英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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外伝~”戦女神”セリカ・シルフィル~
~湿地帯・奥~
「ノエル………リィン達やアリオスさん、セリカさん達も……」
ノエル達を見たロイドは複雑そうな表情をし
「来てくれたんですね……」
エリィは安堵の溜息を吐いた。
「あの者たちは……!」
「”蛇”の連中か……!」
一方ヴェンツェルとスコットはカンパネルラ達を見つめて驚き
「”道化師”カンパネルラ……それに”十三工房”の管理者に”鋼の聖女”か……」
「…………鎧の騎士に気を付けろ……あれは”神格者”クラスだ……」
「なっ!?”神格者”!?」
(ほう!まさかこれほどまでの強者がいるとは!ハハハハハハッ!素晴らしい闘気だの!あの”赤の戦鬼”とは比べものにならんだの!)
アリオスは厳しい表情でカンパネルラ達を見つめ、セリカは目を細めてアリアンロードを睨み、セリカの警告を聞いたリィンは驚き、ハイシェラは興味深そうな表情をした後大声で笑い
「……正直、驚きました。まさかこれほどまでの力を持つ人間がいるなんて……(あれ……?あの騎士から感じる魂の気配……どこかで覚えがあるような……?)」
「うむ………”影の国”で出会ったマーズテリアの聖騎士―――――シルフィアとほぼ同等だと思うぞ……」
リタは内心首を傾げながら驚きの表情をし、レシェンテは重々しい様子を纏って頷き
「ええっ!?そ、その名前って……!」
「――――破門されたマーズテリア最高の聖騎士にして、”神格者”。そしてリウイ様の側室の一人であり、リフィア様のもう一人の祖母……ですね。」
「そして”メンフィルの守護神”として今でも語り継がれている伝説の聖騎士……!そんな人と同じ強さだなんて……!」
レシェンテの言葉を聞いたシャマーラは驚き、エリナとリィンは真剣な表情で言った。
「ほほう……あれが”風の剣聖”と”嵐の剣神”かな?」
「ウフフ……レーヴェに匹敵する腕前らしいけど……」
一方ノバルティスとカンパネルラは興味深そうな表情でアリオス達を見つめ
「――――”風の剣聖”と”嵐の剣神”。見えるのは初めてですか。なるほど、二人とも噂に違わず素晴らしい腕前のようですね。」
アリアンロードは静かな様子を纏って呟いた。
「……世辞は結構。貴女やセリカ殿、フェミリンスのように”人の域”を超えるまでは到底至っていない。特に”その槍”の前では一軍すら退かざるを得ないだろう。」
アリアンロードの賛辞にアリオスは重々しい様子を纏って答え
「フフ、それが見抜けるだけでも大したものです。」
アリオスの言葉を聞いたアリアンロードは感心していた。
「アリオスさん……!?」
「よもや……このまま見逃すのか!?」
アリオスの言葉を聞いたスコットとヴェンツェルは信じられない表情をし
「まさか……だが、状況はこちらが不利だ。」
「!?」
アリオスが呟いた言葉を聞いたヴェンツェルが驚いたその時!
「…………………」
騎士装束の娘達がアリオス達を取り囲んだ!
「くっ……リンたちがやりあった?」
「お前達がリンをあそこまで痛めつけたのか!?」
騎士装束の娘達を見たスコットは唇を噛みしめ、ヴェンツェルは怒りの表情で叫び
「いかにも。無謀にもアリアンロード様に挑んだのですから、その代価を払ってもらっただけですわ。」
ヴェンツェルの言葉を聞いた娘の一人が答えた。
「くっ……(ぜんぜん隙がない……!?)」
「なんて隙の無さだ……!」
「下手したらユエラ姉さんクラスだよ!?この人達!」
「まさかこれほどまでの強さを持つ人達が”結社”にいるなんて……!」
一方ノエル達は驚いた。
「……随分と舐められたものだな。”神殺し”――――いや、”戦女神”の俺がいるにも関わらず、”こんな雑魚”でそれも”たったこれだけの人数”で勝ったつもりだとは。」
するとその時セリカは静かに呟き
「なんですって……!?」
(クク……教えてやれ、セリカ!上には上がいるという事を!)
