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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第47話

~オルキスタワー~



「今、この場で語られている安全保障の議論について……一つ私の方から提案させて欲しい事があります。」

「ほう……?」

「ふむ?」

席から立ち上がりディーター市長の言葉を聞いたオズボーン宰相とリフィア皇女は興味深そうな表情をし

「ハハハ、先程から大人しいと思っていたが……何を仰られるおつもりかな?」

ロックスミス大統領は笑顔で笑った後、目は笑っていない状況で尋ねた。

「ええ、それは―――」

そしてディーター市長が答えかけたその時

「―――方々(かたがた)、下がられよ!」

何かに気付いたアリオスが大声で警告した!すると飛行艇が2機、ガラスの外に現れた!

「な―――!」

「飛行艇……!?」

「見た事がない機種ね。」

それを見たマクダエル議長やクローディア姫は驚き、レン皇女は真剣な表情で見つめていた。すると2機の飛行艇は怒涛の銃撃を放ってガラスを割ろうとした!

「くっ……!」

「まさか……テロリストどもか!?」

「……………」

「ここで来たか……!」

その様子を見たアルバート大公は唇を噛みしめ、オリヴァルト皇子は声を上げ、オズボーン宰相は真剣な表情で黙り込み、ロックスミス大統領は驚いて声を上げた。

「ご安心を!砲撃にも耐えられる特注の強化ガラスです!ですが念のため全員、おさがり下さい!」

そしてディーター市長の警告を聞いた首脳陣は下がり、飛行艇は上昇し、騒ぎを聞きつけた各国の将校達が会議室に入って来て首脳陣に近づいた。

「殿下、ご無事ですか!」

「ええ、何とか……」

ユリア准佐の言葉にクローディア姫は頷き

「リフィア殿下、レン姫。お怪我は?」

「大丈夫だ。」

「レンも大丈夫よ。」

真剣な表情のエリゼに尋ねられたリフィア皇女とレン皇女はそれぞれ頷き

「リフィア殿下、迎撃しますか?」

シェラ元帥はリフィア皇女に判断を仰ぎ

「いや、今は余達の護衛に専念しろ。奴等を相手するのは余達ではない。」

「了解しました。」

リフィア皇女の指示にシェラ元帥は頷き

「今のは……ラインフォルト社の高速艇か。」

「ああ、間違いないだろう。」

ミュラー少佐の言葉にオリヴァルト皇子は頷き

「もう一隻はヴェルヌ社の軍用ガンシップですね……」

「ええ、連中に奪われたことは報告にありましたが……!」

キリカ補佐官の呟いた言葉にカルバード軍将校は頷いた。するとその時ダドリーが部屋に入って来た。

「皆さん、ご無事ですか!」

「ああ、何とか……」

「しかし連中はどこへ……」

ダドリーの言葉にマクダエル議長は頷き、ディーター市長は考え込んだ。するとその時



「……ふむ。聞こえているようだな。―――会議に出席されている方々。我々は『帝国解放戦線』である。」

「―――同じくカルバードの旧き伝統を守るために立ち上がった『反移民政策主義』の一派の者だ。」

「なんだと……!?」

「エレボニアとカルバードで活動しているテロリスト集団……!?」

「白昼堂々と仕掛けてくるとは予想外ね。」

聞き覚えのない声を聞いたアルバート大公は声を上げ、イアンは驚き、レンは小悪魔な笑みを浮かべていた。

「この度、我々は互いの憎むべき怨敵を討たんがため共に協力することと相なった。―――覚悟してもらおう!”鉄血宰相”ギリアス・オズボーン!」

「ロックスミス大統領!貴方にはここで消えていただく!忌まわしき東方人に侵食されたカルバードの伝統を守るためにはそのくらいの荒療治が必要なのだッ!」

「……愚かなことを。」

「フム、話にならんな。」

テロリスト達の声を聞いたロックスミス大統領とオズボーン宰相は溜息を吐いた。

「だが……ちょいとマズそうだなァ。」

「ああ……来るぞ。」

「……………」

「くっ……!」

そしてレクター書記官の言葉にアリオスは頷き、レオン少佐は目を細め、ダドリーは唇を噛みしめた。



一方屋上にはテロリスト達が乗った飛空艇が着地し、テロリスト達が次々と降りて行った後下に向かって行った。

「――こちらにまっすぐ向かっているだと!?クッ、あの図面はこのために……とにかく待機させていた警備隊をこちらの方に急行させて―――なんだとッ!?」

会議室の端で通信で報告を受けていたダドリーは唇を噛みしめた後指示したがある事を報告されて声を荒げた。警備隊員や警官達は上に上がる為に非常階段に急いだがシャッターが閉じられ

