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第九幕その一

                 第九幕  お菓子作り
 王様は朝風呂から出た王子と宮殿の廊下で会ってです、こんなことを尋ねました。
「お風呂はどうじゃった」
「いいお湯でしたよ」
 王子は微笑んで王様に尋ねました。
「いつも通り」
「ふむ、そうか」
「はい、お陰で頭も身体もすっきりしました」
「それはよいのう、その話を聞くと」
 王様はこう言うのでした。
「わしも入りたくなったわ」
「朝風呂にですか」
「うむ、そうしたくなった」
 王子に笑って言うのでした。
「どうもな」
「それではどうぞ」
 王子は王様に微笑んだまま言葉を返しました。
「何時でも入られれるお風呂ですしね」
「そうじゃな、では行って来る」
「はい、ただ」
「ただ、何じゃ?」
「王様今日は早起きですね」
 王子は王様にこうも尋ねました。
「いつもと違って」
「たまたまな」
「早く起きられたんですか」
「そうなのじゃ」
 その通りだというのです。
「本当にたまたまじゃ」
「そういう日もありますね」
「そうじゃ、ではな」
「これからですね」
「入ってな」
「朝御飯ですね」
「そちらも楽しもうぞ」 
 王子に笑って言ってです、そうして。 
 王様はお風呂に向かいました、ですが。
 お風呂場にはです、王様の前にもういました。そのいるのはといいますと。
「君達もおるのか」
「はい、何か目が覚めまして」
「それも三人共です」
「そうなってしまいまして」
 カルロスとジョージ、神宝が王様に応えます。三人共既に服を脱いでいて腰にタオルを巻いているだけの姿ですう。
「朝にお風呂に入ろうって」
「そうお話しまして」
「今からお風呂に入るところです」
「そうか、では一緒に入ろうぞ」
 王様は三人にも笑顔で応えました、そしてでした。
 すぐに服を脱いで一緒にお風呂場に入りました、まずはタオルと石鹸で身体を奇麗に洗ってシャワーで泡を洗い落としてです。
 王様は三人にです、笑ってこう言ったのでした。
「サウナに入るか」
「サウナですか」
「そこに入るんですか」
「うむ、そうするか」
 こう言うのでした。
「今朝のお風呂はな」
「サウナっていいますと」
 カルロスは王様の提案を聞いてこう言いました。
「ナターシャのお国のお風呂ですね」
「あの娘のじゃな」
「あの娘ロシア人で」
「その国ではじゃな」
「お風呂はサウナなんです」
「熱い部屋でたっぷりと汗をかく、じゃな」
「そうしたお風呂です」
 まさにというのです。
「あそこのお風呂は」
「確かロシアは寒かったのう」
「物凄く寒いんですよ」
「これが本当に」
 ジョージと神宝も王様にお話します、そのサウナに向かいながら。 
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