転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1405話
俺とナタル、そしてエリナが部屋の中で会話をする事、20分程。
分かっていたが、エリナとナタルは生真面目で苦労性というところもあって、相性が抜群に良かった。
それこそ、会ってすぐに意気投合したくらいには。
お互いの口調もすっかり打ち解けた感じになっており、今では親友同士と表現してもいい程に打ち解けている。
……超進化ってこういうのを言うんだろうな。
「それで、やっぱりシャドウミラーだと色々と苦労が多いんでしょう?」
「そうだな、基本的に自由人が多いから……自由人と言えば聞こえはいいけど、その実自分勝手に動く人が多いし。アクセルからして……」
一旦言葉を切ったナタルの視線が、俺の方へと向けられる。
そんな視線を向けられた俺は、居心地の悪さを感じながらもそっと視線を逸らし……
ヴィー、ヴィー、という非常警報が鳴り響く。
「来たか?」
こちらのタイミングとしては、決して悪いものではない。
いや、それどころか俺としてはこの居心地の悪さから解放してくれるという意味で物凄いタイミングがいいとも言える。
「エリナ、状況を」
「ちょっと待って」
俺の言葉よりも前に、エリナはコミュニケを起動させて情報収集を開始していた。
映像スクリーンに映し出されたのは、俺には見覚えのない人物。
30代程の男で少し気弱そうな男だが、今は緊張でいつ倒れてもおかしくないような様子だ。
……おい、本当に大丈夫なんだろうな? 俺ですらそう思ってしまうような相手なのだが、エリナは特に相手の様子を気にした様子もなく会話を続けていた。
もしかして、これが普通だったりするのか?
「状況は?」
『賊軍が月に向かって進軍中です』
「それは想定されていた事でしょう? 今更慌てるような事はない筈よ」
『いえ、それが……その……敵陣の中に新型と思しき見た事のない艦がありまして』
「……新型艦?」
へぇ。新型艦か。どこが用意したんだろうな。
ナデシコを作ったノウハウを持つネルガルの社長派か、それともクリムゾングループか……それとも連合軍の虎の子という可能性もあるか?
「なるほど、新型艦の数は?」
『幸い1隻だけです』
「他の戦力は通常の戦力なのね?」
『いえ、エステバリスが確認されています。どうやらその新型艦はエステバリスの運用艦らしく……』
「ちょっと待って。じゃあ、もしかして相転移エンジン搭載艦!?」
『恐らくですが。エステバリスを運用出来る程の出力を持ち、それでいて戦艦に搭載可能な動力炉となると相転移エンジンくらいしかありませんし』
「ありませんし、じゃないわよ! 入手した相転移エンジンは全てこちらで確保していた筈でしょ! それも戦艦を建設するとなると、向こうは相当前からその相転移エンジンを手に入れていた事になるわよ!?」
焦って叫ぶエリナだったが、その気持ちは分かる。
殆ど休みなしで働ける量産型W、メギロート、そして何より魔法球といった存在のないこの世界では、戦艦1隻を建造するにも相応の時間が掛かる。
そう考えれば、向こうがどこから相転移エンジンを入手したのか……ああ、なるほど。
「今回のクーデターが起こる相当前から、木連と地球の一部勢力は手を組んでいた、のか?」
「……だろうな」
ナタルが俺の言葉に同意する。
軍人であり、アークエンジェルやドミニオン、シロガネといった艦の艦長を務めてきた経験があるだけに、ナタルは戦艦の建造にどれだけの時間が掛かるのかをよく知っている。
それこそ、下手をすれば年単位で時間が掛かってもおかしくないのだと。
「どこだと思う?」
エリナの言葉を邪魔しないように尋ねてきたナタルの言葉に、少し考えてから口を開く。
「ネルガルは月の件もあって問題外、連合軍は使者を殺した件も加わってネルガル以上に問題外……そうなると、やっぱりクリムゾングループが怪しいだろうな」
木連と手を組むのであれば、消去法としてクリムゾングループしか残っていない。
