英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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異伝~新たなる”使徒”の誕生~
武装集団達によるクロスベル市襲撃より3日後―――――
~遊撃士協会・クロスベル支部~
「お疲れ様。今日もご苦労だったわね、エオリア。」
多くの依頼の達成の報告をしたエオリアにミシェルは労いの言葉をかけたが
「ううん…………私は大した事はしていないわ……………」
エオリアは暗いオーラを纏った顔で無理やり笑顔を作って答え
「エオリア。貴女、大丈夫?もしかして襲撃の時のトラウマが…………」
エオリアの様子を見たミシェルは心配そうな表情で尋ねた。
「フフ………心配してもらわなくても大丈夫よ。セリカさん達のおかげでギリギリ助かったから……………それじゃ、今日はあがるわね……………」
ミシェルに尋ねられたエオリアは寂しげな笑みを浮かべて答えた後支部の出入口から出て行き
「あ…………………」
その様子をミシェルは呆けた様子で見つめていた。
「……………どうやら襲撃の時、何もできなかったことを今でもひきずっているようだな……………」
その時ヴェンツェルが重々しい様子を纏いながら2階から降りてきた。
「そのようね……………かなり不味い兆候ね……………」
「ああ………今のエオリアの状態は”グノーシス”を服用した被害者が”グノーシス”を服用する直前の状況と似ているしな……………」
ヴェンツェルの言葉に頷いて言ったミシェルの言葉を聞いたヴェンツェルと一緒に1階に降りてきたスコットは重々しい様子を纏って呟き
「………馬鹿な事を考えなきゃいいんだけど…………………2人とも、エオリアを見て何か違和感を感じたらすぐに報告してちょうだい。」
ミシェルは心配そうな表情で考え込んだ後、真剣な表情で2人に言い
「ああ。」
「勿論だ。……まあ、医学に詳しいエオリアが”グノーシス”を服用するなんて、とても思えないがな。」
「………………そうであると信じたいわね………………………」
2人の答えを聞いて重々しい様子を纏って考えこんだ。一方支部を出たエオリアは自室に戻って一人考え込んでいた。
(……………もっと”力”が欲しい…………でも……………”グノーシス”だけは絶対に駄目………………………一体どうしたら……………)
自室で紅茶が入ったカップを持ったエオリアは重々しい様子を纏って考え込んだ後、ハンガーにかけてあるセリカの外套に気付いた。
「あ………セリカさんの外套……………洗い終わったし、返しておかなくちゃ――――――」
セリカの外套に視線を向けたエオリアが呟きかけたその時
ねえねえ、レシェンテちゃん!”使徒”って一体なんなの?
”使徒”とは”神”もしくは”神格者”が能力の一部を分け与え、自分達に力を分け与えた”主”の存在の目的を補佐させる者じゃ。”使徒”になった者は”神格位”を得た者同様永久的な命と超越した能力を手に入れる事ができるのじゃ。自分に力を分け与える主の”力”にもよるが………”使徒”になれば魔術師に才能がある者は高い魔力を手に入れ、戦士ならば身体能力は普通の人間では達する事ができないほど飛躍的に上昇するのじゃ。
へ~………じゃあ、レシェンテちゃんはセリカさんのその”使徒”っていう存在だからそんなに強いの?
フフ、レシェンテの場合はレシェンテ自身が元々”古神”ですから、”古神”としてのとてつもない力を持っていますから、レシェンテの場合は”使徒”の中でも特殊な例ですね。
まあな!……だがわらわもセリカの”使徒”となった事でより強くなったのは事実じゃがな!
そうなんだ……ちなみに”使徒”には一体どうやったらなれるのかしら?
え、えっと………それは………
そ、それは絶対に教えられん!
え~、教えてくれてもいいじゃない!ねっ!絶対に誰にも教えないから!
これだけは絶対に教えられん!……というか何でそこで抱きつくのじゃ!?
それは勿論、二人が可愛いからに決まっているじゃない!
フフ、アネラスさんと絶対気が合いそうだね。
というか奴とコイツが揃った時、わらわ達は絶対に酷い目に合うから、想像したくもないわ!