セリカの言葉を聞いた娘の一人が怒りの表情で叫び、ハイシェラは不敵な笑みを浮かべて叫び
「――――!いけません!下がりなさい!!」
何かに気付いたアリアンロードは警告したが
「奥義!枢孔――――飛燕剣!!」
時すでに遅し、セリカは最高位の飛燕剣を放った!
「なっ!?ガアッ!!」
「そ、そんなっ!?キャアッ!?」
「速すぎるっ……!?アアッ!?」
セリカのSクラフトを受けた娘達は信じられない表情をしながら全身から大量の血を噴出させて、吹き飛ばされた!
「これは驚いた……まさか彼女達を一瞬で片付けるなんて……」
「フム……下手をすれば”鋼の聖女”殿クラスかもしれないね……」
セリカの攻撃を見たカンパネルラは驚き、ノバルティスは呆けた表情で呟き
「グッ……馬鹿な……!?」
「”鉄機隊”である私達が手も足もでないなんて……!」
「まさかアリアンロード様と同じ存在……!?いえ、そんなのありえませんわ!」
地面に跪いた娘達はそれぞれ信じられない表情で叫んだ!
「――――雑魚は無力化した。後はお前だけだ。」
そしてセリカは魔剣『ラクスハイシェラ』をアリアンロードに向け
「クッ……!」
「鉄機隊である私達が雑魚ですって……!?」
「屈辱ですわ……!」
セリカの言葉を聞いた騎士装束の娘達は悔しそうな様子で唇を噛みしめ
「……………」
セリカに武器を向けられたアリアンロードは槍を構え
「参る――――!ハァァァァァァ……!」
一瞬でセリカに近づいて無数の怒涛の突きを放ったが
「…………………」
セリカは全て剣で受け流し
「喰らうがいいっ!アルティウムセイバー!!」
セリカに攻撃を受け流されたアリアンロードは強烈な薙ぎ払いを放った!
「紅燐!舞華斬!!」
しかしセリカは上位の飛燕剣を放って攻撃を相殺した!攻撃が相殺された瞬間、二人の周囲に衝撃波が発生した!
「!!さあ、行きますよ!ハァァァァ……!」
攻撃を相殺されたアリアンロードは驚いた後、セリカから距離を離して自分の周囲に闘気でできたすざましい竜巻を発生させて、セリカに放ったが
「雷光!紅燐剣!!」
セリカは雷が宿った飛燕剣で打ち消した!
「これで……終わりですっ!聖技!グランドクロス!!」
その時、アリアンロードは槍を構えて猛スピードで突撃したが
「見切った!」
「なっ!?我が奥義が……!」
なんとセリカは鞘に収めていたもう片方の神剣――――”影の国”でエステルより託された『絆の神剣』を抜いて、二刀流の状態でアリアンロードの槍を受け止め、受け止められた際、二人の周囲に空間も震えるほどのすざましい衝撃波が発生し、衝撃波ロイド達とカンパネルラ達の双方を襲って軽く吹っ飛ばした!一方攻撃を受け止められたアリアンロードは驚き、そしてセリカは二刀流の状態で”影の国”の件が終わってから習得したかつて自分が最も愛する女性――――サティアと共に放ったコンビクラフトだった技を二刀流にした事によって、一人で放てるようになった大技を放った!