いや、クリムゾングループも巨大グループだ。当然月の独立騒動の時には関わっていただろうが、火星に大々的な研究施設を持っていたネルガルと比べると、まだ木連と手を組みやすいだろう。
「だとすれば……エリナ、敵の新型艦には十分に注意した方がいい」
友人の……いや、この短期間で親友へとレベルアップしたナタルの言葉に、コミュニケで相手と話していたエリナが険しい表情で頷く。
「ええ。油断しないようにきちんと言ってあるわ。それより、シャドウミラーにも早速出撃要請をしたいのだけど……」
「だろうな」
敵が既存の戦力だけであれば、もしかしたらナデシコだけでどうにか出来たかもしれない。
だが……相転移エンジン搭載艦と思われる新型艦にエステバリスがいるとなれば、良くて五分五分……いや、恐らく新型艦はナデシコの技術を利用して作った艦なのだろうから、ナデシコよりも性能は上だと見るべきだ。
艦長やクルーの技量に関しては、性格に問題があっても凄腕を集めたというナデシコだ。その上で今までナデシコを乗りこなしてきたのだから、どこをどう動かせばどう反応するのかというのをこれ以上ない程に理解している。
「分かった。すぐにこっちも出撃準備をする」
「お願い。一応シャドウミラーの指揮権は私達にないから、出来るのは要請だけだけど……」
まぁ、シャドウミラーに対しての指揮権なんて、あったらあったで色々と不味い出来事になりそうだけどな。
それを考えれば、指揮権を持たないでこちらの自由意思に任せるというのは意外と悪くない選択なのだろう。
「問題ない。こっちもこっちである程度好きにやらせて貰うからな。……ナタル」
その短い呼びかけだけで、ナタルは俺が何を言いたいのか理解したのだろう。エリナに小さく頷いてから俺の方へと近寄ってくる。
俺もまた立ち上がり、近くにナタルが来たのを確認するとエリナに小さく頷いてから影のゲートを足下につくり……そこに身体を沈めていく。
エリナも既に何度か俺の影のゲートを見ている為か、特に驚きもせずに俺とナタルを見送るのだった。
「あら、随分と早いお帰りね」
シロガネのブリッジにて、美砂がそんな風に言って俺を出迎える。
「そうか? まぁ、分かってると思うけど、敵が来たからな。どうしてもそれに対応する必要があったんだよ。……ナタル、シロガネの方は任せた。俺は出撃する」
「それは構わないが……いや、本当にいいのか? アクセルのことだから、その辺はあまり心配いらないと思うが、向こうも新型艦を出してきたのだろう?」
出来れば最初は様子見をした方がいいのではないか。そんな思いを込めた呟きをナタルが口にし、それをどう説得しようかと考えていると……
「戦艦が何隻が出撃したわ」
円から報告に、少し驚く。
随分と早い出撃だったからだ。
シャドウミラーによって手を入れられたシロガネであればまだしも、ナデシコ世界の戦艦は出撃すると言ってすぐに出撃出来るようなものではない。いや、シロガネだってナデシコ世界の艦よりは短いが、出撃までにある程度時間が掛かるのは事実だ。
そうである以上、この出撃までの早さは異常といえた。
考えられる可能性としては、今出撃したという戦艦が元々何らかの理由で出撃する予定になっていたので、これ幸いとスクランブルを掛けられた……といったところか。
映像モニタに出撃した戦艦の姿が映し出された。
正確には戦艦や駆逐艦といった艦が混ざった艦隊だったが、それは今はいいだろう。
全部で5隻のその艦隊は、月面ドッグに向かってくる敵の新型艦を含めた戦力調査をしようというのか、それとも単純に自分達で新型艦を含めた賊軍をどうにか出来ると思っているのか……
ともあれ、賊軍の艦隊へと向かって攻撃を仕掛ける。
それを迎え撃つ賊軍の艦隊は先頭にナデシコに比べると妙に細長い形の戦艦の姿がある。
これが恐らく新型艦なのだろう。
横幅の広いナデシコに比べると、まるで針金のように細長い……というのは少し言い過ぎかもしれないが、そんな印象の艦なのは間違いない。
そして新型艦の背後には連合軍の所属する艦が有象無象といった様子で浮かんでいる。
……あの新型艦がネルガルの社長派が作ったのだろう新型艦だとすれば、クリムゾングループの戦力はどこにいるんだ?