「………………………!」
不意にレシェンテやリタとのある会話を思い出し、その内容を思い出したエオリアは目を見開いて立ち上がり
「………………………………」
その場でしばらくの間考え込んだ後、決意の表情になってセリカの外套を綺麗にたたんで紙袋の中に入れた後、自室を出てある場所――――セリカ達が現在部屋を借りている建物―――かつてエステル達が部屋を借りていた”アカシア荘”に向かい、セリカ達が借りている部屋の扉をノックした。
~夜・アカシア荘~
「誰だ?」
ノックの音に気付いたセリカはドアに視線を向けて尋ね
「…………エオリアです。」
「あら………」
「げっ。」
扉の外から帰って来た答えを聞いたリタは目を丸くし、レシェンテは嫌そうな表情をした。
「……何をしに来た?」
「その……借りていた外套が洗い終わったので、返しに来たのと……後………セリカさんに折り入って頼みたい事がありまして……………」
「………わかった。鍵は空いているからそのまま入ってきて構わん。」
「……失礼します。」
そしてセリカの答えを聞いたエオリアは扉を開けて部屋の中に入って来た。
「フフ、こんばんは♪リタちゃん、レシェンテちゃん♪」
「こんな時間に訪ねて来るなんて、珍しいですね。」
「一体何をしに来たのじゃ?」
部屋の中に入って来て微笑まれたエオリアをリタは不思議そうな表情で見つめ、レシェンテは表情を引き攣らせて尋ねた。
「可愛い二人を何とか譲ってくれないか、セリカさんに交渉しに来たと言ったら二人はどう思う?」
「え、えっと……………本気ですか?」
「そんなのセリカが絶対許さん上、わらわ達は絶対に嫌じゃ!」
そして微笑みを浮かべたエオリアに尋ね返されたリタは表情を引き攣らせながら尋ね、レシェンテはエオリアを睨み
「……で?本当は何をしに来た。」
その様子を呆れた表情で見ていたセリカはエオリアに視線を向けて尋ねた。
「あ、はい。まず借りていた外套を返しておきますね。……ありがとうございました。」
セリカの言葉を聞いたエオリアは紙袋から綺麗にたたんであるセリカの外套を取り出してセリカに手渡しし
「……ああ。わざわざ洗ってもらわなくてもよかったんだが……」
渡された外套をセリカは戸惑いながら受け取った。
「それで……その頼みたいことなんですが……………―――――私を貴方の”使徒”にしてください。」
そしてエオリアは決意の表情でセリカを見つめていい
(何だと!?)
「え。」
「なっ!?」
エオリアの言葉を聞いたハイシェラは驚き、リタは呆けた声を出し、レシェンテは信じられない表情で声を上げ
「…………………………………”使徒”がどういう存在なのか知っていて頼んでいるのか?」
セリカは少しの間固まった後、気を取り直して真剣な表情で尋ねた。
「はい。レシェンテちゃん達に教えてもらいましたから。」
「おい………」
エオリアの答えを聞いたセリカはレシェンテとリタを睨み
「わ、わらわ達のせいじゃないぞ!?」
「す、すみません、主。ですがまさかエオリアさんがこんな事を言い出すとは想像もしていなくて………………あの、エオリアさん。どうして主の”使徒”になりたいのか、理由を教えてもらってもいいですか?」
睨まれたレシェンテは慌て、リタは申し訳なさそうな表情をした後、戸惑った表情でエオリアに視線を向けて尋ねた。
「そうね、まずは理由を話さないとね………」
そして尋ねられたエオリアはセリカ達に”使徒”になる事を望むようになった理由――――――湿地帯での戦いやクロスベル市の襲撃の時に自分の無力感を感じ、何者をも圧倒できるほどの”力”を手に入れる為に”使徒”になりたい事を説明した。
「エオリアさん……………」
理由を聞いたリタは複雑そうな表情をし
「そんな理由でセリカの”使徒”になりたいとは……お主、セリカと共に生きて行く覚悟はあるのか!?」
(まったくだの。皆、それぞれセリカと共に生きていく事を望んで”使徒”になったというのに………まさかセリカの事は一切考えず、自分の都合のみで”使徒”になりたいとは、呆れ果てててものも言えんだの。)
