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オズのボタン=ブライト

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第八幕その十

「オズの国にも意志があって」
「人間みたいに」
「それで人を引き寄せる」
「私達にしても」
「国に意志があるなんてね」
 カルロスも言うのでした。
「不思議なことだよね」
「本当にね」
「まさに不思議の国ね、オズの国は」
「外に出た人まで引き寄せるなんて」
「そんな意志があるなんて」
「そして力もあるんだね」
 意志だけでなくとです、カルロスはこのことにも気付きました。
「引き寄せるだけの」
「だから僕もいつも戻って来るんだね」 
 ボタンも気付きました。
「寝て起きたらオズの国の外にいても」
「そうみたいだね」
「そしてオズの国に好かれてるのかな」
「オズの国は自分の国の人は皆大好きなのよ」
 オズマはにこりと笑ってカルロスの今の質問にも答えました。
「誰もをね」
「じゃあ僕も」
「ここにいる皆もよ」
 それこそというのです。
「大好きなのよ」
「そして引き寄せてくれるんだね」
「そうしてくれるのよ」
「僕を好いてくれるなんて」
 このこと自体がとても嬉しくてです、こう言ったカルロスでした。
「こんないいことはないよ」
「そう思うわよね、ボタンも」
「誰かに好いてもらうって嬉しいことだよね」
「ええ、そうよね」
「オズの国にそうしてもらえるなんて」
 それもというのです。
「本当に嬉しいよ」
「それじゃあね」
「うん、この国でずっと楽しく遊ぶよ」
「ほっほっほ、では宮殿に帰ったらじゃ」
 王様はボタンの言葉を聞いて笑って言いました。
「晩御飯まで遊ぼうか」
「今度は何をして遊ぶの?」
「おはじきにごむ跳びに何でもあるぞ」
 それこそtごいうのです。
「遊びならな」
「何でもだね」
「あやとりはどうじゃ」
 王様はこの遊びもお話に出しました。
「これは」
「王様あやとりもするんだ」
「これもまた面白くてのう」
「けれどあやとりって女の子の遊びだよね」 
 ボタンは首を傾げさせて王様に尋ね返しました。
「王様女の子の遊びもするの?」
「うむ」
 王様はコーヒーカップを手に胸を張って答えました。
「その通りじゃ」
「女の子の遊びは」
「女の子がするものというのじゃな」
「違うの?」
「わしは違う」 
 こう答えるのでした。
「遊びなら何でも遊ぶ」
「それが王様なんだね」
「左様、どんな遊びでもするのじゃ」
「だからあやとりもなんだ」
「するしのう」 
 さらに言葉を続けます、ボタンに対して。
「他の女の子の遊びもする」
「そして男の子も遊びもだね」
「するぞ」
「どっちもだね」
「楽しければ何でもする」
 それこそともいう返事でした。 
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