世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
なのはA's ~プログラム粉砕?~
「・・・・・で、やるゆーてもどうやるんだよ」
「そこなんだよねえ・・・・」
意気込んだはいいが、暴走プログラムはまだドームから姿を現さない。
アースラによると反応は依然消えず、おそらく中で肉体を構築しているのだそうだ。
「つーことは出てきた時点でクライマックス?」
「そうなるね。だから今ここで策を考えないといけない」
そこでクロノが提案してきたのは「アルカンシェル」と言うアースラ搭載の魔導砲による消滅だ。
「これは砲撃自体にはほとんど威力はないんだけど、着弾後に発生する空間歪曲と反応消滅で対象を殲滅するものなんだけど」
「世界ごと切り取って消すのか?」
「そういうことになるね」
「でもこれはこのままでは撃てない」
どういうことだ、と蒔風が聞くより早くクロノが先を言う。
「効果範囲が広すぎるんだよ。発動地点から百数十キロ。これでは・・・・」
「街が消えちゃう?」
「おおっと」
「はやての家も?それは絶対にダメ!!」
みんなから反対される。
もちろんクロノも同感だ。
「だからどうしようかと・・・・」
「ここじゃなくて別の場所で撃っちゃえば?」
「「「「え?」」」」
なのはのふとした一言が、みんなの耳に残った。
「だ、だってここで撃てないんなら・・・・おかしなこと言ったかな?」
キョトンとするなのはの頭を蒔風がポンと手を当てて撫でる。
「いーや、名案だ」
「と言うか、それしかない」
「でもあんな大きな物は僕でも転送できないよ?」
「「だったら吹っ飛ばすだけだ」」
クロノと蒔風が同時に言う。
「でもあそこから出てきたら絶対防壁はってんだろうなぁ」
『それは間違いないでしょう。貴方などの魔力もあるので、おそらくは五層ほどかと』
リィンフォースが伝える事実に、蒔風がニヤリとする。
「よっし、段階で攻撃しよう。まず俺が三層ほどぶち破る」
「「「「三層!?」」」」
「この身体で無茶して、だからな。本来なら楽に全部いってる」
「本来?」
「あーーー気にすんな。で、問題はその後だな」
「では私がやろう」
「じゃ、その次あたしな」
シグナムが名乗り上げ、その後にヴィータが立候補する。
『蒔風の直後に攻撃しても、おそらく一層は回復しますよ?』
「だったらそれはまた俺がぶちのめす」
「え?わたしたちは?」
「なのは達は最後だ。防壁破ってもその後にデカブツが来るんだから」
「あ、そっか・・・・」
「だったらそれまでの舜君の回復は私がやります」
「その間の護衛はまかせろ」
シャマルとザフィーラが蒔風の援護に回る。
「で、デカブツが出てきたら、なのは達、任せたよ?」
「任せて!!!」
「大丈夫!!」
「うちもがんばる!!!」
「その意気だ!!!それでちっちゃくなったら」
「僕とアルフの転送魔法でアースラの目の前に!!!」
「それでアルカンシェル!!終わりさね!」
ズッ、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・
「来るぞ!!!!」
そして、ドームが割れる。
中から現れたのは異形の怪物。
全長五十メートルは越えてるだろうか。
それだけの巨大な魔力の塊が、海上にその身を現した。
まさに混沌(カオス)
今まで蒐集した巨大生物のキメラのような姿がそびえたつ。
「んじゃ・・・いくっか!!!!ユーノ、翼をうまく隠してくれ」
『オッケイ!!』
蒔風が足場の魔法陣に立ち、構える。
「一番!!!世界最強、蒔風舜!!!みんなの願いを乗せて!!!!開翼!!」
開翼し、力を溜めこむ。
蒔風の周囲に黒い力場が発生し、それが手のひらにまとまる。
「混闇の元に・・・・獄炎!!雷旺!!いっくぜええええ!!!!」
二つの力がその手にまとまる。
「獄旺砲!!!!!」
ゴガウ!!!!!!!
極太の砲撃が放たれ、それが第一の防壁に当たり、次の瞬間には二層に到達し、三層目を粉微塵にする!!!
蒔風の砲撃が放たれる直前にシグナムの用意は終わっていた。
「二番!!烈火の将、シグナム!!レヴァンティン、刃、連結刃に続く、もう一つの姿!!!」
《ボーゲンフォルム!!!》
レヴァンティンの剣身と鞘を繋ぎ、弓状へと変形させる。
阻止れ自らの魔力から精製した矢を構え、咆哮する!!!
「駆けよ・・・・隼!!!!」
《シュツルムファルケン!!!!!》
シュカッ!!!!
ボッ、ギュオオオオオオオオアアアアアアアアアア!!!!!!!!!
音を越え、空気の壁をぶち割って、その矢が第四層目に衝突する!!!!!
ギャッ、ビキィ!!!!
ドゴオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!
そして防壁は残る一層
そこにヴィータの超巨大化したグラーフアイゼン最終形態・ギガントフォルムでの一撃が送り込まれる!!!
「三番!!鉄鎚の騎士、ヴィータ!!!行くぞアイゼン!!」
《ギガントフォルム!!!》
「轟天爆砕!!!!ギガントシュラーーーーーク!!!!!!」
ヴィータの全力の粉砕攻撃が、防壁へと振り下ろされる!!