「――――サティア。共に行くぞっ!オォォォォォォッ………!!」
アリアンロードの攻撃を受け止めたセリカは静かに呟いた後全身に膨大な神気や魔力を纏ってラクスハイシェラと絆の神剣の二刀流でアリアンロードが放ったすざましいスピードの連続攻撃とは比べものにならないくらいの速さの斬撃を次々と放ち
「クッ…………!」
セリカの怒涛の攻撃にアリアンロードは唇を噛みしめて必死に防いでいたが、次々とセリカの斬撃がアリアンロードの鎧を易々と砕くと同時にアリアンロードの身体のさまざまな場所から大量の血を噴出させ
「戦女神の剣嶺!!」
そしてセリカは膨大な神気や魔力をそれぞれの剣で斬撃を放って解放すると共にアリアンロードの背後を駆け抜けた!すると神気と魔力による超越した大爆発がアリアンロードを襲った!
「グウッ!?」
セリカが放った”正義の大女神”の力を解放し、纏わせた斬撃を怒涛に放つSクラフト―――戦女神の剣嶺の受けたアリアンロードは全身から大量の血を噴出させると共に地面に跪いた!
「――――終わりだ!”俺達”の”約束”は誰にも阻ませない!ハァァァァァァァ………!」
するとその時、セリカは魔剣ラクスハイシェラと神剣リブラクルースを天へと掲げ、セリカが剣を掲げたその時セリカの容姿によく似た女性の姿がセリカの背後に現れた!
「なっ!?”正義の大女神”アストライア………!?」
それを見たアリアンロードは信じられない表情をした!魔剣からは膨大な魔力や神気のエネルギーを、神剣からは膨大な聖気を纏った炎――――”聖なる裁きの炎”を顕させ、現れたエネルギーと炎を合体させたセリカはアリアンロードの至近距離で解き放った!
「永遠なる約束――――――――ッ!!
「アアアアアアアアアアアッ!?み……ご……と……で……す……………」
セリカが放った”正義の大女神”、魔剣ラクスハイシェラと神剣リブラクルースの力を同時に解放し、解き放つ究極のSクラフト―――永遠なる約束を受けたアリアンロードは鎧は”聖なる裁きの炎”によって焼きつくされ、大火傷を負った状態で素顔をさらすと共に吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられ、身体を震わせながら起き上がったがすぐに跪いた!
「ちょ、ちょっと、ちょっと!?こんな大番狂わせ、ありかい!?」
「まさか”鋼の聖女”殿がこうもあっさりとやられるとは……」
アリアンロードの惨状を見たカンパネルラは焦り、ノバルティスは信じられない表情をし
「……………貴様。何故、サティアの事を知っている。」
(………どうやらその騎士をただで返す訳にはいかなくなっただの。)
技を放ち終えたセリカはアリアンロードを睨み、ハイシェラは真剣な表情で呟き
「ば、馬鹿な……!」
「アリアンロード様っ!」
「そ、そんな……ありえませんわ!」
騎士装束の娘達は信じられない様子で叫んだ。
「………これがセリカ殿の真の実力……」
「す、凄すぎる……!」
「あ、ああ……!これほどの力を持つ人をクロスベルに呼んで、遊撃士協会を手伝うように頼んだエステルに感謝だな……!」
セリカの圧倒にして超越的な力にアリオスは呆け、スコットは驚き、ヴェンツェルは明るい表情で言い
「………………………」
「も、もはや私達では決して理解できないレベルね……」
「で、出鱈目とは思っていたが、まさかここまで出鱈目とは……」
「……セリカさんの強さを理解するなんて絶対に不可能ですよ……」
ロイドは口をパクパクさせ、エリィとランディは疲れた表情で呟き、ティオは苦笑し
「あ、圧倒的です……!」
「フフ………向こうは向こうで反則的な強さだけど、こっちはこっちでそれのさらに上を行ったね。」
「凄いな……まさに”神”と言ってもおかしくない強さだな……」
「………あの時、”嵐の剣神”と対峙しなくて本当によ、よかった………」
ノエルは信じられない表情をし、ワジは口元に笑みを浮かべて呟き、リィンは驚きの表情で呟き、リーシャは表情を青褪めさせた状態で安堵の溜息を吐き
「うむ!当然の結果じゃな!」
「全てを取り戻した主に敵はありません。」
レシェンテは力強く頷き、リタは微笑み
「す、凄い、凄い!凄すぎるよっ!」
「さすがは”神殺し”ですね……敵にすれば恐ろしいですが、味方にすればこれほどまでの頼もしい存在はいないでしょうね…………」
シャマーラははしゃぎ、エリナは静かな笑みを浮かべて言った。
「1人たりとも逃がさん!――――出でよ!再誕を誘う究極の雷!!」
するとその時セリカは再び2本の剣を天へと掲げ、天へと掲げられた2本の剣は呼応するかのようにすざましい神気や光をさらけ出し、セリカの上空にはなんと雨雲が発生し、そして雨雲からすざましい雷がセリカに落ち、セリカを中心とした戦場に雷の衝撃波が襲い、他にもすざましい雷が落ちた!