「……今の生活を捨て、世界中から命を狙われている”神殺し”である俺と永遠の時を生きて行き、戦い続ける覚悟はあるのか?」
レシェンテは呆れた後エオリアを睨み、ハイシェラは呆れた表情をし、セリカは真剣な表情で尋ねた。
「その事なんですけど………まことに勝手な申し出ですが、10年……いえ、5年の間だけでいいので遊撃士を続けさせてください。5年経つまでには身辺整理も終わらせておきますし、ちゃんと遊撃士も辞めて、セリカさんに誠心誠意お仕えします。…………勿論、永遠の時を生き続け、戦い続ける覚悟もあります。圧倒的な”力”を手に入れるには必ず”代償”が必要な事や”力”を与えてくれるセリカさんに”報酬”を支払うのは当然のことですし。」
尋ねられたエオリアは申し訳なさそうな表情で答えた後、決意の表情でセリカを見つめた。
「エオリアさん。親しい人達が年老いて死んでいくのに対して、自分は何も変わらずただ見ていく事しかできず、永遠に変わらない自分の姿に人々から恐れられる永遠の時を生き続け、世界中の人達と戦い続ける事はとてつもない”修羅”の人生………そんな人生を本当にそんな理由だけで生きていけるのですか?」
エオリアの説明を聞いたリタは真剣な表情で尋ねたが
「ええ、もう決めたことだから。……それに可愛いリタちゃんとレシェンテちゃんがずっと一緒っていう人生も私にとっても本望だから、大丈夫よ♪」
「あ、あはは…………元の世界に帰れば私は”冥き途”の仕事がありますから、常に一緒という訳じゃないのですが…………ま、まあ理由がどうあれ、主の仲間になるのでしたら私は別にエオリアさんが主の”使徒”になっても構いませんよ。機会があれば、ナベリウスも紹介しますね。エオリアさんならきっとナベリウスの事、気に入ると思いますし。ナベリウス、とっても可愛いですから。」
自分達に微笑みながら言ったエオリアの言葉を聞いたリタは冷や汗をかいて苦笑し
「本当!?フフ、一体どんな娘なのか今から楽しみね♪」
リタの言葉を聞いたエオリアは表情を輝かせた。
「ええい、リタ!何を他人事のように!お前は元の世界に帰っても”冥き途”に逃げられるからいいが、元の世界に帰っても常に一緒にいる事になるわらわの身にもなってみろ!?」
一方レシェンテは疲れた表情で言った後リタを睨んだ。
(あの娘はお前に仕える事は”契約”のようにしか感じていないようだな、セリカよ?……………まあ、我の感じる所シュリほどではないが魔力が普通の者と比べると高いからお前が失った力を回復させる対象としても役に立つ上、マリーニャほどではないが身体能力もそこそこあるし、他の”使徒”達と違って医療技術が長けているから、様々な局面で役には立つと思うが……………)
「……………………………………リタ、レシェンテ。今日はお前達はもう一つの借りてある部屋で2人とも休んでいろ。」
そしてハイシェラに言われたセリカは少しの間考え込んだ後リタとレシェンテの指示をし
「主?もしかして……」
「本気でエオリアを”使徒”にする気か!?」
指示をされたリタは目を丸くし、レシェンテは信じられない表情でセリカを見つめて尋ね
「……………エオリアの決意が本物なら、”使徒”にする。レシェンテはいつもお前達と”性魔術”をする時に展開する防音結界を展開してから部屋を出てくれ。」
「……………わかりました。主がそうおっしゃるなら。」
セリカの答えを聞いたリタは静かな表情で頷いた後部屋を出て行き
「ハア………まさかエオリアが”使徒”になるとは………………………こんな事になるなら”使徒”の事を教えなければよかった……………いや、待てよ?”性魔術”の事は教えていないから、もしかしたらそれを知ったら逃げるかもしれんな。いっそ、それにかけてみるか?ブツブツ………」
レシェンテは疲れた表情で溜息を吐き、小声で呟きながら部屋に結界を展開した後、部屋を出ていった。
(やれやれ……さすがに甘すぎないか、セリカよ?)
