オズのボタン=ブライト
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第十一幕 消えたボタンその四
「凄く汗をかくのう」
「はい、そうですよね」
実際カルロスもかなり汗をかいているので頷くのでした。
「凄い運動ですから」
「全くじゃ」
「そもそも王様は」
「わしが?」
「はい、ジャージを着ておられますけれど」
見れば皆ジャージです、カルロスは黄色、ジョージは赤、神宝は青、ナターシャは黒、恵梨香はピンクの上下のジャージで。
オズマは緑、ジュリアはライトグリーンです。そして王子と王様は紅ですが。
その紅のジャージの生地が皆のより厚くてです、ジョージは言うのです。
「生地が厚いですから」
「だからか」
「はい、その分汗をかきます」
「しかも太っておるからか」
「そのこともありまして」
「わしは皆より汗をかくのじゃな」
「そう思います」
こう王様にお話するのでした。
「そのせいで」
「それでか」
「はい、ただ汗をかくこともお嫌いじゃないですね」
「遊びは汗をかくものじゃ」
これが王様の返事でした。
「だからな」
「それでいいんですね」
「その通りじゃ、汗をかくならどんどんかくぞ」
「わかりました、じゃあ次はやりますか?」
「うむ、君とボタンのチームとな」
「王様と王子のチームで」
「一緒にな」
こう言ってです、そのうえででした。
実際に四人でゲームを楽しみました、他の皆もです。
交互にラケットでボールを打ち合い勝負しました、試合は明るく楽しく爽やかに行われて十時になってです。
ティータイムとなりました、その時にです。
オズマは紅茶、ミルクティーを飲みながら皆に言いました。
「皆もテニスが好きで何よりも」
「姫様もですよね」
「テニスお好きですよね」
「そうですよね」
「ええ、スポーツ自体が好きで」
そしてというのです。
「テニスもね」
「お好きだからですね」
「今日も楽しまれてるんですね」
「そうなんですね」
「そうよ」
五人に笑顔で返した言葉でした。
「この通りね、都にいる時もよくしているわ」
「ドロシー王女達となのよ」
ジュリアはティーセットのエクレアを手に取りつつ五人にお話しました。
「私ともね」
「テニスをされてるんですね」
「そうなんですね」
「そうなの、姫様は今日みたいにいつも軽やかに動かれるのよ」
「そういえばオズマってね」
ボタンはサンドイッチを食べています、サンドイッチの間にはジャムとフルーツが挟まれていてとても甘くなっています。
「左右に凄く速いよね」
「そうでしょ」
「いつもしていてなんだ」
「姫様はテニスがお上手なの」
「そうなんだね」
ボタンはそう聞いて頷きました。
「いつもしているから」
「そうなの、他のスポーツもお好きでね」
「そしてテニスも」
「そうなの」
「僕はテニスは」
ボタン自身はといいますと。
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