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女提督の航海(後悔)日誌

作者:蘭丸
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加賀の心配

 
前書き
広間で翔鶴と瑞鶴が会話をしていると不機嫌そうな木曾がやってくる。その後天龍が頭をさすりながら二人のもとに通りかかる。
執務室では執務を終えようとしていた提督が判子の押し忘れを思い出し長波が手伝うことに。 

 
ー広間ー


翔鶴「あ、瑞鶴足は大丈夫?」

瑞鶴「うん、軽く捻った程度だから足首用のサポーター着けてれば歩くのに支障は無いって」

翔鶴「良かった」

瑞鶴「まぁ、足に負担が掛かる運動は余りしないようにって言われたから、暫くは一緒に海に出て戦えないけどね」

翔鶴「それはちょっと寂しいわね」

瑞鶴「直ぐに治るから平気だって」

翔鶴「じゃあ瑞鶴が休んでる間に私はもっと強くならなきゃいけないわね」

瑞鶴「あたしも早く足を治さなきゃ…あ、木曾、艤装運んでくれて有難うね」

木曾「あ?ああ」

瑞鶴「それと、あの時ル級に殴り掛かってたけど、手は大丈夫?」

木曾「あれ位なんともないさ。さぁてと、メシだメシ~」

瑞鶴「なんか機嫌悪そうね」

翔鶴「あら、天龍ちゃん?頭抑えてどうしたの?」

天龍「んあ?ああ、ちょっと風呂場で石鹸踏んで足滑らしてすっ転んだだけだよ」

瑞鶴「ちょっとって…それかなり痛くない?」

天龍「まぁ痛いかな?いやぁ石鹸が転がってると思わなかったぜ~んじゃなーお互い足元に気をつけような~」

瑞鶴「え?う、うん!」

天龍「(木曾が投げた桶を喰らって湯船に沈んだなんて言えねぇからな)」


ー執務室ー


提督「長波、さっき戦闘報告を見てたんだけど、今日は大変だったみたいね」

長波「んー、まぁね。ル級が瑞鶴さんに殴りかかったり、艦載機の攻撃を防いだ両腕の武装を捨ててこっちに突撃して来るとは思わなかったよ」

提督「瑞鶴の艤装、かなり破損してたらしいから、ル級の一撃が相当強かったみたいね。瑞鶴自身が軽傷で済んで良かったわ」

長波「そうだな。あたしがル級の攻撃を受けてたらと思うとゾッとするぜ」

提督「長波が反撃されそうになった時に木曾が助けてくれたんでしょ」

長波「ああ。助かったよ。何つーか、ああいうピンチの時に助けてくれる木曾がすげえ格好良かった」

提督「そういう長波だって、夕雲と一緒にヲ級を沈めたんでしょ?」

長波「あたしと夕雲姉さんが沈めたっていうより、ヲ級が海に潜って逃げて行ったんだよ」

提督」それでもヲ級を撃退したんだから二人共凄いわよ」

長波「へへ、ちょっと嬉しいかな」

提督「えー、褒めてるのに~」

長波「んじゃ素直に喜ぶよ。提督も執務お疲れ様」

提督「あ、う、うん…ん?あ!そういえば後回しにしててまだ判子を押してない書類が…」

長波「んも~っ折角労ったのにそりゃないぜー!仕方ねぇな、判子押すくらいあたしにも出来るから手伝わせてくれ」

提督「助かるわぁ…(呑気に紅茶飲んでるヒマなかったわ)あ、押さなくても良い書類は私が分けるから、長波はどんどん判子押しちゃってくれるかしら?」

~~~


長波「はぁ、終わった~」

提督「お疲れ様、長波」

長波「ああ~じゃあ、あたし寝るわ。今度こそお疲れ様~」


ー赤城、加賀の個室ー


赤城「加賀さん?どうしたんです?」

加賀「ん?あ、いえ何でもありません」

赤城「瑞鶴ちゃんの事が心配ですか?」

加賀「なっ、心配なんてしていませんよ。ただ足首を捻っただけなんでしょう?」

赤城「捻挫だからといって、侮れませんよ?捻った方向が悪ければ重傷ですし。瑞鶴ちゃんは安静にしていれば直ぐ良くなるって言っていましたけどね」

加賀「本人が大丈夫と言っているのなら、それで良いわ。瑞鶴が負傷したところを直接見ていない私が心配しても仕方がないでしょう」

赤城「あら、じゃあその胡蝶蘭のプリザーブドフラワーは何なんですか?」

加賀:「これはっ」

赤城「胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」でしたっけ。それって、瑞鶴ちゃんが早く艦隊に復帰出来る様にってことですか?」

加賀「む…はい…」

赤城「幸運の女神が付いてる瑞鶴ちゃんなら大丈夫ですよ」

加賀「そう、ですね」
 
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