今回の月ドック襲撃の件は、賊軍に取っては天王山に近い。
それなのに、賊軍の中で最大派閥の筈のクリムゾングループが戦力を用意していないとは思えないんだが。
「円、敵は本当にこれだけか? 他にいないのか?」
「え? うん、どうだろ、今はドックの中にいるからレーダーも限定的だけど、他に敵がいればドックの方から教えてくれるんじゃないの?」
「……ナタル、早いところここから出た方がいい。もし俺の予想が正しければ……」
最後まで言わずとも、根っからの軍人であるナタルには俺の言いたい事が分かったのだろう。表情を引き締めて口を開く。
「分かった。円、すぐに管制室に連絡を。シロガネもすぐに出撃する」
「分かったわ」
ナタルの言葉に即座に反応する円。
この辺りは既に阿吽の呼吸……というのはちょっと言い過ぎだが、慣れているやり取りだと言ってもいい。
ナタルがシャドウミラーに所属してから数年、シロガネの艦長として共に過ごし、訓練してきただけにお互いの呼吸は理解しているのだろう。
円の隣では美砂が何も言わずに出航の準備を進めている。
こちらもナタルが何も言わずとも次々に指示をこなしているのだからさすがと言ってもいいだろう。
「管制室から出撃の許可が出たわよ」
管制室と通信していた円が、そう報告する。
予想以上に素早い許可だが、エリナが俺達の指揮権は向こうにないと言っていた以上、それはおかしくないのだろう。
向こうにとっても、シャドウミラーが戦いに参加するのは歓迎こそすれ困る事はないのだから。
「よし、ではシロガネ出航する!」
その声と共に量産型Wがシロガネを操舵し、ドックから出港する。
そして宇宙空間に出ると同時に……
「ちょっと!」
オペレーターとして周囲の様子を探っていた美砂が、悲鳴のような声を出す。
「何があった!」
ナタルの口から出る声に、美砂が慌てて言葉を紡ぐ。
だが、それよりも映像モニタへと視線を向けた俺はそこで繰り広げられている光景に唖然とするしかなかった。何故なら……
「さっきネルガルドックから出撃した5隻の艦が同士討ちをしているわ!」
そう。美砂の言葉通りの光景がそこに映し出されていたのだから。
映像モニタには、何故か味方同士で撃ち合っている艦の姿が映し出されている。
いや、それどころではない。エステバリスや戦闘機といった討伐軍側の戦力も同士討ちを行っている。
討伐軍側が二つの勢力に分かれ、戦略も何もなく戦っている状況。
「討伐軍側に向こうの手の者が潜んでいた? ……いや」
ナタルが思いつきのように呟くも、すぐに首を横に振って自分でそれを却下する。
「だろうな。もし本当に賊軍の手の者が潜んでいるとしても、ああやって正面から相手を攻撃するような真似はしないだろ。それこそ、背後から攻撃を仕掛けるなりなんなりすればいい」
「だとすれば……一体、何であんな風に同士討ちをしてるの」
円の疑問に俺も首を捻り……唐突にとある人物の顔が脳裏を過ぎる。
それは、今では俺ともそれなりに親しい人物。
ミナトを姉代わり、もしくは母代わりに思っている人物。
まだ子供……いや、少女でありながらナデシコを運用する重大な機能を司っている人物。……ホシノ・ルリ。
この世界の中では希有な能力を持ち、同時にオモイカネというAIの存在により電脳空間では強力無比な力を持つ人物。
今はまだ長谷川の持つ電子精霊と比べると力足りないが、それも長谷川に言わせれば将来的には自分を上回るのは十分に可能という事だった。
シャドウミラーの機体に関しては、技術班のおかげもあって向こうで操る事は不可能だが、それはシャドウミラーだからこそだ。
このナデシコ世界の艦であれば……それも、ナデシコのように新型艦であればまだしも、現在連合軍で採用されている艦であれば、そういうものに対する防御能力も決して高いとは言えないだろう。
つまり、恐らくあの新型艦にはルリと同じような能力を持つ人物が乗っているって事か?
だが、オモイカネのようなAIと親和性の高い能力を持っている者は決して多くはない。
いや、それどころか非常に稀少だと言ってもいいだろう。
でなければ、ナデシコにルリのような少女を乗せるような真似はしないだろう。
……そんな人材を、偶然向こうが見つけていた? そんな都合のいい事があるのか?
そんな疑問を抱いていると、美砂の声が響く。
「向こうの艦隊と正反対に新たな艦隊の姿を確認! 数は約30隻!」
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:465
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1200
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