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オズのボタン=ブライト

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第十幕その十一

「そうしようね」
「ボタンの言う通りにですね」
「そう、一杯あるからね」
 食べるべきお菓子達がです。
「食べようね」
「それじゃあ」
 カルロスも他の子達も頷いてでした、またお菓子を食べはじめました。それは他の皆も同じでなのでした。
 皆午後もお菓子を一杯食べました、そして夕方になって。
 そうしてです、王様が皆に言います。
「では宮殿に帰るか」
「うん、そしてだね」
「お風呂じゃ」
 王様の好きなそこにとです、ボタンに答えます。
「御飯も食べようぞ」
「今度はお菓子だけじゃないね」
「うむ、今夜はな」
 今晩のメニューはといいますと。
「ブラジル料理じゃ」
「僕の国ですね」
「どうもそれが食べたくなってな」
 だからというのです。
「シェフに頼んでおいた」
「では」
「うむ、皆で食べようぞ」
 そのシェフのメニューをというのです。
「ブラジル料理をな」
「わかりました、それじゃあ」
「さて、ブラジル料理といえば」
 目を輝かせて言う王様でした。
「シェラスコじゃがな」
「やっぱりそれが一番有名ですね」
「しかし今回はな」
「シェラスコ以外のメニューをですね」
「用意してくれている筈じゃ」
 シェフの人達がというのです。
「どういったメニューか楽しみにしつつな」
「そのうえで」
「帰ろうぞ」
 宮殿までというのです。
「よいな」
「ずっと王様と一緒に宮殿のお料理を食べてるけれど」
 王子がここで言うことはといいますと。
「一度も美味しくないって思ったことはないよ」
「そうなのよね」
 オズマも王子の言葉に頷きます。
「王様の宮殿もね」
「味付けは甘めにしても」
「甘くないとのう」
 その王様のお言葉です。
「わしは駄目じゃからな」
「子供に近い味覚ですよね、王様は」
「童心があるからじゃ」
 こう王子に返す王様でした。
「わしは甘いものが好きなのじゃ」
「というか王様は」
 カルロスが言うには。
「子供そのものじゃ」
「ほっほっほ、そう言うか」
「怒られました?」
「いやいや、褒め言葉じゃよ」
 お髭を弄りながらです、王様はカルロスに答えました。
「わしにとってはな」
「子供みたいって言われることは」
「言ったな、わしは童心がある」
「はい」
「子供の心のままなのじゃ」
「だからですか」
「そう言われることはな」 
 まさにというのです。
「わしにとっては褒め言葉なのじゃ」
「そうなんですね」
「だからそう言われて嬉しいぞ」
「だといいですが」
「うむ、わしは永遠の子供じゃ」
 そうだというのです。 
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