二人が出て行くとハイシェラは呆れた様子で尋ね
(今のエオリアはほおっておけないからな……………それに……今のエオリアは危うい……誰かが支えなければならんだろう……)
(クク、以前と比べるとかなりお人好しになっているだの。全く……エステル嬢ちゃんの影響をモロに受けているだの。)
セリカの答えを聞いて口元に笑みを浮かべた後、苦笑していた。
「(……勘違いするな。俺は親しい者しか助ける気はない。それにエオリアの場合はリタ達にとっても自分達の正体を知っても変わらず親しく接している貴重な人物だから、特別なだけだ。)……………エオリア。”使徒”になる方法は二人から聞いているのか?」
ハイシェラの念話に答えたセリカは真剣な表情でエオリアに尋ね
「いいえ。二人とも答えを濁して、結局教えてくれませんでした。それで……一体どんな方法で私を”使徒”にしてくれるのですか?」
尋ねられたエオリアは不思議そうな表情で答えた後尋ね返し
「全く………肝心な事を説明していないとは………どれだけの時を生きていようとも、二人ともまだまだ子供だな………」
尋ね返されたセリカは溜息を吐いた後エオリアに自分が知っている”使徒”になる方法――――”性魔術”の事を説明し、さらに自分の”使徒”になれば定期的に自分と”性魔術”をする必要がある事を説明した。
「……………………………」
説明を聞き終えたエオリアは顔を真っ赤にして俯かせて黙り込み
「……今の説明を聞いて、本当に自分の身も心も俺に奉げる覚悟はあるのか?今ならまだ間に合うが…………」
エオリアの様子を見たセリカは苦笑しながら言った。
「………わかりました。……………セリカさんには…………助けて頂いた恩もありますし……………構いません……………それに………仕える事になったら………”そういう事”も………求められる事になるでしょうし……………」
セリカの言葉にか細い声で答えたエオリアはなんと自分の服に手をかけて、服やロングスカートを全て脱いで下着姿になり
「その………私………初めてなので…………………できれば……………優しく…………してください……………………………」
顔を真っ赤にして、セリカから視線を外した状態でか細い声で呟き
「………善処しよう。」
エオリアの様子を見たセリカは苦笑しながら答えた後立ち上がり
「んんっ!?せ、セリカさん……!そんな……ちゅ…………いきなり…………激し………ちゅる……………あん!?………そんなとこまで………触る……ひゃん!?……なんて…………ちゅ……………」
エオリアを抱き寄せて舌を絡めるほどの深い口付けをしてさまざまな”行為”を始め、口付けや行為をされたエオリアは戸惑ったり、喘ぎ声を出したりしながらセリカの口付けや行為を受け入れていた。その後セリカは”性魔術”をしてエオリアの”処女”を奪うと共にエオリアを自分の”使徒”にした。
~数時間後~
「もう…………………セリカさんったら、酷いです…………私…………キスも初めてだったのに…………いきなりあんな激しいキスをした上、あんな事までするなんて………………しかもこんなにいっぱい中に出すなんて……………可愛い子供はいつか欲しいとは思っていますけど、今孕まされても困ります。」
セリカとの”性魔術”を終え、ベッドでセリカの胸に全身や顔を寄り添らせている何も身につけていなく、生まれたままの姿になったエオリアは自分の下半身のある部分から垂れている白い液体に視線を向けた後、頬を膨らませてセリカを睨み
「……そうは言うがエオリア自身が途中から”もっとして”とか”いっぱい中に出して”と求めていたと言っていたが?」
睨まれたセリカは苦笑しながら尋ね
「うっ……………(それもこれも全部セリカさんが悪いんですから!あんなに何度も気持ちよくされたら、誰だって………!)」
尋ねられたエオリアは顔を真っ赤にしてセリカから視線を逸らして、セリカとの”性魔術”を思い出した。
(クク………セリカの技術によってすっかり骨抜きにされたようだの。)
セリカの”使徒”となったことでエオリアの思念も感じ取れるようになったハイシェラは口元に笑みを浮かべたが
(これがレシェンテちゃん達が言ってたハイシェラさんとの念話………というかただの剣が本人の許可も無く勝手に人の思考を読まないでよ!)
