの心臓を貫くべく腕を突き出した。







SIDE仁
俺はフリードを、4000匹近い獲物アマゾンのうちの一匹にとどめを刺すべく、腕を放った














はずだった。
『ゴフォッッッ!!』
次の瞬間、俺は、クラッシャーから血を吐き、激しい痛みを感じた。
俺は痛みを感じた場所を確認するべく、顔を下に向けた。













俺の目に映ったのは......、











フリードの腕が俺の脇腹を貫いている光景だった。
SIDEOUT

時はフリードが地面を転がる時まで遡る。

SIDEフリード
『グゥゥ......』
クソッ!
やっぱ、強ぇぇな。ジンの奴は。たしか、アイツとの模擬戦は99戦45勝(※オレ)45敗(※ジン)9引き分けだったっけかな。
グゥッ!
体中が痛てぇ。

コツ
コツ
コツ
コツ

足音が聞こえる。
ジンみたいだな。
トドメを刺そうってわけか......

だが、俺は死なねえ。
俺を生きる、生き残ってみせる。






そのために、俺は人を殺してきた。



アマゾンとなったあの日から...............






















アマゾン計画


それは、偶発的に生まれたアマゾン細胞を培養した実験体の製造。
並びに人間=優秀なエクソシストやシスターにアマゾン細胞を移植する生体兵器を製造するという狂気の計画。
俺とジンを含めた24人がアマゾン計画の人工アマゾンの被験者に選ばれた。
しかし、アマゾン細胞を移植された者の中でアマゾン細胞を完全に制御することができたのは24人の中でたった一人。
ジンだけだった。
残りの23人は、
あるものは、正気を失い、
あるものは、食人本能に支配され、研究員や同じ被験者を喰らい、
あるものは、アマゾン態から人間に戻れなくなり、理性を失っていった。
俺の場合、少しは適性があったのか理性は保てており、当初は食人本能を抑えることができたが、徐々に食人本能が目覚めていった。
食人本能を抑える薬剤を投与するアマゾンレジスターは実験体の数しか製造されていなかった。
何故なら最初にアマゾン細胞を移植されたジンがアマゾン細胞を制御下に置いたため安全であると判断したためだ。
ジンという成功例が生まれたことで俺を含めた残りの23人にも細胞が移植された。
だが失敗した。

その後、ある事件が起きて研究施設が壊滅し、施設にいたアマゾンたちが世界中に散らばっていった。
施設が壊滅した際、ジンはしばらく廃墟と化した施設に残っていた。
証拠隠滅に来た天界直属の特殊部隊を待ち伏せるために。
隠れながら俺はジンがベルトを使い、特殊部隊を皆殺しにしているところを見ていた。


俺はその時初めてジンに憎しみを抱いた。
アマゾン細胞を完全に制御しているから。
だが、すぐにその憎しみは完全に消えた。

「全てのアマゾンは俺が狩ってやるっ!!」
そう叫んでいるジンは、その目から涙を流していたから。
恐らく、自分では気づいていないだろう。
ジンは仲間意識が強く、人を守ろうと必死に戦ってきた。だからこそ、仲間を殺した罪悪感から無意識に泣いているんだろう。
俺はそう思った。
ジンが森の中に入っていくのを確認すると
「じゃあな、仁。」
そう言って俺はアマゾン態に姿を変え、飛び去った。





最初に人間を殺したのはそれから一週間経った頃に俺を殺しに来た教会からの追手だったな。
あの時の俺は体の中のアマゾン細胞の制御ができず、食人本能を抑えるために必死だった。
だが、追手の話を聞いたとき、俺の中で何かが弾けた。
気づいた時には追手は死んでいた。
あの施設から逃げ出した後、痛めつけながら四肢を一つずつ切り落とし、殺していた。




なんでも追手の話では、俺を狙ったのは悪魔と契約した人間や異端者達を惨殺した罪により処刑命令が出ているらしい。

俺は今まで人を殺したことはない。
悪魔と契約した人間は根気強く説得し、悪魔と契約との契約をやめさせてきた。異端者だって捕縛はしたが殺したことなんてない。

俺の中には教会とアマゾン計画を行わせた天界のある天使に対して激しい憎悪が生まれていた。
俺はそれから現在に至るまで悪魔と契約した人間や異端者どもを殺してきた、俺の場合はそれで食人本能を抑えることができたから。
何人、何十人、何百人だって殺してきた、アマゾンの食人本能を抑えるために。



何十人殺しても俺の心は壊れなかった。
壊れることができなかった。

俺の心は悲鳴を上げていた。

なまじ幼いころからエクソシストを生業としていたから、死に慣れていたから、多くの魔物を殺していたから。




人を食いたくないから人を殺す。

それが間違っていることぐらいわかってる。

人間を守るためにエクソシストになったが、やっぱり、俺は自分の命のほうが大切らしい。

だから俺は、俺の心を守るために狂人を演じてきた。




だから、

だから俺は、生きるために戦う。

生きていたい、死にたくない、だから。

そのためなら、俺はだまし討ちだってする。










俺は背後から仁の殺気を感じ取り、振り向きざまにジンが突き出した右腕を左腕でつかみ取り、右腕で、ジンの脇腹を貫いた。
 
 

 
後書き
今回のライダーネタ

「俺は、生きるために戦う。」:元ネタは仮面ライダーアギトの氷川誠の「僕は生きるために戦う。」 
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