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Three Roses

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第八話 短い輝きその一

                 第八話  短い輝き
 王は玉座にいたがその顔は雪の様に白く目の光は弱々しかった。マリーはその王を見て気遣う顔でだった。
 王の前に進み出てだ、こう言った。
「王よ、今はです」
「休まれよというのですか」
「はい、お身体が優れない様です」
 だからこそというのだ。
「ですから」
「そうですか」
「はい、私もここに入られる前に申し上げましたが」
 大公も王に言う、彼の傍から。
「やはり今日はです」
「休むべきですか」
「無理はされぬ様」
「ですが王として」
「先程はその熱意にほだされ案内しましたが」
 それでもというのだ。
「やはりです」
「今は」
「いえ、今日はです」 
 この日一日はというのだ。
「休まれて下さい」
「そうするべきですか」
「私もそう思います」
「私もです」
 セーラとマリアも王の前に進み出て言った。
「今日はゆっくりと休まれて下さい」
「寝室で」
「そしてお元気になられてです」
「また政務にお励み下さい」
「姉上達までそう言われるのなら」
 王は四人の言葉を受けてだった、そのうえで。
 深く考える顔になりだ、こう言ったのだった。
「それでは」
「すぐにだ」
 大公は侍従達に言った。
「王を寝室にお連れせよ」
「わかりました」
「では王、こちらにどうぞ」
「寝室まで案内致します」
「そしてそちらで」
「わかった、ではな」
「後のことは私にお任せ下さい」 
 大公はこの日の政務のこともだ、王に話した。
「務めさせて頂きます」
「はい、それでは」
 王も大公の言葉に頷いた、そしてだった。
 王はその場を後にした、そのうえ自身の寝室に入った。大公は王の代わりにこの日の政務を見たが。
 その後でだ、大公は王を見舞ってから側近達に言った。
「まずい、昨日よりもだ」
「お身体が優れていない」
「そうなのですね」
「日に日にだ」
 まさにというのだ。
「お身体が悪くなっておられる」
「やはりそうですか」
「どうもと思っていましたが」
「王のお身体は悪くなるばかり」
「左様ですか」
「よりより薬を出そう」
 是非にというのだった。
「ここはな」
「はい、そしてですね」
「そうしてですね」
「王に元気になって頂く」
「何があろうとも」
「そうだ、何とかだ」
 大公の言葉は強いものだった。
「そうなって頂く、しかし」
「それでもですね」
「人は、ですね」
「その運命は、ですね」
「新教でもこの考えの者は少ないが」
 それでもだった、大公はここはあえてその考えを側近達に言った。 
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