「な、なんだこれは!?」

「ど、どうしていきなり……」

「なんだ、何が起こっている!?」

それを見た警備隊員や警官、ピエールは戸惑っていた。一方エレベーター方面では警官達が何度もエレベーターのボタンを押したが反応はしなかった。

「だ、駄目です!ボタンを押しても反応しません!」

「クッ……何がどうなっている!?」

反応しないエレベーターに警官達は混乱し

「ちょっと、これじゃあ取材ができないじゃないの!?レインズ君、なんとかしなさい!」

「む、無茶言わないでくださいよ~!」

グレイスは驚いた後後輩の新聞記者に無茶な命令をしていた。



「あ―――」

「これは……とんでもない事になったね。」

「まさかエレボニアとカルバードのテロリストが手を組むなんて……」

一方その様子を見ていたエリィは声を上げ、ワジとリィンは厳しい表情をし

「……オルキスタワーの制御を奪われたようです。昨日のハッカーの仕業かもしれません。」

ティオは自分の推測をロイド達に言った。

「くっ、俺達も行くぞ!とにかく35Fに降りて首脳達の安全を確保しないと!」

「―――了解です!」

「エレベーターが駄目なら非常階段しかなさそうだな!」

ロイドの指示にノエルとランディは力強く頷いた。そしてロイド達は35Fに向かう為に非常階段に急行した。



非常階段に急行したロイド達だったがシャッターによって道を防がれていた。

「さ、さっきまで通れたはずなのに……!」

閉まっているシャッターを見たノエルは信じられない表情で呟き

「ティオ、行けるか?」

「……何とかやってみます。」

ロイドに言われたティオはシャッター脇のコネクタに導力ケーブルを接続した。

「………………少々やっかいですね。でも、これなら何とか……」

ティオが端末を操作するとシャッターが開いた。

「開いた……!」

「さすがティオすけ!」

「こんな短時間で解除するなんて……!」

それを見たエリィは明るい表情をし、ランディは称賛し、リィンは驚いた。

「いえ、セキュリティが低めに設定されていただけです。ですが今の解除で他の扉のセキュリティが強化されてしまいました。とても全部を開いていられないかもしれません。」

「そりゃまた用意周到な……」

ティオの話を聞いたワジは溜息を吐き

「くっ……とにかく下に降りるぞ!」

ロイドは仲間達と共に走り出し、下に向かって行った。一方その頃テロリスト達はエレベーターで35Fまで来た後会議室に向かったが既に待機していたダドリーと警官達による銃撃戦を繰り広げていたが、銃撃戦の間になんと手榴弾を投げた!

「うわあ~っ!」

「ぎゃっ!」

「くっ……!」

手榴弾の爆発に巻き込まれた3人は吹っ飛ばされた!するとその時、剣や盾を装備したテロリスト達が銃を持ったテロリスト達の背後から現れ

「今だ……!」

「宰相の首を狙え!」

テロリスト達に号令をかけた後走り出した。しかしその時アリオスがダドリー達の背後から飛び込んできて、斬撃を放って怯ませた後テロリスト達を吹っ飛ばした!

「―――ここは通さん。」

アリオスはテロリスト達を睨んで呟き

「ぐっ、”風の剣聖”か!」

「ひるむな!波状攻撃を仕掛けるぞ!」

テロリストの一人は立ち上がってアリオスを睨み、他のテロリストは号令をかけた。するとその時ミュラー少佐とユリア准佐、レオン少佐がかけつけた!

「―――助太刀します!」

「リフィア殿下の命により、俺も援護する!」

「そちらは下がられよ!」

「かたじけない!」

ユリア准佐、レオン少佐、ミュラー少佐の言葉を聞いたダドリーは頷いた後倒れた警官を立ち上がらせ、自力で立ち上がった警官と共に後ろに下がりはじめた。

「ミュラー・ヴァンダール!」

「アルノール家の守護者か……!」

「あれはリベールの親衛隊……!?」

「メンフィルの親衛隊までいるぞ……!?」

「構うものか、やってしまえ!」

そしてアリオス達とテロリスト達は戦闘を開始し、戦闘の最中にダドリーがかけつけて4人と共に戦闘を始めた!アリオス達が戦っているとロイド達が駆け付けた。



「凄い……!」

「とんでもねぇな……」

「あれがレオン少佐の実力………早く、鋭い太刀筋だ……」

「でも、あれなら何とか……」

5人の戦闘を見たロイドは驚き、ランディは溜息を吐き、リィンは信じられない表情でレオン少佐を見つめ、エリィは明るい表情をした。するとその時会議室の扉が開いてレクター書記官が姿を見せ

「お、来たか。」

「レクターさん……!」

「出席者の皆さんは無事なんですか!?」

「あー、今のところはな。」

エリィの疑問にレクター書記官が答えたその時、レクター書記官の背後からキリカ補佐官も姿を現した。

「――話は後。後ろから来るわよ。」

「え……」

キリカ補佐官の言葉にロイドが呆けたその時、何かに気付いたティオとワジは振り向いた。

「機械音確認……!」

「何か来たみたいだね。」

ティオとワジが呟くと3体の武装した動く機械が現れた!

「こ、これは……!?」

「マフィアのアジトにいたのと似たようなタイプみてぇだな!」

「とにかく撃退するぞ!」

そしてロイド達は戦闘を開始した!



「「……………」」

2体の人形兵器は銃撃や砲弾をロイド達に放ったが

「―――させません。」

ティオが展開したドーム型の簡易結界によって防がれ

「ハァァァァァ……!!」

さらに結界を展開し続けるティオが放ったクラフト―――魔眼を受けて動きを封じられた!

「……………」

一方残りの一体の人形兵器は接近戦を仕掛ける為にロイド達に近づいて行ったが

「行くわよ……!ヤアッ!!」

「行きますよ……!ファイアー!!」

エリィのクラフト―――ペネトレイターとノエルのクラフト―――アサルトラッシュによってダメージを受けると共に怯んだ!

「オラアッ!!」

そこにランディがクラフト―――大切斬で真っ二つにして破壊した!

「うおおおおお………ハアッ!!」

その時ロイドは遊撃士リンとエオリアの模擬戦の支援要請を受けた際、リンに教えてもらったトンファー技にして回転により敵を吸引するクラフト――――レイジングスピンで魔眼によって動きが止められた敵達を引き寄せると共にダメージを与え

「それっ!!」

「ハァァァ……セイヤッ!!」

そこにワジがクラフト―――スカイアッパーを、リィンがクラフト―――光鬼斬を放って残りの敵達を破壊した! 
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