(なっ!?新参者の分際でこの我をただの剣扱いだと!?この我を誰だと思っている!!)
エオリアの念話を聞いて驚いた後エオリアに怒鳴ったが
(エステルからはアムドシアスって言う名前の変態芸術マニアの魔神と同類の戦マニアのニート魔神だと聞いたけど?)
(なあっ!?お、おのれ………エ、エステル嬢ちゃん……!よりにもよってこの我があの馬鹿と同類だと……!?それに誰が戦マニアのニート魔神だのっ!!今度会ったら絶対ただでは済まさんだの!!そして我は伝説の”地の魔神”ハイシェラ様だ!しかと刻み込んでおくのだの!)
エオリアの説明を聞いて声を上げた後怒りに震えてエオリアに念話を送ったが
「(はいはい………)ふあ……………」
エオリアは投げやりに答えてあくびをした後、眠そうな表情をし
(こら!ちゃんと聞いているのか!?)
エオリアの様子を見たハイシェラは怒鳴ったが
(……いい加減黙っていろ。それにエステルの言っている事もあながち間違ってはいないだろう。)
(なっ!?)
セリカの念話を聞いて絶句した。
「………今夜はこのまま泊まっていけ。今日からお前は俺の”使徒”だから、何もおかしなことはない。」
「フフ……ありがとうございます………それじゃあ………お言葉に……甘えさせて……もらいます……ね……スー……スー………」
セリカの言葉を聞いたエオリアは微笑んだ後今まで溜まりに溜まっていた精神、肉体、両方の疲労や安堵感、そして”性魔術”の時の疲労によって急激に襲って来た眠気によってすぐに眠りはじめ、憑き物が落ちたかのような穏やかな寝顔を浮かべて眠っていた。
(全く……まさかいきなりこの我にあんな口を叩いてくるとは……それもこれも全てエステル嬢ちゃんのせいだの!………嬢ちゃんのせいで我の威厳がどれだけ薄れた上、我の扱いが皆からぞんざいに扱われていたことか…………………それにしてもまさか異世界出身の”使徒”ができるとはな。……というかサリアの時といい、セリカが誰かに頼まれて長期滞在する事になった場所で必ず新たな”使徒”が増えているのは気のせいかだの?それともこれもまたお前の”戦女神”としての”運命”とやらか?)
眠りはじめたエオリアを見たハイシェラは呆れて溜息を吐き、顔に青筋を立ててエステルの顔を思い浮かべて文句を言った後気を取り直してセリカに尋ね
(そんな訳がないだろう………)
尋ねられたセリカは呆れた表情で答えた。
(フム。しかし今考えてみると存外良い拾い物をしたのかもな。エオリア嬢ちゃんは高レベルの正遊撃士として常に前線で援護役を主として戦い続けているから前衛であるお前やマリーニャ嬢ちゃんの補佐として丁度いいし、魔力もそれなりにあるから訓練をすれば魔術師としても使い物になるだの。しかも医療技術にも長けているから、戦以外の局面でも役に立つだろうしな。)
(フッ……エオリアが俺の”使徒”になる事に呆れていたわりには意外とエオリアの事を褒めるのだな……)
ハイシェラの念話を聞いたセリカは静かな笑みを浮かべ
(なっ………!ええい、何故そこで笑う!?我は当然の評価をしたまでだの!……こら、セリカ!無視していないで何か答えんか!)
セリカの念話を聞いたハイシェラは驚いた後セリカに指摘したが、セリカはハイシェラの念話が聞こえて来ても無視して眠りだした。
こうして”神殺し”セリカ・シルフィルの”修羅”の人生を共に歩む新たなる”使徒”が誕生した……………!
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