最後の層とハンマーヘッドがぶち当たり、その層が粉々に砕け散った。
「よっシャ!!行く、ぜってうをぉ!?」
むき出しになった本体に蒔風が向かおうとすると、まずいと思ったのかプログラムが蒔風に向かって触手をおおよそ三十本もの数伸ばしてくる。
「させん!!!!縛れ!!鋼の軛!!!!」
しかし、その眼前にザフィーラが立ちはだかり、白く輝く槍が地面から突き出し、それら触手をすべて貫き殲滅する。
その隙に新たなる層を構築しようとするプログラム。
だが
「させない!!デュランダル!!!」
《OK,BOSS》
「悠久なる凍土、凍てつく棺のうちにて永遠の眠りを与えよ。凍てつけ!!!エターナルコフィン!!!!」
クロノによる凍結魔法にその全身が固まる。
その凍結魔法が水平線まで海を氷に変え、構築途中の防壁まで凍りついた。
「よっしゃ、力をッ!!借りる!!!ハクオロさーーーーん!!!ウィツァルネミテア!!!!!!」
ドゴォン!!!!
ウィツァルネミテアと化した蒔風が跳躍し、未完成の防壁の上部に拳を叩き込みぶち壊す!!
さらに凍結したその肉体を牙と爪で掘り進み、ついに輝く核を見つける!!!
「ぁあったーーーーーー!!!!!!」
蒔風がそれを抉り取り、上空に投げ放つ。
すると、海上の巨大なプログラムの肉体がザアッ、と砂状になって風に流れて消える。
それと同時に打ち上げられた核からはボゴゴッ!!と肉体が超速再生されていく。
「撃てぇ!!!!」
「全力全開!!スターライトォ・・・・」
「雷光一閃!!プラズマザンバァーー・・・」
「ごめんな。おやすみな・・・響け終焉の笛!!ラグナロク・・・」
流星のように魔力(ひかり)は集まり、
すべてを貫く雷が舞い、
終わりを告げる輝きがともる!!!!
「「「ブレイカーーーーーーーーー!!!!!!!!!」」」
バゴゴゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!
三方向からの一斉超巨大砲撃・トリプルブレイカーにより、核が破損し、吹き飛ばされる。
しかし再生は依然としてかのなようで、その速度は落ちてもいまだに再生を続けている。
「長距離転送魔法!!」
「目標、軌道上!!」
ユーノとアルフの転送魔法によってコアが送られようとする。
行く先は宇宙。
この星の軌道上で待機しているアースラの前方。
そこにアルカンシェルの砲撃が待っている!!!
「行くよ!!」
「任せな!!」
ユーノの掛け声にアルフが応じ、呼吸を合わせて同時に発動させる!!!
「転送・・・・・ッ!?」
しかし、その声は途中で止まる。
「どうした!!ユーノ!!!」
「おかしい・・・・目標がロストした!!!」
「な・・・に・・・・?」
蒔風たちがユーノの元に集まる。
皆デバイスを元の状態に戻し、蒔風も翼を消し魔法陣に立っている。
「どういうことだ!!」
「反応が急に消えた!!」
「バカな・・・あれが移動などできるわけがない!!!」
と、そこに声が響く。
「感謝感激雨霰!!!!!皆さんお待たせいたしました!!!呼ばれてないけどじゃじゃじゃじゃん!!!!俺のぉ・・・・・ビッグイベントショーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウ!!!」
さっきまであの化け物のいたところに、一人の男が浮いていた。
その声のした方を、全員が一斉に見る。
「あ、あいつは!?」
「お前ら始めてか・・・・なのはとフェイト、クロノは・・・」
「知ってるよ」
「うん」
「忘れるものか・・・・」
「さてさて、楽して手に入れたものだけど・・・・まあオレにはどーってことはない。まあ!?蒔風ぇ!!お前まだちっちゃいのな!!!」
「うっせえバカ!!!なんてことしてくれんだこの野郎・・・・」
「あいつが・・・・」
「蒔風の言っていた・・・・」
「奴」
そう呼ばれる男が、手のひらにコアを乗せて立っていた。
そのコアはなぜか再生を止め、大人しくその手の上にいる。
「へへへ・・・こっちはそれなりに満身創痍・・・だが、まあ気にすんな切札はあるしな・・・・」
「あいつには・・・勝てるのか!?」
シグナムやヴィータ、おそらくは覚醒時にシグナム達のデータから知ったはやてが蒔風に訊く。
それに対し、蒔風はこう答えた。
「大丈夫だ・・・なに、さっきと変わらないよ・・・・あそこにいんのも、化け物だからな」
そして胸を張ってこう言った。
「大丈夫だ!!お前らの勝因は、ここにいる!!!」
「さて・・・・ラウンドⅡだ・・・・」
「バーカ・・・ファイナルラウンドだよ」
終わりかと思えた戦い。
しかし、この男が乱入する。
「空気読めよ!!!終わりだったじゃん!!!」
「そこにあえての乱入してみたYO!!」
終わらない
まだ、終わらない
翼人、蒔風の戦いは、これが本番なのだから。
to be continued
後書き
アリス
「う~~~わ。なんか思いっきり振りかぶってスカした感じ」
書いてて思いました
でもこのタイミングじゃないとねえ・・・・・
アリス
「次回、「奴」の特権」
ではまた次回
夜天の主の名において、汝に新たな名を送る
強く支える者、幸運の追い風、祝福のエール
――――リィンフォース
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