Three Roses
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第七話 子をもうけぬままその七
国政を担っていた、それは軍事にも及び。
新しく編成された丸みもある甲冑と兜に身を包み多くの銃とパイク槍で装備した軍隊を見てだ、王は大公に言った。
「この軍がですね」
「はい、我々が常に備えている軍です」
「それは前からありましたが」
「以前よりその数を増やしてです」
そしてというのだ。
「装備もあの様にです」
「一新したのですね」
「そうです、何から何まで」
「甲冑が変わりましたね」
王はまずは彼等の銀色のそれを見た。
「丸みがあり軽い」
「動きやすいものにしました」
「それはどうしてでしょうか」
「鉄砲のことを考えまして」
「鉄砲ですか」
「そうです、今は弓矢より鉄砲を多く使う様になってきているので」
それ故にというのだ。
「鉄砲の銃弾を考えまして」
「あの様な鎧にされましたか」
「軽く動きやすく」
そしてというのだ。
「丸みがあり銃弾を跳ね返す」
「そうしやすいものにしたのですか」
「そうです、その鎧は胸だけで」
実際にその通りだった、これまでの重装騎兵プレートメイルで全身を包んだ彼等とは全く違うものになっている。
「腰から下はです」
「動きやすい様にですね」
「あの様にしました」
ズボンとブーツ、それだけにしたというのだ。
「その代わり兜はです」
「やはり丸みがあり」
「そうです、軽いものですが」
「いいものにされたのですね」
「その兵士のものもです」
貴族である士官は言うまでもなくというのだ。
「銃弾を考えまして」
「鎧と同じく」
「そうしました」
「そうですか」
「それで鉄砲はこれまでの倍以上に増やしました」
大公は今度は鎧を造るにあたって念頭に置いたこの武器のことを話した。
「そうしました」
「そしてその鉄砲隊で、ですね」
「はい、そうです」
まさにというのだ。
「敵を攻めます」
「そうするのですね」
「そして槍もです」
次はこの武器のことも話した。
「あの様にです」
「極めて長いですね」
「パイク槍にしました」
「あの槍で敵を攻めますか」
「そして防ぎます、しかも陣を組みますが」
戦う際にはというのだ。
「帝国の様にです」
「あのテルシオですね」
「はい、あの陣です」
まさにその陣を組むというのだ。
「そうして戦います」
「あの陣は相当に極力だとか」
「敵をその堅固さで押し潰します」
それがテルシオだというのだ。
「そのテルシオをです」
「我が国も取り入れる」
「そうします、そして騎兵隊もです」
大公は王にこの軍勢のことも話した。
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