「果たされた誓い(リバースクルセイダー)――――――――ッ!!」
セリカが放った”正義の大女神”アストライアの神力と”絆の神剣”の神力を呼応させ、解放するSクラフトにして究極神魔術―――果たされた誓い(リバースクルセイダー)による”神雷”は味方であるロイド達にも命中したがロイド達を決して傷つけず、カンパネルラ達全員を傷つけ、1人たりとも逃がさず襲うと同時に周囲のプレロマ草を焼き尽くした!
「ウワアアアアアアアアアア―――――――――ッ!?」
「ギャアアアアアアアアアアアアアア―――――――――ッ!?」
「アアアアアアアアア――――――ッ!?」
「ガアアアアアアアアアアアアア――――ッ!?」
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア――――――――――ッ!?」
「グアアアアアアアア――――――ッ!?」
膨大な魔力や神気が籠った神雷を受けたカンパネルラやアリアンロード達全員は悲鳴を上げ
「「「「…………………………」」」」
ノバルティスと騎士装束の娘達は全員身体をピクピクさせて、全身大火傷を負った状態で地面に倒れて気絶し
「グッ……………」
アリアンロードは地面に跪いた状態で呻き
「グッ………計算外だよ……まさか”鋼の聖女”が敗北するなんて………彼なら”神機”すらも生身で破壊できるような気がしてきたよ…………………ここはさっさと撤退すべきだな……」
同じように全身大火傷を負い、地面に倒れていたカンパネルラは呻いた後身体を震わせながら立ち上がって指を鳴らした。するとカンパネルラ達全員は炎に包まれた!
「しまった……!」
「逃げる気か……!」
それを見たロイドとランディは声を上げ
「これほどの好機、逃すわけにはいかん……!」
アリオスは武器を構えて真剣な表情で声を上げた。
「一つ……忠告しておきましょう………此度の『計画』において我らはあくまで……脇役にすぎません……」
するとその時アリアンロードは表情を歪めた状態で呟き
「え……」
「なに……?」
アリアンロードの言葉を聞いたロイドは呆け、アリオスは驚いた。
「じきに……獣たちが放たれ……この地に混乱をが…………招かれるでしょう……されど……目の前で起きる悲劇に囚われすぎぬよう……心得なさい……」
「ウフフ、それじゃあ、またね………まあ、”嵐の剣神”とは2度と会いたくないけど。」
そしてカンパネルラ達は炎に包まれ、その場から消えようとしたが
「沙綾!双妖舞!!」
「なっ!?アアアアアアアアア―――――ッ!?」
姿が消える直前、二刀流で強襲して来たセリカの飛燕剣―――――二刀流でそれぞれの片手から同時に『沙綾身妖舞』を放つセリカが編み出した”飛燕剣”の二刀流剣技の一つ――――沙綾双妖舞を受けて全身から大量の血を噴出させて悲鳴を上げながら姿を消した……………!
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